俳優・山崎育三郎が7日、東京・日本武道館でエンターテインメントショー『山崎育三郎 THIS IS IKU 日本武道館』を開催し、ゲストの明日海りお、『千鳥』、森山直太朗、山口太幹くんとともに盛り上がった。
本イベントは2018、19年と開催されており今年で3年連続となる。
イベントでは、山崎がこれまで出会ったエンターテイナーの中から「自分の人生」に影響を与えてくれた方の偉業に感謝を込めて、独自の目線で“賞”を授与する『IKU AWARDS 2020』を開催。アワードの名にふさわしい、観客の多くもフォーマルな服装で客席は華やかに彩られるものに。
日本武道館に真っ白な高級リムジンで登場した山崎は金のジャケットを羽織ったタキシード姿。さらに、その手にはバラの花が。その後、ステージに姿を現した山崎に会場から大きな歓声が上がり、イベントは幕を開けた。
そして1曲目『TOKYO』では吹き上げ花火が上がり、色とりどりの照明が飛び交う。観客も思い思いのサイリウムを振り、会場に山崎の楽しむ気持ちが伝播する。2曲目『Get yourself』も、観客とともに楽しめる勢いのある楽曲で、山崎の呼びかけにより、観客とともに振り付けを一緒に踊る場面も見られた。3曲目『I LAND』では、なんとダンサーがタップダンスを披露。その後のMCでは、この熱いパフォーマンスに触れ、山崎は息を切らしながら「この後のステージも楽しんで!」と観客にメッセージを送った。
そしてここからは、このイベントのメインとなる授賞式へ。最初の受賞者となったのは、『最優秀音楽賞』の森山直太朗。山崎と森山は、NHK連続テレビ小説『エール』で共演し、それをきっかけに12月に発売される山崎の新曲を森山が作詞・作曲するという深い縁がある。コメントを求められた森山は、受賞の喜びを語りつつも「この賞が今いち何なのかわからないんですけど(笑)」と、会場の笑いを誘った。
山崎とのトークでは、2人の共演を振り返ったり、『山崎育三郎のI AM 1936』出演時の思い出話に花を咲かせたりと、2人の仲の良さが垣間見える一幕が。そして、山崎に促され、森山が『愛し君へ』をギター弾き語りでしっとりと披露。さらに、山崎と森山2人でラジオで初共演時に歌唱した『さくら』をステージ上で熱唱してみせた。
さらに、朝ドラ『エール』内でもそれぞれ歌うシーンがある『故郷』を熱唱。美しいハモリも利かせた歌声に観客はうっとりといった様子。さらに、山崎演じる佐藤久志の子ども時代を演じた山口太幹くんがサプライ
ズで登場。山口くんの特技が『ビートボックス』ということで、ステージ上で披露してもらうことに。あまりのクオリティの高さに
、山崎&森山2人が声をそろえて「嘘でしょ!?と、度肝を抜かれたようだった。
続いての受賞者としてステージに登場したのは、『最優秀お笑い賞』を受賞したお笑いコンビ『千鳥』。ノブも大悟も「直太朗さんの次って……」と、渋い顔だったが、山崎のミュージカルを観に行ったなど、関係性を語る中で、なんとコラボで漫才を披露する流れに。『千鳥』のお馴染み“クセがすごい”漫才に山崎が混ざると……「ミュージカルのクセがすごい!」に。山崎の見事なビブラートを活かした『もりのくまさん』に、ノブのツッコミがさく裂!
さらには、3人で『Mr.Children』の『Tomorrow never knows』を歌うことになり、ここではノブが歌のクセのすごさを発揮。山崎のアドバイスを聞くなど何度もやり直しを重ね、フルバンドを入れての歌唱ではかなりの上達を見せ、上手く歌い切った……ように見えていたが、だんだんとミュージカル調に染まっていき、最後は「ミュージカルのクセがすごい!」というノブのツッコミで締めくくった。
続いて登場したのは、『最優秀トップスター賞』を受賞した元宝塚歌劇団花組トップスターの明日海りお。宝塚時代に演じ、来年も主演を務めるミュージカル『ポーの一族』の楽曲『哀しみのバンパネラ』を、重低音も使い華麗に歌ったかと思えば、今年流行の『香水』を軽快なJ-POPのリズムに乗せて、笑顔を浮かべながら山崎とコラボで歌唱。
その後『世界の王』『闇が広がる』へと続くが、この『闇が広がる』はミュージカル『エリザベート』の楽曲。明日海は宝塚でトート役を演じたが、山崎も今年、このトート役を演じる予定だった。(※新型コロナウイルスにより全公演が中止)2人の重く響く歌声に包まれる会場、そして奇跡のトートコラボに観客は息を呑むのも忘れて見入っていた。
最後の受賞者としてステージに登場したのは、なんとこの賞を設立した山崎自身。代わって『千鳥』の2人がプレゼンテーターを務め、山崎を呼び込むのだが、その前に流れた山崎の紹介VTRに「自分の時だけたいそう(な演出)やなぁ!」とのツッコミが。受賞することをまるで予想していなかったような表情で、「まさかこんな賞を受賞できるとは……!」という白々しいコメントを発する山崎に、千鳥から「とんだ茶番に付き合わされている」というクレームが飛ぶ。
そんな山崎が披露したのは、『僕こそ音楽』と『最後のダンス』。どちらも山崎が出演したミュージカルの楽曲で、思い出深いと話す。ムードたっぷりに歌う様子は、まるでミュージカルの1シーン。山崎が醸し出す世界観に存分に浸ったところで、本編は幕を閉じた。
アンコール1曲目は夏の全国高等学校野球選手権大会の歌『栄冠は君に輝く』。これは朝ドラ『エール』にて、山崎演じる佐藤久志が甲子園のマウンドに上がり、歌った曲だ。森山、千鳥、明日海、山口くん、冒頭で登場したモノマネ芸人・JPがステージに登場し、この日の出演者全員で大合唱した。
ゲストがステージを降りたところで、山崎はアンコール2曲目となる『Wonderland』を披露。観客の手拍子に乗せて、ノリノリでステージの端から端まで動き、隅まで歌声を届けた。Wアンコールとして最後に歌うこととなったのは、12月2日発売の新曲『君に伝えたいこと』。作詞・作曲を森山が手掛けた曲で、山崎は情緒たっぷりに歌い上げ、最初から最後まで山崎らしさあふれる“究極のエンターテインメントショー”は、感動で幕を閉じていた。