アイドルグループ『KAT-TUN』の亀梨和也が6日、東京・渋谷のPARCO劇場で主演舞台『迷子の時間-語る室2020-』(作・演出:前川知大)取材会を女優・貫地谷しほり、俳優・浅利陽介、松岡広大、古屋隆太、生越千晴、忍成修吾、演出の前川氏とともに開いた。
本作は、2015年に演出を務める前川知大氏主宰の劇団イキウメで上演された『語る室』をベースに、『抜け穴の会議室』以来10年ぶりの登場となるPARCO劇場のオープニング・シリーズに2020年版として新たに届ける作品。独自のSF的な世界観から、今を生きる意味を私たちに問いかけてくる、前川ワールドを感じさせるものとなっている。亀梨は、失踪した子供の叔父で奇妙な幻覚に悩む主人公の警察官役を演じる。
会見前にはまず記念撮影が行われたが、カメラマンから「渋谷っぽく」というポーズのリクエストが飛ぶと、1度は応じた亀梨だが、あまりにそのポーズが恥ずかしかったのか、2度目に同じポーズを求められた際はひたすら照れ笑いして、スルーする一幕が。
そんなほんわかした雰囲気のなか、会見がスタート。「僕自身はパルコさんとこうしてお仕事をさせて頂くことが初めてですし、劇場も初めてです。共演の方たちも、浅利くんはドラマで1度ありましたけど、初めてだらけのことで」「ちょっと僕、初日を前にビクビクしているんで、本当に申し訳ないんですけど」と、緊張しているという亀梨。
けいこ場では「素敵な時間を過ごさせていただいて、こういう状況のなかでステージに立たせて頂けることを感謝しつつ、来てくださる方に良い時間を過ごせるように尽くしたいなと思います」と、意気込んだ。
亀梨にとって警察官の姿をするのは2017年公開の映画『PとJK』でもしたことがあるが、「こういった姿をするのは初めてではないですね。でも、靴下の中にズボンを入れるというスタイルは初めてなんです。あっ、ちょっとこれは裏話なので深く聞かないでほしいです(笑)」と、茶目っけたっぷりで以前の姿との違いを。
カンパニーの雰囲気としては一丸になっているようで、貫地谷が「ここにいる方たちがどんどん好きになっていった現場で……これからもしかしたら嫌いになるかもしれないですけど、いまはとっても大好きです」と、軽口が飛び出しても全員で笑い合ったり、生越も「けいこがみなさんが素敵で温かい人たちで言葉じゃ伝えきれないくらい本当に素敵で。それとまだまだ諦めずに発見することをみんなでできる気がして」というと、亀梨は“うんうん”といった感じで何度か小さくうなずいていた。
亀梨にとって舞台出演はこれが5年ぶり。苦労はないかとの問いかけに、「前川さんとご一緒させて頂くなかで、けいこ場の話に戻りますけど、日々、苦労というより挑戦であり、発見であり、気づきを本当にたくさん与えてくださって」と、充実していたという。ただし、その気づいた部分へは「本番が明日からですけど、そこはおうちに帰ってから大丈夫かなと台本を見たりした方がいいかなと思って……」と、少々心配そうな表情を浮かべる。
すると、浅利がすかさず「やめてよ、あした全力で睡眠不足で来るの!」とツッコミ。これに思い当たる部分があったのか、亀梨は「ハハハハ!」と、声を出して苦笑いしつつ「でも、きっと振り返ったときにそれさえも良い時間として……」とまとめようとする。ここで貫地谷が「明日から本番ですけど、1週間前からドキドキしてるんですって」と、暴露し、さらに亀梨を苦笑いさせた。
そういった気分の高まっている状態を解きほぐすために亀梨は「お風呂にゆっくり入ったり、新喜劇さんの映像を観たり、お笑い芸人さんたちが出ている番組で楽しませてもらったりして」と、リラックスしているそう……なのだが「でも、すぐ戻っちゃうんです」と、緊張があったようだ。
さらに、前川氏の作るけいこ場では毎回1時間ほど“シアターゲーム”なるものをすることがあるという。貫地谷は「椅子取りゲームとか」といえば浅利は「マンションマンションって言ったりとか」と、独特のゲームなようで亀梨は「日によってゲームの内容が違うんです。コミュニケーションをみなさんで取りつつ、体を動かしつつ」と、説明。補足として浅利が「しゃべり始めると彼(亀梨)は本当に止まらなくなりますよ」と言い亀梨も笑いながら「ワードウルフというゲームがあって、先陣を切ることがあるんですけどガンと食い込まれるとキューンという感じの子犬感が出ることがあって。そういうところは自分のなかで新たな気づきでした」と、ゲームの状況を説明していた。
ほかにも、けいこ場でつけたあだ名でそれぞれを呼び合っているということや、作品の撮影もかねて、キャスト陣でBBQに行ったそう。その際に、貫地谷は「前日に何を持っていくかみんながいっせいのせで言ったら、なんとお肉がなかったんです。そうしたら当日に(亀梨が)『朝から行ってきましたよ』と言って肉を大量に持ってきてくれました」というと浅利も「あのハマグリもおいしかった!」と、座長として亀梨が気遣ったといい「一応ね。いい思い出を」と、奮発したそうだ。
そして、亀梨から、「前川さんとご一緒せて頂き、キャストのみなさんと素敵な時間を過ごす中で、パルコ劇場さんに立たせて頂けることを噛み締めながらです。時間というのが1つのキーになっていますので、いい形で過ごして頂いて劇場を後にして頂けるように過ごしていけたらいいなと思います。良いものを持って帰ってもらいたいなと思います」と、メッセージを寄せていた。
舞台『迷子の時間-語る室2020-』東京公演は7日から29日までPARCO劇場にて、大阪公演は12月8日から同13日までサンケイホールブリーゼにて上演!
■あらすじ
田舎町、ある日の夕方。
人気のない山道で、一人の園児と幼稚園送迎ハ゛スの運転手が姿を消した。
バスはエンジンがかかったままで、争った跡はなかった。
手掛かりはほとんどなく、五年経った今も二人の行方は分からないままだ。
消えた子供の母、その弟の警察官、バス運転手の兄。そして三人が出会った人々…。
奇跡を信じて嘘をつき続ける霊媒師、
帰ることのできない未来人、
父の死を知り実家を目指すヒッチハイカー、
遺品から亡き父の秘密に迫ろうとする娘。
彼らを通じて、奇妙な事件の全貌が見えてくる_。