お笑いコンビ『ミルクボーイ』が22日、東京・テレビ朝日内で開催された漫才日本一を決める『M-1グランプリ』で見事優勝に輝いた。
10組がファイナルラウンドの3席を争うことに。決勝ファイナルラウンドには駒場孝(33)と内海崇(34)のお笑いコンビ『ミルクボーイ』、山内健司(38)と濱家隆一(36)の『かまいたち』、シュウペイ(32)と松蔭寺太勇(36)の『ぺこぱ』の3組が進出となることに。
お笑いコンビ『ミルクボーイ』は2007年に結成。これまで4度準々決勝で敗退し涙を呑んできたが、今年初出場。7番手で登場した決勝の場では、コーンフレークネタで会場の笑いをかっさらい、『M-1グランプリ』史上最高得点となる681点をマーク。内海は「今年1番の出来でした」と会心の笑みを浮かべることに。97点をつけた松本人志からは、「これぞ漫才という感じがしましたね」と手放しで褒め、上沼恵美子も「1番笑いましたよね。ネタのセンスが抜群ですよ」と笑った。
お笑いコンビ『かまいたち』は2組目に登場。UFJとUSJの言い間違いをどんどん膨らませていくネタで、審査員7人を圧倒し660点の高得点を叩き出し、松本は「いやまあ圧巻でしたね。涙出るくらい笑って」と脱帽すれば、立川志らくも「きょうは参りました。すいませんでした」と言わしめるほどの出来の素晴らしさを見せた。
そして、お笑いコンビ『ぺこぱ』は、10組目に登場。斬新な漫才なツッコミが目を引く漫才で、ネタが進めば進むほどワールドに引き込み輝きを放ち、ベテランの『和牛』に2ポイント差となる654点でファイナリストへのきっぷを掴むことに。講評として、上沼は「10組目だけど、また活性化されました」と、芸の新鮮さを褒め、志らくは、「最初私が観たときに私の大嫌いなタイプだったのにどんどん好きになっていっちゃう。点数は辛めでしたけど、最初は82、83点からあがりました」と高評価。松本は「“ノリツッコまない”ボケというかね。新しいところ来ましたね」と、新しい言葉を生むほどだった。
そしてファイナル。『ぺこぱ』は引き続き“ノリツッコまない”ボケで、『かまいたち』は漫才の定石で、『ミルクボーイ』はモナカだけで爆笑をとりにいく三つ巴の漫才に。志らくは、「選びたくないですね、辛い」というほど、実力伯仲といった様子で、『サンドウィッチマン』の富澤たけしも「過去1番レベルが高いんじゃないかと」と、頭を悩ませる。
結果、『ミルクボーイ』が審査員7人のうち6人から票を獲得し、ぶっちぎりの優勝を見せることに。「今年テレビで漫才をしたのが初」という『ミルクボーイ』は、「嘘ですこんなん」「夢夢夢」と、自身たちも驚きを隠せずといった様子。巨人は、「誰が優勝してもよかったと思う。最高の戦いやった」とファイナリスト3組を絶賛。松本も「過去最高って言ってもいいかもしれない」と、今回の大会を総括した。
終了後には『ミルクボーイ』による記者会見が。大勢の記者を前に、内海は、「信じられないといいますか……。1番長くTVに映りました。こうしてインタビューをして頂いていることも信じられないです。駒場くんはさっきからなんか汗が止まらんくなって」と、緊張の面持ち。
“M-1史上最高得点”についても「そうなんですか」「意識せずにやったので」とただひたすらネタを行うことだけに集中したという。
M-1グランプリ優勝者というと、優勝が決まった瞬間から寝る暇もないほど多忙になることでも知られているが、バラエティーなど何かやってみたい仕事はないかとの問いかけに、内海が「漫才を頑張ってきたので漫才以外がボロボロ」と、漫才一筋だったことを伺わせ、「どんな仕事も1から頑張らせて頂きます。漫才もこれからも面白くなれるように続けていきたいと思います」と、謙虚な姿勢を。
一方の駒場も漫才への気持ちがあふれているようで、「漫才をさせてもらえる舞台がなかったので、漫才をさせてもらえる舞台をと思っています」と、さらなる漫才の現場への気持ちを語った。
そんな漫才に打ち込んでいる印象の2人だったが、一時『M-1グランプリ』の開催がなくなった時期に合わせるように「4年くらいサボりまして、漫才に向き合ってない時期がありました。趣味のギャンブルに明け暮れて」と内海が告白すると、駒場は、「新ネタも作ってなくて『M-1グランプリ』が復活して、またやらなあかんなと思って漫才に向き合うようになって」という。
とくに今年は「1番頑張りました。ネタ合わせに、LINEとかもネタ合わせが終わった後でも、気になるところがあったら連絡しあって。1番連絡とりました。彼女とか嫁より連絡をとってずっとネタ合わせしていたと思います」と、内海。なぜ今年それだけ頑張ったのかへは、昨年の『M-1グランプリ』で『霜降り明星』の優勝に触発され「お笑いの仕事とバイト以外はすべてネタ合わせ」「ただただ頑張りました」と追い込んだそうだ。
『M-1グランプリ』といえば賞金1000万円のプレゼントもある。その使いみちへ内海は「この2年角刈りにしてくれているお父さ
んがいるんですが、そこに僕専用の角刈り散髪台を設置させていただいて、角刈りにしたい方は無料にできたら。角刈りだけですよ」といい、駒場は「これまでお金がなくて世話になった後輩たちにお祝いも渡せなかった。ちゃんと恩返しできたら」と、仲間のために使うそうだ。
ほかにも、自身たちのネタについて内海は「リターン漫才といってもらっています」と説明。駒場は「ここ3年で“おかん”も加わって……」というと内海も「ここ3年で“トリオ”になりまして。もう1回先輩たちから言われて練り直したという感じですかね」と、自身たちの芸が磨かれていく過程を語ることもあった。