女優・波瑠(29)、俳優・松山ケンイチ(35)、安田顕(46)、友近(47)が13日、都内で映画『ホテルローヤル』(監督:武正晴/配給:ファントム・フィルム)初日舞台あいさつを武監督(53)とともに開いた。
本作は作家・桜木紫乃氏が、2013年の第149回直木賞を受賞した作品。電子書籍を含む累計発行部数95万部を超える桜木氏の自伝的な物語。桜木氏の生家でもある北海道・釧路湿原に立つラブホテル「ホテルローヤル」が舞台で、ホテルを訪れる人々や従業員、経営者家族それぞれが抱える人生の哀歓をやわらかく描いた人間ドラマ。波瑠は美大受験に失敗し家業のホテルを手伝う主人公・雅代を演じる。
中継専用となった会場からの舞台あいさつとなり波瑠は、「いつもより多くのお客さんのところに、リアルタイムで届いていると思います」と、言いつつ、アクリルパネルの間に挟まれていることへ「収まる感じがお店のマネキンになった感じで、不思議な感じです」と、感想を。
一方、松山はカメラに向かって「こんばんは!」と、元気よくあいさつすると、安田は中継だからとたしなめつつ、自身も声を張って「こんばんは!」と言い出し、笑いを誘う一幕が。これに松山は「劇場の反応みたいですよね」と話していたが、司会から「ウケているそうです」と伝えられ、これには松山も満足げ。
そんななか武監督が、松山の本作での北海道の方言が、松山自身の故郷の青森弁になっていっているという裏話を披露。これに、松山は記者専用の本作の案内パンフレットに書かれてまでしまっているとハッスルしだし、「自分が青森弁でしゃべっちゃったこと、これナイショって言ったんですよ!毎回、ナイショと言ってるんです。北海道の話なのによく書けるなって思うんですよ!北海道の方、観てるんでしょ、この作品。これ北海道の言葉じゃねぇよと思いながら観ちゃうでしょ!武さんが大丈夫と言ったから大丈夫だろうと思っていたんですけど、まさか舞台あいさつでこの話をすると思ってなかったので、本当に心配なんですよね。宣伝プロデューサーとマネージャーなんで、そこ止めなかったんだろう!」と、まくしたてる。しかし、この熱の入った松山を止めたのは隣にいた友近で「取り乱すなって」と、ピシャリといい松山も「いやーほんとすいません。優しく観てください」と、矛を収めていた。
さらに、司会から本作の山場の1つであるラストシーンの波瑠と松山のシーンの話を振ることに。同シーンへ波瑠は「着衣を脱いだりするんですけど、自分がお風呂に入るときに服を脱ぐ感じをたくさんの方に観られている気がして恥ずかしいなと思いました。けど、ちょとしたところに人間くさいところが出ればいいなと思って。恥とかそういうものはなくその時間に身を委ねていた感じです」と、説明。
松山も「そのシーンは淡々とやれた気がします。印象的なセリフってあると思うんですけど、そのシーンにあったんです。原作にもそのセリフはあると思うんですけど、その言葉が僕ら2人の緊張感、空気感になったと思いますね。セリフに助けられた、感化された部分があるので楽しみにしていてください」と、これから観てくれる方へ伝えていた。
続けて、キャスト陣によるお気に入りシーンの話題へ。波瑠は「本当に選べないですけど、個人的に好きなのはボイラー室のシーンで、女子のお茶会みたいな場所が好きでした。親と仲が良いとはいえない雅代の家族で近い関係があって。雅代が安心できる空間があそこだったのかなって思って。ぜひ観てほしいなと思います」と、アピール。松山は本作を何度も観て誰が一番方言をうまく言っていたか、安田は作品内で流れ行く時間、友近は自身の出演シーンを挙げていた。
そして波瑠から「私もたぶん13歳のときに自分が持たされた人生から、この世界(芸能界)に逃げてきた人です。そんな私が、直木賞を受賞したと本屋さんに積んであった『ホテルローヤル』を手にとって読んで、素敵な本棚と思ったときから、まさか、私が雅代を演じる日が来ると思っていませんでしたし、やっていてよかったと思っています。きょう話した内容は忘れてもらって、映画を楽しく観てもらえれば」と、メッセージを寄せていた。
映画『ホテルローヤル』は13日より全国公開中!