アイドルグループ『NEWS』の加藤シゲアキ(33)が4月3日より上演予定の舞台『モダンボーイズ』(演出:一色隆司)を主演することが25日、発表となった。
本作は1994年に木村拓哉が主演し、都政施行50周年記念公演として上演された、幻の名作ともいわれる青春群像劇となる。舞台は日中戦争直前、浅草のレビュー小屋。プロレタリア革命を志す学生で、ひょんなことから浅草エフリィという芸名でレビューの人気者となった矢萩奏が、小屋の座付き作家であった菊谷栄と出会ったことにより、生きる居場所を見つけ、自分にしかできない革命を見出していく物語となっている。加藤は木村も演じた矢萩役となっている。
加藤と舞台といえば、2017年に東京グローブ座にて上演された『グリーンマイル』以来、約3年半ぶりの出演となる。今回の起用に、「『モダンボーイズ』の台本を拝読して、今こそ上演されるべき作品だと感じました」と、感じたことを。
さらに加藤は「昭和初期の激動の時代、海外の文化の影響が思想にも娯楽にも現れる反面、その2つが衝突してしまうころ。検閲によって思うような作品を作れない、意のままに舞台を上演できないというのは、令和三年になった今、状況は違えど重なるところがあります。社会を良くするのは思想か娯楽か。人としての豊かさはどこにあるのか。そして、自分らしく生きるとは何か。レビューというエンターテインメントに生きた人々の息遣いと熱狂と興奮を楽しんで頂けるよう、私が演じる矢萩奏のように、私自身も情熱をもって演じ切りたいと思います」と、意気込んでいる。
一方、演出の一色隆司氏は「脚本を読んだ時、これを今やらないでいつやるのだ?!と思いました。自分の居場所を探し求める主人公と、彼を取り巻く人間模様。エンターテインメントの世界での栄光と挫折、そして、恋。登場人物がとても魅力的で愛おしい……これこそ、閉塞感漂う今の世の中に届けたい!!と思えた作品です」と、なみなみならぬ情熱を感じさせるコメント。「主演の加藤シゲアキさんは、アーティストとしてさまざまな顔を持つだけあって溢れ出るエネルギーが半端ない方です。それを正面から受け止めて、劇場に、そして、みなさんの心に光が射すような、そんな作品を目指します」と、期待を寄せつつ「世の中の厳しい状況はまだ続いています。しかし、脚本の横内謙介さんの言葉『演劇の灯は消えない』を胸に、私たちが少しでも前進する為のヒントになるような作品を創るべく、『劇場の扉を開いて』、慎重に、誠実に取り組んでいきたいと思います」と、メッセージを寄せている。
舞台『モダンボーイズ』東京公演は4月3日から同16日まで新国立劇場 中劇場にて、大阪公演は4月28日から同30日までCOOL JAPAN OSAKA WWホールに上演予定
■あらすじ
日中戦争前夜、浅草のレビュー小屋。座付き作家の菊谷栄に、同郷(青森)の友人・工藤がプロレタリア革命を志す同じく青森出身の学生・矢萩奏を紹介する。
ある日、矢萩が警察に追われて劇場に逃げ込んでくる。菊谷と劇場の仲間たちは、矢萩に道化の扮装をさせて、警察から匿う。尋問を受け、菊谷はコーラスボーイだとごまかすが疑う特高刑事。仕方なく歌を披露する矢萩。故郷で合唱部だった矢萩の「My Blue Heaven」の歌声はすばらしかった。
矢萩は劇場に身を隠すことになる。そこで思想活動のために封印していた音楽の才能が開花し、やがて矢萩は浅草エフリィの芸名でレビューの人気者となっていく。しかし不景気と戦争が切迫する時代。不要不急と言われる浮かれたレビューの世界に生きることに悩み揺れながら、そんな時代に劇場の扉を開き、歌い、踊り続けることの意味を、矢萩は菊谷や仲間たちとともに噛みしめてゆく。
※加藤シゲアキ関連記事
・加藤シゲアキ「若い読者の方に本の楽しさを」!丸山隆平へ「お礼も言いたい」【会見ロング後編】
・加藤シゲアキ「これが直木賞の力か」と実感した出来事は?書店員からかけられた印象的な言葉と「続けることが自分を受け入れてくれた小説界に対する恩返し」【会見ロング中編】
・加藤シゲアキ 小説「オルタネート」直木賞候補に内定で「本当に“ビックリ!!”」NEWS・増田貴久は「すごいことなんですよね?」で小山慶一郎は「すごいね」【会見ロング前編】
・加藤シゲアキ 小説「オルタネート」で“高校生活”満喫!発売タイミングへ深い思慮や関ジャニ∞・丸山に取材、告白シーンは「本当に告白する気持ち」だったとも