『三代目 J SOUL BROTHERS』で“岩ちゃん”の愛称でも親しまれている岩田剛典が4日、東京・丸の内ピカデリーで映画『空に住む』(監督:青山真治/配給:アスミック・エース)完成披露舞台あいさつに女優・多部未華子、岸井ゆきの、美村里江、俳優・鶴見辰吾、永瀬正敏、岩下尚史、髙橋洋、青山監督とともに登壇した。
作詞家・小竹正人氏が2013年に上梓した小説『空に住む』(講談社)が原作。同小説とともに、誕生した楽曲『空に住む~Living in your sky~』を『三代目 J SOULBROTHERS from EXILE TRIBE』が担当し、小説と楽曲が同時にリリースされたことでも話題を集めたが、本作の主題歌にも起用されている。
会場内はメディアと関係者のみでYou TubeでLIVE配信という状況となり岩田は「こういった状況下であいさつするのが初めてなのですけど、You Tubeで配信されているんですよね。映画のことをお話できればと思っています」と、新鮮な気持ちになっているよう。
郊外の小さな出版社に勤め両親が急死し孤独を抱える直実(多部)が主人公。岩田は大スターの時戸森則を演じ、偶然出会った直実を魅了し、直実が実らない恋だと思うなかでも深い仲へと発展していってしまう……という岩田史上かつてない“悪い男”を演じることとなる。
多部は時戸を演じた岩田へ、「この映画の中で1番ファンタジーなキャラクターで、演じるのが難しいのではないかと思いました」というほど難役だと感じたという。
岩田はといえば時戸について、「脚本を読ませて頂いたときから、時戸ってすごい変な人だなと思っていたんですけど、セリフも独特の言い回しとで、独特の雰囲気を持っているスター俳優で」ということを感じたという。
劇中で実際に時戸との出会いはエレベーターに乗り合わせたことがきっかけというが、多部は「見た目が岩田さんだからいいけど、ついてっちゃいけませんね」とぶっちゃける。これに、岩田は「どうリアクションしていいかわからないですね。ついていかないほうがいいんじゃないでしょうか。僕が女性だったら怖い経験です」と、同意して笑いを誘っていた。
そんな時戸を演じるうえで岩田は、「自分のなかで悩んだんですが、根底にある、二重人格というか二面性があってありのままの自分と表に出ているときの自分。その二面性を理解してるけど、だんだん考えることをやめたという複雑なところがあって。少なからず自分もこの世界にいて現実と表の世界のギャップが共感できる部分を見つけられたので、あとは現場の雰囲気に任せて演じきったと思いますね」と、演技プランにたどりつくまでの心情を。
とはいえ、「あんまり共通するという部分があると言いたくないキャラクターで(苦笑)」と言いつつ、「ですが、たぶん寂しいんだろうなと思って演じていましたね。僕はグループもやっていますので、仲間はいる方だと思うのですが、時戸は孤独で自分の世界に閉じこもってきたんだなという感じがします」と、しみじみ。
撮影エピソードとしては、「現場にインする前に監督がお花を持ってきて、新型コロナウイルスのなかでも食べれそうな花がある?と聞かれたんです。そうしたらト書きに、時戸が花をちぎって食べるというものがあってそれが成立するようにということで。見たことないシーンだなと感じました」と、少々戸惑いもあったようだった。
さらに多部の演技へ、「短いスパンでいろんなことが身の回りに起きる中で、いろんなことが起きますけど、ラストシーンの直実と向き合っているときの多部さんの目ですね。目を見て、実際この物語の成長過程を現場で感じることができて女性の強さをかすごく感じることができました」と、見どころを語ることもあった。
ほかにも青山監督から、「岩田さんは岩田さんという人間としていることに対してものすごく聡明なんです。それを周囲が感じた人にお伝えするということをみんなにさせてしまうという感じですね。人にこれが岩田だということを、世間に教えさせるような不思議な才能なんです。それが岩田さんだと思いますよ」と、評されると、当の岩田は「もったいない……」と恐縮するかと思いきや続けて、「これが岩田です」と、お茶目なコメントをしていた。
映画『空に住む』は23日より全国公開予定!