鈴木勝吾「演劇という小さな革命をこの場所から」!ミュージカル「憂国のモリアーティ」東京公演ゲネプロ開催

鈴木勝吾「演劇という小さな革命をこの場所から」!ミュージカル「憂国のモリアーティ」東京公演ゲネプロ開催1

 鈴木勝吾、平野良、久保田秀敏、大湖せしる、根本正勝らが7月31日、東京・天王洲 銀河劇場で「ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.2 -大英帝国の醜聞-」(脚本・演出:西森英行)東京公演ゲネプロを開いた。

 『憂国のモリアーティ』は漫画雑誌『ジャンプSQ.』(集英社)で2016年8月から構成/竹内良輔氏、漫画/三好輝氏により連載されている累計発行部数220万部突破の作品が原作。コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ」を原案に、ホームズの宿敵であるモリアーティ教授視点で再構築された物語。上流階級の人間達に支配され差別が蔓延している19世紀末の『大英帝国』を舞台に、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとするモリアーティと、宿敵ホームズの戦いを中心に描く。2019年5月に上演された作品の第2弾となる。

 ゲネプロでは、静かなピアノの音色に始まり、登場人物が歌い継いでいく力強いオープニング楽曲でミュージカル『憂国のモリ
アーティ』Op.2は幕開けし、19世紀末のロンドンへ観客を誘う。

 前作より大幅に曲数が増すなか、第1楽章《バスカヴィル家の狩り》では、貧民街の子どもを狩りの獲物に使う悪の貴族たちを討伐する『モリアーティ・チーム』を描く。『犯罪卿』の頭脳であるウィリアム(鈴木勝吾)を中心として、彼に忠誠を誓うフレッド(赤澤遼太郎)とモラン(井澤勇貴)、そしてウィリアムの弟・ルイス(山本一慶)による華麗なアクションシーンが繰り広げられる。前作では封じていたウィリアムの仕込み杖も登場。身のこなしや言動に各々の性格が滲む。

 一方、「ホームズ・チーム」の近況から始まるのが第2楽章《二人の探偵》。今や名探偵として知られるようになったシャーロック・ホームズ(平野良)だが、「犯罪卿」に仕掛けられた事件の後は鬱々とした日々を過ごしていた。前作で描かれた最初の事件(※原作「シャーロック・ホームズの研究」)を相棒・ワトソン(鎌苅健太)が解説する一節は、彼が『緋色の研究』を執筆した作者である、という設定を引用したもの。

 第2楽章では、急行列車の中で再会したウィリアムとシャーロックが、車内で起こった殺人事件を解き明かす。登場人物を原作から増やし、ダンスとリズミカルな楽曲で賑やかなイメージに。本来、敵同士である「犯罪卿」ウィリアムと「探偵」シャーロックのふたりが、目を輝かせてデュエットするシーンはも

 続く第3楽章と第4楽章は、公演サブタイトルでもある《大英帝国の醜聞》。『The Woman』と呼ばれる美女アイリーン・アドラー(大湖せしる)が、英国王室の秘密文書を盗み出したことに端を発する大騒動。秘密情報部・MI6を率いるアルバート家の長男・アルバート(久保田秀敏)と、陸軍情報部の長官であるマイクロフト・ホームズ(根本正勝)の大人の色香が漂う駆け引き、兄・マイクロフトやアイリーンに振り回されるシャーロック、アイリーンと221Bの大家であるハドソン(七木奏音)が火花を散らすコミカルなバトルなど、見どころが盛りだくさん。

 『The Woman』が「犯罪卿」と「探偵」の双方を巻き込んでいく怒涛の展開とともに、仮面舞踏会やオペラといった華やかな群舞や歌唱シーンは、まさに“ミュージカル”ならでは。犯罪を巡るダークな雰囲気と重厚な楽曲が混ざり合い、独特の魅力を放つ。

 主演の鈴木勝吾と平野良の個性、歌唱力を生かした見せ場はもちろん、歌唱を“効かせる”、あるいは台詞で“聴かせる”場面がバランス良く織り交ぜられており、物語の行方に引き込まれていく。特に一幕ラスト、アンサンブルを含めたキャスト全員による圧巻の楽曲を披露した。

 「ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.2 -大英帝国の醜聞-」東京公演は7月31日から8月10日まで天王洲 銀河劇場にて、京都公演は8月14日から同16日まで京都劇場にて上演!

 ■キャストコメント
 ○ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ役:鈴木勝吾
 なにより劇場でまたお客様と一緒に舞台を共有できるという喜びに尽きます。ここまで作品作りとはまた別に、このご時世独特の対応を全員が真摯に取り組み今日まで歩んできました。生の空間で仲間とお客さまと演劇をすることができる感謝しかありません。
 見どころは難しいですが、演出・脚本の西森英行さんの頭の中にあるのだと思います。お客様が観たい見方で各シーン、この作品を楽しんで頂けたら幸いです。
 “憂国”のモリアーティ。サブタイトルが大英帝国の“醜聞”ということで、今このご時世とも不思議とつながる無視できないテーマがたくさん織り込まれています。演劇という小さな革命をこの場所から感じとってもらえたら幸いです。そして「今この瞬間」を楽しむという演劇ならではの空間にどっぷりと浸かってください。

 ○シャーロック・ホームズ役:平野良
 約半年ぶりにステージ上でお芝居することに奇跡と感謝を感じています。私もエンタメに救われた1人の人間として、大切に愛しく毎公演を生きたいと思います。
 前作を超える歌唱パートは見どころのひとつです。そして新しいキャラクターであるマイクロフトとアイリーン、この2人が新しく勢いのある風を持ち込んでくれています。なによりキャスト、スタッフ全員の演劇への情熱が、そこかしこに散らばっていますのでお楽しみに。
 信じて待っていてくれたファンのみなさま、まずは心より感謝申し上げます。私自身、またシャーロックとして生きられることがたまらなく嬉しいです。『この時代にやる意義』をみんなで話し合って大切に大胆に作品作りしました。ピアノとヴァイオリンの旋律と我々のパッションとのセッションを楽しんでいただけたら幸いです。

 ○アルバート・ジェームズ・モリアーティ役:久保田秀敏
 こういうご時世ではありますが、舞台を上演できる有り難さと幸せを噛み締めています。キャスト・スタッフ含め、引き続き感染症拡大防止対策に万全を期して最後まで極上の謎をお届けしたいと思います。
 前回にも増してウィリアムとシャーロックの駆け引き合戦が繰り広げられる今作。僕が演じるアルバートも最大の駆け引きに打って出ます。「モリアーティ陣営」と「ホームズ陣営」のスピード感溢れる謎解き合戦は、心地良ささえ感じます。お楽しみに。
 不安な気持ちが渦巻く中ですが、こうして皆様に作品をお届けすることができて本当に嬉しいです。
 “モリミュ”の何重にも折り重なる音と謎の共鳴をぜひその身で体感してください。

 ○アイリーン・アドラー役:大湖せしる
 舞台に立てる事のありがたさを噛み締めています。今まで当たり前のように迎えていた初日も“奇跡”なのだなとあらためて感じております。
 この作品ではセットや照明や音響、ウィッグやお衣裳なども隈無く見ていただきたいのですが、その中でも「ミュージカルの素晴らしさ」を感じていただけたらと。歌とお芝居の融合により奏でる美しさ。一番の見どころだと思います。
 このような状況の中でもエンターテイメントを必要とし、観てくださるみなさま方の熱い想いがあるからこそ私達は存在できるのだなと強く感じています。みなさまの心に焼き付くような作品としてお届けできるよう、努めて参りたいと思っております。

 ○マイクロフト・ホームズ役:根本正勝
 このような状況の中、開幕まで来ることができたこと、今まで以上に特別な気持ちです。舞台の素晴らしさを感じつつ、最後まで生きていこうと思います。
 歌にアクション、華やかさと残酷さ、腹の探り合い、各人物の背負っているものにご注目ください。
 今日まで真摯に作品と向き合ってきました。このような状況でも劇場へ足を運んでくださるみなさまに心より感謝です。最後まで『憂国のモリアーティ』の世界をお楽しみください。

 ■ほかキャスト・スタッフ
 ルイス・ジェームズ・モリアーティ:山本一慶
 セバスチャン・モラン:井澤勇貴
 フレッド・ポーロック:赤澤遼太郎
 ジョン・H・ワトソン:鎌苅健太
 ミス・ハドソン:七木奏音
 ジョージ・レストレード:髙木俊
 アンサンブル:安島萌 荒木栄人 伊地華鈴 大澤信児 上條駿 熊田愛里 佐々木駿也 白崎誠也 桃原華恋 永咲友梨 堀部佑介 松谷嵐
 Piano:境田桃子 Violin:林周雅

 ※記事内写真は(C)竹内良輔・三好 輝/集英社 (C)ミュージカル『憂国のモリアーティ』プロジェクト

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