“欽ちゃん”ことコメディアン・萩本欽一(76)、日本テレビの名物プロデューサーの“Tプロデューサー”こと土屋敏男監督(60)が16日、東京・浅草公会堂でドキュメンタリー映画『We Love Television?』(配給:日活)完成披露上映会に登壇した。
2011年から欽ちゃんの新番組制作をドキュメンタリーとして土屋監督が追いに追った作品。15日から18日まで開催中の“したコメ”の愛称で親しまれている『第10回したまちコメディ映画祭in台東』招待作となっており、『コント55号』結成の地、浅草に欽ちゃんがやってくるものとなった。
欽ちゃんは「主演男優ですよね」と、言ったものの「この映画は私としては観てほしくないんです」と、ポツリ。それもそのはず、自身は映画を撮られているという意識がなかったそうで、「『ドキュメンタリーであなたを撮りたいですというのはある。でも知ったのはちょっと前なんです。日活の方が来て、『マネージャーがポスター作りたい』って。土屋監督が『こんなのできちゃったんだ』と言って」と、いつの間にかドキュメンタリー映画になっていたと訴える。
これに土屋監督は了承はとったと主張し、劇中でもその場面が映っていると反論。「そのときに欽ちゃんは聞こえてないというかで。隣にいた人は笑ってました」と、どうやら本気で受け取っていなかったそう。そこで欽ちゃんは「日活の人に『あんたも騙されたんじゃ?』と、聞いたら『そうかもしれません』って」と、土屋監督の方が一枚上手だったようだ。
撮影について欽ちゃんは、「俺が死ぬときに、遺言で流そうとしてるんだなと思って。それにタバコをくわえている時ってTVでは使われないから、タバコをくわえているときは大丈夫と思って」というだけあり本音をバンバンカメラの前でしゃべっているらしく、「だから使われたら困るようなことしか言っていない。死んでから言えるという言葉が入っている」のだとか。
それだけに欽ちゃんは本作を観ないと公言しているが、「観ないじゃなくて、観られないですよ!ドキュメンタリーじゃない。僕にとってはドッキリ!“ドッキリメンタリーコマッタリー”ですよ!!不愉快な映画!」と、訴えていた。
とはいえ、司会のいとうせいこうと土屋監督が、欽ちゃんの偉業を称えまくったことから、「2人の言葉が気持ちいい」と、舞台あいさつに立ったことは楽しんだり、土屋監督のこの“騙し討ち”のような撮影手法も案外評価しているようで、「若い人はぜひ土屋に続け!あと、日活だけは騙しやすい!」と、後続の人への温かな目線を向けていた。
映画『We Love Television?』は11月3日より全国公開!