俳優・永島敬三(33)、井上小百合(26)、入江雅人(57)が1日、東京・下北沢の本多劇場で一人舞台『DISTANCE』フォトセッションおよびソーシャルディスタンス囲み会見を、本多劇場グループ総支配人の本多愼一郎氏、本多劇場代表の本多一夫氏、企画・脚本・演出の氏らとともに開いた。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月7日より全ての劇場を自主的に休館した本多劇場グループが同日より劇場公演を再開。その一歩目として「無観客生配信」の1人舞台を1日から7日の1週間行う。本日登壇の3人に加え、伊礼彼方、柄本時生、小沢道成、片桐仁、小林顕作、近藤芳正の9人が日替わりで舞台に立つこととなる。
会見はソーシャルディスタンスを意識し、報道陣、キャストともに間隔を開けて開催。入江は「本多劇場さんが旗を上げてくれるというのが大きくて。やっぱり演劇なんですよね」と、しみじみ。
永島は本日の舞台に立ってみて、「この客席にお客さんが居ないのは寂しいなと思ったんです」と話しつつも、配信を待っていてくれたファンの方から「『きょう観るよ』と言ってくれた人たちがいて、いろんな想像力を持ってみてくれたと思っていて。劇場の空気はどうだったんだろうとか、手に力を入れて観てくださっているとうのを想像しながら演じさせてもらったちょっと夢みたいな時間でした」と、演者の方もいつもより想像が働いたそう。
井上も本日の舞台に立ったが、「本当に、本当に楽しかったです。こういう苦しい状況の中、本多劇場の舞台に立てたというのは自分にとって大きな出来事になるんだろうなと思っていたんですけど、ただただ楽しんでしまって……。やっているうちに、ドンドンいろんな人への感謝が沸き起こってきて……」と、感じるままを。
内容へ井上は「状況がリンクしてしまって。セリフを読んで、何度も涙してしまったんですけど、1人でも多くの方に届いてほしいと思いながら配信していました」といい、「真っ暗な客席を見ながら、いままでお客さんが観に来てくれていたことが、どれだけありがたいことかと感じました。いまみなさんがいろんな気持ち位を背負っていると思いますけど、それでも、誰かと笑ったり泣いたりしながら生きていきたいなと思う貴重な時間でした」と、あらためて感じたそう。
さらに、井上は「演劇って必要ないものなんだよというセリフから始まるんです。必要じゃないかもしれないですけど、私にとっては、生きる目的だったりしていたんだなって。これからも生きていきたいなと思いました」と、感極まったのか、声を震わせながら話した。
本多慎一郎総支配人もキャスト・スタッフを見回しながら「とても素晴らしい初日を観ることができました。舞台は明日からも続きます。よろしくお願いします」と、瞳に涙を浮かべ万感といった様子で、川尻氏はキャパシティが約380人の劇場に対して同時視聴瞬間最大2010人となったこともあり「本日初日たくさんの方に観て頂けて成功だったと思います」と、手応えを感じたようだった。
一人舞台『DISTANCE』は1日から7日まで本多劇場にて無観客で上演し配信される。