俳優・綾野剛、舘ひろしが初共演する映画『ヤクザと家族 The Family』(監督・脚本:藤井道人/配給:スターサンズ/KADOKAWA)の特報、ティザーポスター、追加キャストが24日、解禁となった。
本作は、2019年にタブーに切り込んだ衝撃的な問題作として、第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞をはじめとする主要部門三冠受賞(最優秀男優賞、最優秀女優賞)に輝いた映画『新聞記者』のメガホンをとった藤井道人監督が担当。道井監督自身が『ヤクザ』をテーマにオリジナル脚本で挑んでおり、1999年、2005年、2019年の変わりゆく3つの時代の価値観で切り取るものとなる。
綾野は、本作で初のヤクザ役。綾野が演じる山本賢治という男の背景には、父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っている時に、柴咲組組長の危機を救ったことからヤクザの世界へ足を踏み入れている。短気で暴力的な面もあるが、一本気さのある山本はヤクザの世界で“男をあげていく”が、移り変わる社会の中で「組織=ファミリー」と「愛する家族」の間で揺れ動く、時代を象徴する“最後のヤクザ”ともいえる男の半生を表現する。舘は、柴咲組組長・柴咲博役を演じている。
公開となった特報映像では、血生臭さを感じるものではないスタイリッシュな映像の中、“家族”というキーワードを感じさせるものに。前半は、1999年代の綾野演じる山本と、舘演じる柴咲との出会いを断片的に見せ、後半は、2005年代のヤクザとして男をあげていく山本の激動の人生が映し出され、最後に2人が交わす抱擁と柴咲が流す涙が印象的な仕上がり。
今回新たに追加キャストも一挙発表。学費を払う為に山本のクラブで働き、後に山本の恋人となる工藤由香役に尾野真千子。山本の兄貴分にして柴咲組の若頭・中村努役に北村有起哉。同じく柴咲組の組員で、少年期から山本とつるんでいた悪友の一人で、共にヤクザの世界へ足を踏み入れる細野竜太役を市原隼人。柴咲組のシノギを手伝い、特に山本を羨望の眼差しでみている愛子の息子・木村翼役に磯村勇斗。
そのほか柴咲組の組員の竹田誠役に、ベテラン俳優&名バイプレーヤーで知られる菅田俊と、豊島徹也役に康すおん。山本や細野と共に組に入る大原幸平役に二ノ宮隆太郎。さらには、昔から柴咲組と抗争を繰り返す侠葉会の組長で、時代と共に経済ヤクザとして台頭する加藤雅敏役には豊原功補。侠葉会・加藤の下で若頭補佐として、何かにつけ山本につっかかる川山礼二役に駿河太郎。組同士の抗争に目を光らせているようで、裏で侠葉会と癒着する静岡県警組織犯罪対策本部の刑事・大迫和彦役には岩松了。そして柴咲組の元頭・木村の妻で、親を亡くした山本を温かい目で見守る木村愛子役を寺島しのぶが演じることとなる。
映画『ヤクザと家族 The Family』は2021年公開予定!
※記事内画像は(c)2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会
■追加キャストコメント
○工藤由香役・尾野真千子
単なるヤクザ映画というわけではなく、色んな家族がある中で、こういった家族の描きかたをするんだなと撮影前から楽しみで、撮影中は心穏やかにいることができました。年の近い若いチームだけれども、チームワークがすごく良くて、藤井監督の人柄なんだろうなと思いました。監督というリーダーと頼れるお兄さんになっていた綾野さんと本当に楽しい現場でした。ぜひ楽しみに待っていてください。
○中村努役・北村有起哉
このたび藤井監督にふたたびお招きいただきました。本当に素直に嬉しかったです。新聞記者の次はヤクザなんですね、役者冥利につきます。これまでに星の数ほどの任侠映画がありましたが、このヤクザ映画はタイトル通り、家族のお話です。怒鳴りあったり暴力シーンもあります。しかし、もがいてあがいていく時代おくれの登場人物達に少しでも愛着を抱き、そして束の間任侠映画というジャンルを忘れていただければ、この映画の本質が浮き彫りになると信じてます。
○細野竜太役・市原隼人
役者として自分と向き合う中でこの作品に出会えてよかったです。映画ってこうあるべきなんだなと。今回の現場に自分が求めていたものがありました。役者だけでは作れない環境と技術だけではなしえないものが、映像に必ず残っていると思います。自然と気負うことなくあふれ出てくる現場は後にも先にもないと思いますし、濃い充実した日々が送れました。生涯輝き続ける色褪せることのない作品ですので、楽しみにしていてください。
○木村翼役・磯村勇斗
出演が決まった時、嬉しさと同時に目の前に一枚の壁が立ちはだかった感覚でした。この壁を乗り越えなければならない。そんな燃え上がる思いで挑みました。翼の役と向き合っていく中で、監督はシンクロする瞬間を大事にしていたと思います。役、相手、空気感と。だから毎シーン気が抜けない。でも気持ちのいい緊張感がありました。そして何より綾野剛さんが正面から向き合って下さったことで翼という人間が作れたと思います。映画の世界はこんなにも素敵な場所なんだと肌で感じました。俳優とは?お芝居とは?をもう一度考える機会を頂けた大切な作品です。
○木村愛子役・寺島しのぶ
3つの時代の中で変わりゆくオモニ食堂で撮影し、この場所にすごく愛着がわきました。時代ごとにセットや色も変わって、時を重ねる中で演じることができました。毎日監督と一緒に過ごして何とか監督の思っているように演じたいと思いました。難しいと感じながら演じていた日々でしたので、完成した映像でうまく表現されていたら嬉しいです。
■STORY
1999 年、父親を覚せい剤で失い、その日暮しの生活を送っている時に、柴咲組組長の危機を救った男・山本賢治(綾野剛)。自暴
自棄になっていた自分に手を差し伸べてくれた柴崎博(舘ひろし)に心の救いを得て、二人は父子の契りを結ぶ。
2005年、短気な面もあるが一本気さのある山本は、ヤクザの世界で男をあげていく。激化する因縁の相手・侠葉会との争い、自分と同じような境遇で育った女性との出会い、大切な家族である仲間を失ってしまうなど、人生を大きく揺り動かす激動の瞬間に愚直なまでに向き合って生きる山本、そして彼は自分の【家族・ファミリー】を守るために、ある決断をするー。
2019年、14年もの年月を犠牲にした山本が出所後目の当たりにしたのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなく、存続していくのもギリギリな状態に一変していた柴咲組の姿。時代の流れによる大きな変化に戸惑いながらも、愛する家族との生活を望み、新たな人生を歩もうとする山本に、状況を根底から揺るがす事件が――。