俳優・菅田将暉(27)、有村架純(27)が26日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでW主演映画『花束みたいな恋をした』(監督:土井裕泰/配給:東京テアトル、リトルモア)公開直前イベントを土井監督(56)とともに開き、司会は笠井信輔アナウンサーが務めた。
終電を逃したことから偶然に出会い恋をした山音麦(菅田)と八谷絹(有村)の5年間を、脚本家・坂元裕二氏が描くラブストーリー作品となっている。
本作へ菅田としては、ラブストーリー作品には出演したことはあるものの、「今回みたいなラブストーリーは初めてに近くて」と、新鮮な感じだったのだとか。それだけに「ドキドキする表情は土井さんに演出してもらって、ああなるほどと」と、学ぶこともあったという。さらに、順撮りで撮影していったことにより、「いまこれくらいの気持ちとか心情だからとかあんまり計算せずに、2人で悲しいことがあったりとか楽しいことがあったりとかで撮影が進みました」と、自然と心情を作っていけたそうだ。
有村も本作で初めてに近かったものがあったという。それは、本編には使われていないモノローグを撮るというものだったそうで、「2人とも定まっていないなかで、2人のモノローグを撮ったんです。そこでキャッチボールをしたことで、共有できたものがあったんです。そのモノローグを撮影する前に撮ったんですけど、全編撮り終わった後に、もう1回モノローグを撮り直したんですね。それがまた全然違うモノローグになっていて、それは面白かったです」という。これに土井監督は「2人の感情のリズムを知りたかったんです。それでやってみると、文字では分からなかったニュアンスとかが生まれてきてて、結果、それをもう1回見ながら、そのシーンをとったときの気持ちで読もうとなりました」と、効果があったことを窺わせた。
続けて、作品が出会ってから5年間という期間を描くということで、2人のリアルな5年間はどう変化したのかとの質問も。菅田は「風呂上がりに、ちゃんと髪を乾かすようになりました。面倒くさかったので。洗いざらしで。家にドライヤーもなかったし、乾かすという行為にあまり意味を感じなかったんです。必要なかったんで」という変化があったのだとか。現在は「ドライヤーが家にあります。いいやつ買いました」とのことだった。
さらに、5年前に映画『何者』という作品で共演したという2人。お互いの印象は5年という時間を経て変わったのかという問いかけもあり、菅田は有村へ「当時はしゃべったりしてなかったんです。だから変わったのかどうか分からなくて、そのときはそうだったか分からないですけど、印象としてはよくしゃべる人なんだなという印象なんです。こんなしゃべる人なんだというのは今回の発見です」といい、「好奇心おう盛で、抵抗感があまりなくて、飛び込んでいける人ですね」とも。
有村は菅田の5年前の印象は「全然話さなくて、しゃべりかけづらいわけではなかったですけど、壁がないというか……あるのかな?」と、自身でもどちらか分からないというふうな姿を見せる。これに、菅田は「同時が話しかけづらかったんだろうね。その時期の評判は悪いもん俺。よく言われるから」と、包み隠さず話しだし、有村は「忙しすぎたんだね、きっと」と、言葉を選びながらフォロー。しかし、笠井アナが「どういうふうに評判悪かったの?」と、踏み込み菅田は「いつも眠そうで、なんかピリピリしていたんだと思う」というと、再び有村が「忙しかったんだと思う」といえば笠井アナも「そこらへんが開けてきたのかもしれませんね」といい、菅田も「それはもしかしたら変わったのかも」としみじみ話していた。
そして菅田から「この映画は、坂元裕二さんの言葉を借りると、恋愛自体の楽しさや美しさみたいなものを描いた作品です。結果がどうとかということじゃなく過程のおもしろさ。人と人が出会うおもしろさが、恋愛だけじゃなく観てもらってユーモアが生まれたらいいなと。いまはこんな状況ですけど、人との出会いを一緒に楽しんでいけたらいいなと思っています」と、思いの丈を語っていた。
映画『花束みたいな恋をした』は29日より全国公開予定!