コクーン歌舞伎第十七弾『夏祭浪花鑑』が5月6日よりBunkamuraシアターコクーンで上演予定であることが29日、発表となった。
コクーン歌舞伎は、演出家・串田和美と十八世中村勘三郎がタッグを組み1994年に誕生。古典歌舞伎を一から読み直し、現代に重ね合わせて演出する斬新な手法で、話題作を生んでいる。
今回上演予定の『夏祭浪花鑑』は浪花の市井の人々を描いた、いわゆる世話物と呼ばれる作品で、コクーン歌舞伎で過去1996年、2003年、2008年に上演している人気演目で、アメリカやヨーロッパでも上演されている時代を超えて愛されている。
そのキャストは中村勘九郎、中村七之助、尾上松也、中村虎之介、中村長三郎、中村鶴松、笹野高史、片岡亀蔵といった顔ぶれとなっている。
コクーン歌舞伎第十七弾『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』は5月6日から同30日までBunkamuraシアターコクーンにて上演予定!なお、前売りは3月27日午前10時より販売予定!
■出演・配役
中村勘九郎 団七九郎兵衛
中村七之助 団七女房お梶
尾上松也 一寸徳兵衛/徳兵衛女房お辰
中村虎之介 玉島磯之丞
中村長三郎 団七伜市松
中村鶴松 傾城琴浦/役人左膳
笹野高史 三河屋義平次
片岡亀蔵 釣船三婦
■STORY
血の気は多いが義理人情に厚い団七九郎兵衛(勘九郎)は、とある喧嘩が原因で牢に入れられていたが、国主浜田家の諸士頭・玉島兵太夫の尽力で解放され、女房のお梶(七之助)、息子の市松(長三郎)と再会する。後日、団七は恩人である兵太夫の息子・磯之丞(虎之介)と、その恋人琴浦(鶴松)の仲が悪人によって引き裂かれようとしていることを知る。そのため団七は、兵太夫にゆかりのある一寸徳兵衛(松也)と、その女房のお辰(松也)、釣船三婦(亀蔵)らと協力して助けようとするが、団七の義父・義平次(笹野高史)だけは彼らの義侠心を踏みにじる。夏祭りの夜、散々に悪態をつく義平次に必死に耐えていた団七は……。
■『夏祭浪花鑑』作品背景
『夏祭浪花鑑』は、並木千柳・三好松洛・竹田小出雲らの合作により、延亭二年(1745)に大坂道頓堀の竹本座で人形浄瑠璃として初演。当時は人形浄瑠璃の最盛期にあたり、後世に残る数々の名作が生まている。中でも、大坂の風土や季節感が色濃く反映されている本作は、人々の人気を集め、初演の翌月には歌舞伎として上演され、以来、歌舞伎・文楽の双方でたびたび演じられてきた。
恩ある主人を守るべく奮闘する男だての心意気や、夫のために自己犠牲を厭わない女房の姿など、義理人情がふんだんに盛り込まれた物語。また、全身に鮮やかな彫物をした主人公の団七が、祭囃子にのってさまざまな見得を見せる「長町裏」は、歌舞伎随一の様式美溢れる場面として見どころ。