音楽ユニット『YOASOBI』が14日、東京・新宿の新宿ミラノ座ビル跡地で初ワンマンライブ『KEEP OUT THEATER』を開催し4万人が視聴する反響を見せた。
『YOASOBI』は“小説を音楽にするユニット”として活動。2019年11月に公開したデビュー曲「夜に駆ける」は、公開直後から瞬く間に注目を集め、現在ストリーミングでは3億回再生を突破。国内の各種配信チャートでも1位を席巻、複数カ国のバイラルチャートにもランクインし、2020年の年間Billboard JAPAN総合ソング・チャートとストリーミング・ソング・チャートでは1位を獲得、第71回NHK紅白歌合戦にも出場している。
ライブでは、『YOASOBI』の文字を象った巨大な電飾看板の前で、ボーカル・ikuraが2nd Single「あの夢をなぞって」の冒頭アカペラパートを情感たっぷりに歌い上げるところから開幕。疾走感あふれるバンドサウンドを奏でるのは、コンポーザー・Ayaseに加え、脇を固めるバンドメンバー4人。ikuraもその輪に合流し、冒頭からバンドの熱量が画面を通して伝わってくる。
「画面の向こうの皆さん、ぜひ一緒に盛り上がっていきましょう!」というikuraの軽やかな呼びかけとともに続けて奏でられたのは、3rd Single『ハルジオン』となった。
その後のMCでは、舞台が新宿歌舞伎町のど真ん中、ミラノ座跡地の工事現場であることがikuraの口から語られた。現在は通常立ち入り禁止だが、将来劇場となる予定のこの場所で、ライブタイトルの”KEEP OUT THEATER”に込められた真意が明かされた。
時折視聴者からのコメントも拾いながら、生配信の醍醐味でもあるファンとのコミュニケーションを楽しむ姿も見せつつ、「2人の別れの朝を描いた曲です」と少し落ち着いたトーンで紹介された曲は4th Single『たぶん』を披露した。
メンバーそれぞれ持ち寄ったマグカップで仲良く乾杯した後鳴り響いたのは、不穏なカウントダウン。自身初となるTVアニメ主題歌として書き下ろした『怪物』で場の空気は一変。過剰なほど炊かれたスモークとタイトかつアグレッシブな演奏、そしてここでも180度、違う表情を見せるikuraのボーカルワークで、2021年の新しいYOASOBIの一面を覗かせた。立ち上るスモークも消えぬままに、先月発売された初のCD『THE BOOK』の幕開けを告げるインスト曲『Epilogue』のフレーズが。「明日も明後日も、音楽が鳴り続けますように」とikuraの言葉から、「明日世界は終わるんだって」という『アンコール』の歌い出しに続ける演出で物語性を伝えた。
その後のMCで、2019年にデビューして以来、怒涛の勢いで駆け抜けてきた自身の活動を改めて振り返ったAyaseとikura。周囲への感謝の言葉を述べる。
そして2020年を代表する1曲となった「夜に駆ける」を披露。メンバー紹介を経た最後の1曲は『群青』。ステージを動き回りながら、メンバーに、そして視聴者に語りかけるように歌うikura。クライマックスとも言える合唱パートで大団円を迎え、YOASOBI初の配信ライブは幕を閉じた。
■セットリスト
M1:あの夢をなぞって
M2:ハルジオン
M3:たぶん
M4:ハルカ
M5:怪物
M6:アンコール
M7:夜に駆ける
M8:群青
※ファンクラブ『CLUB 夜遊』限定※
M9:夜に駆ける (THE HOME TAKE Ver.)
※記事内写真は「Kato Shumpei」