俳優・窪田正孝(31)が25日、東京・丸の内の公益社団法人日本外国特派員協会で映画『初恋』(監督:三池崇史/配給:東映)外国特派員記者会見を三池監督とともに開いた。
新宿歌舞伎町で余命いくばくもない天涯孤独のプロボクサー・葛城レオ(窪田)と、ヤクザから逃げる謎の少女・モニカ(小西桜子)がひょんなことから出会い、悪徳刑事をKO。すると事態は急転直下し、ヤクザ・チャイニーズマフィア、警察組織の争いに巻き込まれてしまうことに。レオがモニカを守ると決めたとき、2人の運命は変転をしだす……。
上映後、拍手に迎えられる中、作品のTシャツに黒のジャケットを羽織り登場した窪田。まずは司会から三池監督と出会って10年の作品になるということで、「19歳でカメラの前でひたすらに芝居をして監督に届けという思いでやっていて。三池さんに出会って、やっぱり、サングラスもこの10年で、すごく柔らかくなって昔のキリッとした鋭利なものがとけてきたというか。それで、すごくしゃべりやすくなってそれが10年の変化なのかなって。でも、現場に入ると監督といち役者でしかなくて、そうそうたる俳優さんたちが三池さんと一緒にやりたいという方が多くて、自分がそこに触れられてワクワクする環境を1番に当てられて、三池さんの凄さを感じたりしました」と、感慨深げに話すと三池監督は窪田の躍進ぶりに目を細めつつ、自身が10年年をとったことを嘆くジョークを交え、会場を沸かせることも。
本作、撮影のときの印象的なエピソードへ、窪田は「アクションシーンはみんなで体を張ったことを1番に覚えていてて。日も当たらず、夜行性のように夜だけというのも印象的でした。車のシーンはミニバンの中に監督も乗って6にんぐらいでギューギューで。アクセルを踏むとガラスに何度も頭をぶつけそうになったんですけど、巻き込まれている環境もあとになって、いい経験になるのではと思います」と、思い浮かぶままにコメントを寄せる。
本作は海外のプロデューサーと組んで撮影されたが、そういった組み方をすると普段と違うのかとの問いかけには、「本当にいろんな映画祭に行くと世界の三池さんということを感じるんです。ですが、撮っているときは海外のマーケティングがあるという気持ちはなくて、汗水たらして作ったものを三池さんの手を経て、海外に行き、きょうの場もそうですけど、三池監督に連れてきてもらったという感覚しかなくて。いち役者としてこの作品にかかわれたのが喜びであり感謝ですね」と、実感をしみじみと語ることもあった。
続けて、ヒロインを演じている女優・小西桜子の起用理由へ三池監督が「オーディションでドアから入ってきたときに、僕らが演じてほしい人が、『あっ、いたよ!』と、その役を演じるためにいたんじゃないかというようなエネルギーを大事にしています。小西さんは演技経験はなくて、まだまだこれからでしょうけど、彼女はこの企画のために存在していたオチウエネルギーを持っていると感じています」と、直感を大切にしているようだが、三池監督は続けて、「それを感じたのが10年前、窪田くんがドアから入ってきた瞬間に、『この番組の主人公がいた!』って気持ち地になって」と、当時を思い出し、これには窪田も真剣に聞き入る姿が。
窪田はといえば小西へ、「10年やってきて全然未熟ですけど、芝居の答えを技術で身につける癖をつけてしまっていたんだということを彼女を見て感じました。それに、(小西が)芝居をしたことがないからこそ、その可能性が無限にあって監督の要求に柔軟に応えられるんだと。彼女が10年経ったときに僕は超えられていないように頑張らないとと思いました」と、気持ちを新たにしたそうだ。
ほかにも、本作内で使っている武器のことへ質問があり、「いまの時代、刀とかもありますけど、銃とか持ったら最強じゃないですか。このキャストの中で一番準備したのは僕です」と、とにかくいろいろ武器を使っている様子を伺わせたり、「ボクサーの役作りはどれくらいの期間準備されましたか?」との問いかけに、「撮影の約1ヶ月前からジムに通って2時間くらい打ち込みをして、縄跳びをして、たくさんお肉を食べて、見た目を良くしました」と、エピソードを明かすこともあった。
映画『初恋』は28日より全国公開!