菅野美穂、高畑充希、尾野真千子が2021年春に公開予定の映画『明日の食卓』(監督:瀬々敬久/配給:KADOKAWA/WOWOW)に出演することが10日、発表となった。
作家・椰月美智子氏の同名作が原作。“石橋ユウ”という子供を持ち、住む場所も環境も全く違う母親3人を描く。子を持つ親なら誰もが直面する社会問題が提議される。それぞれの「石橋家」が交錯し、明るく幸せな生活が思いもよらない方向へと向かっていく……。
菅野は神奈川在住・フリーライターで43歳の石橋留美子役で、夫・豊はフリーカメラマン、息子・悠宇10歳。高畑は大阪在住・シングルマザーで30歳の石橋加奈役で、離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日、息子・勇10歳。尾野は、静岡在住・専業主婦の石橋あすみ役で6歳、夫・太一は東京に通い勤務するサラリーマン、息子・優10歳という設定。それぞれが息子のユウを育てながら忙しく幸せな日々を送っていたが、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく……。無意識に子どもに向いてしまう苛立ちと怒り。住む場所も家庭環境も違う3つの石橋家の行き着く運命とは……。
菅野は本作で10年ぶりの映画主演となるが、「私自身が育児中ということもあり、運命を感じる役との出会いでした。留美子を演じながら、子どもへの愛情と、母性の狂気を改めて見つめ直すような気持ちになりました」と、学ぶものが多かったという。
瀬々監督作品へ初参加となった菅野は「寡黙なお人柄ですが熱い思いでお芝居を受け止めてくださいました。瀬々組の阿吽の呼吸のスタッフのみなさんのお陰で、集中して取り組む事ができたのだと思います。毎日抜け殻になるまで撮影をした、という気がします」と、全力集中できる環境だったという。そして、「高畑充希さん、尾野真千子さんという素晴らしい女優さん達と一緒にこの作品に参加させて頂けてとても幸運に思っています」と、共演の2人への気持ちも語っている。
■ほかキャストコメント
○尾野真千子
母を演じる事はやはり難しいです。
母の気持ち、子の気持ち、まだいくら考えてもわかりません。
いくら歳をとっても経験者当事者でないとわかりません。
この役を演じて怖くもありました。
でも繋がりとは素敵で美しい大切なものなのですね。
○高畑充希
はじめての瀬々組。とてつもなくパワフルな現場で、あれよあれよという間に時間が過ぎてゆきました。1日1日の密度があまりにも濃すぎて、撮影期間の記憶がほとんどありません。笑
でも、スタッフさん達の瀬々監督作品への愛を毎日肌で感じていた事だけは覚えていて、きっとその愛情が、出来上がる映画からも溢れているんだろうなと思います。
自分自身が生まれ育った大阪の、空気とか匂いとかを思い出しながら懐かしみながらこの加奈という役をやらせていただけて、本当に幸せでした。
○瀬々敬久監督
一見平穏で楽しそうな子育て中の三つの家族がゆっくりと崩壊していく様子を、決して悲観的にならず最後は希望を持って描いている原作にまず惹かれました。
それはどんな家族にも訪れうる悲劇で、他者の身になって想像するという、今の分断化された世界の中で一番必要なテーマだと思えました。
より広い世界観につながる映画にしたい、そう思いました。
3人の母にはこの上ない方たちに集まって貰えました。
菅野美穂さんは実際に子育て中であり、ご自身の経験を生かしてチャーミングなお母さんを演じてくれました。
そしてラストは一線を超えた迫力です。
高畑充希さんが演じるのは大阪のシングルマザー、これも高畑さん自身が大阪出身ということもあり、頑張るオカンを等身大で気丈に演じていただき感動的です。
尾野真千子さんが演じるのは、ちょっとサイコな小学生の母親です。
複雑な性格の彼の暴走を食い止めるには体当たりの魂の叫びしかなく、まさにそこに至っています。
映画の中では、やがてこの三人の姿が微妙に繋がっていきます。
映画ならではのその醍醐味も楽しんでもらえたらと思います。
○椰月美智子さん(原作)
『明日の食卓』が映画化されると聞いたとき、これほど映像化にぴったりな小説はないんじゃないかと、自身はじめての映像化に胸が高まりました。
そして、瀬々監督!主役の三人である菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さん!のお名前を耳にし、この映画は成功するに違いないと確信しました。
「三人の母親」と「虐待」は、どのような経緯をたどって、どのような結末になるのでしょうか。
いろいろな意味で問題作となるはずです。期待しかありません。
映画『明日の食卓』は2021年春に公開予定!
※記事内写真は(C)2021「明日の食卓」製作委員会