映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(監督:三池崇史/配給:東宝、KADOKAWA)始動記者会見が12日、埼玉・ところざわサクラタウンで開催され主演の寺田心、追加キャストとなる大沢たかお、三池監督、製作総指揮の角川歴彦氏と荒俣宏氏が登壇した。
1968年からの三部作、2005年には平成版が興行収入20億円の大ヒットを記録した映画『妖怪大戦争』が、令和の新たな時代とともに『妖怪大戦争 ガーディアンズ』となってスケールアップしてスクリーンに復活することとなった。
実際に映画で使用された迫力のセットが組まれるステージに大沢以外の4人がまずは登壇。伝説の妖怪ハンターの後継者である兄(けい)を演じた寺田は、観客に深々と一礼しながら、「アクションをすることが初めてだったり、いろいろな妖怪に囲まれての撮影だったので、すごくでき上がりが楽しみでワクワクしております!」と、心待ちといった様子。
2005年に公開となった『妖怪大戦争』に続いてメガホンを取った三池監督は、「みなさんの期待を上回る、すごくパワフルで強力なメッセージを持った映画になっています。日本や世界の状況にいま1番必要なメッセージを込めた作品なので、完成を楽しみに待っていてください」と、メッセージを寄せる。作家で妖怪研究家の荒俣氏は、「映画には“あのお方”や“このお方”が出るはずなんですが、今日はみなさんへのごあいさつなので詳細はもうちょっとお待ちください!」と、さらなる豪華キャストがいることを匂わせていた。
さまざまな妖怪の登場にも期待が集まる本作だが、この度ついにメインとなる2大妖怪とそのキャストを初披露!まず発表されたのは、『狐面(きつねめん)の女』。妖怪たちとの大冒険に巻き込まれていく兄(けい)に厳しく接しつつも守ろうとする役どころで、その名の通り狐の面と、クールなコーンローのヘアスタイルがトレードマークの謎多きキャラクター。記者会見ではキャストからの
ビデオメッセージが上映され、狐の面を脱ぐとそこには……杉咲花の姿が!杉咲は、『無限の住人』(2017)以来の三池監督とのタッグに「三池組のプロフェッショナルな職人さんたちが集まった空間での撮影で、貴重な時間を過ごせて幸せでした」と、喜びを語りつつ、「心君が真っ直ぐ進んでいく姿にパワーをもらったり、楽しめるところもたくさんあると思うので、ぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです!」と、ファンたちへメッセージを送った。
続いて、発表された妖怪は、狸の総師・隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)。一見すると誰かわからないほど、迫力の特殊メイクが目を引く化け狸のビジュアルに、にわかにざわつく会見会場。そんな隠神刑部のキャストは、寺田によってステージに呼び込まれることに。寺田が本作で演じる主人公・兄(けい)は、平安時代の武将にして妖怪ハンター・渡辺綱(わたなべつな)の子孫。角川氏より、劇中で兄に授けられる伝説の刀「鬼切丸(おにきりまる)」が手渡されると、寺田がそれを勇ましい掛け声と共に振り下ろし、雷鳴とスモークがド派手に炸裂!するとステージ中央にあしらわれた巨大なセットの中央から、隠神刑部を演じる大沢たかおが登場!
妖怪役は初めてだと言う大沢は、「心君以外ほぼ全員妖怪なので、(撮影現場では)誰が誰かずっとわからず芝居をしていましたが、楽しく演じさせていただきました」と、会場を笑わせつつ、「自分のミッションが心くんをビビらせることだったので、どうやってビビらせるか考えながら毎日現場に入っていました。終わった後はなるべく笑顔で接していました!」と、裏話も。
寺田は、そんな大沢の妖怪姿を初めて見た時に「思っていた狸と違ったのですごくびっくりした」ことを明かしつつ、「お芝居が終わるとすごく優しくしていただいて、ご一緒できて本当に嬉しかったです!」と、笑顔に。対する大沢は、「過酷な現場だったけど、心くん1人いるだけでみんながあたたか気持ちになって撮影できたので、感謝しています」と、目を細めていた。
大沢は続けて「本当に自分の役をわかっていて、監督の細かい注文にもすぐ反応する」と寺田の姿勢を絶賛しつつ、「『もっと怖がって』と言われすぎて白目をむいていましたが、子供ならではの演技がかわいくてしょうがなかった」と“萌え”たそうだ。
会見ではさらに、ビジュアルが公開。大沢は、自身が演じた隠神刑部に触れながら「撮影中、会う人ほぼ全員に無視されたので、(キャストが大沢だということは)映画を観た人もわからないんじゃないか」と、あらためて渾身の特殊メイクに言及した。
イベント中盤には、会場からの質疑応答へ。会場に招かれた所沢の小学生から「映画にはどんな妖怪が出てきますか?」という質問が飛ぶと、寺田は「『妖怪獣』という最大の敵が出ます!フォッサマグナから生まれた妖怪獣を、僕といろんな方たちと一緒に倒していくからね!」と、しっかり返答。
狸の妖怪・隠神刑部役に大沢を起用した理由は?という質問へは、三池監督から「ロケハンで訪れた戸隠山で、大沢さんにそっくりな隠神刑部の捕獲に成功したので、特殊メイクの負担を減らせるかと思った」と、うそぶきつつ、「隠神刑部は、過激でありながら優しい。人間が支配しているように見える地球のその先を見据えて、その視点から人間と対峙している存在。スケールのでかい孤高の野獣、男なので、やっぱり大沢さんが1番ふさわしいと思った」と、キャスティング理由を。
これに大沢は、「今回は狸役、しかもバイクに乗る狸と言われたので、すごく楽しく演技できました。特殊メイクも2時間ぐらい毎日やっていたので、本当に自分が隠神刑部になった気分で現場にいられてすごく楽しかった」と、充実した表情を浮かべた。
最後に映画を楽しみにしているファンへ、寺田は「たくさんのキャストの方々や監督に囲まれて、素晴らしい作品ができるかと思うので、みなさんぜひ楽しみにしてください!」と、笑顔を見せ、大沢は「たくさんの子供たちに観てもらいたいですが、同時に大人たちへのメッセージもたくさん込められているので、世代を超えて愛される映画になれば」と、コメント。
そして三池監督は、「コロナや自然環境などの変化で、人間が変わらざるを得ない時代が来ている。大事なのは、それぞれがどういう信念をもって行動していくか。そんな時にこの映画が支えになって背中を押してくれるし、妖怪が教えてくれる。特に大人たちの、少し垢がついてきた心が綺麗になっていけば。映画のテーマも一緒に楽しみながら考えて、本作のメッセージを感じ取ってもらって、みんなで強い人間たちになっていくことを願っています」と、語った。
※記事内写真は(c)2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ