俳優・今井翼（39）、小西遼生（39）、清水くるみ（26）が9日、都内ホテルでミュージカル『ゴヤ-GOYA-』（演出：鈴木裕美）製作発表記者会見を原案・脚本・作詞を務めるG2氏、作曲・音楽監督の清塚信也氏、演出の鈴木氏とともに開催した。
スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの波乱万丈な生きざまや混沌とした社会の中でいかにして芸術家となっていったのかを描いた作品。今井は聴力を失いながらも後世に残る絵を描き残したゴヤを主演、小西はゴヤの良き理解者である同郷の親友・サパテール役を、ゴヤを献身的に支え続ける妻・ホセーファ役を清水が演じる。ほか山路和弘、仙名彩世、塩田康平、天宮良、キムラ緑子がキャスティングされている。
キャスト陣は舞台衣装で登場。今井は「お話を頂いたときは、すごく嬉しかったです」といい、「僕自身これまでスペインとさまざまなご縁を頂いていて、そのフラメンコがつないでくれた新たな出会いを大事にしていきたいなと思いました」と、しみじみ語り、「僕はおかげさまで昨年活動を復帰させて頂きまして、こういった大役を頂きましたので、本当に感謝をして、これまで時代に感謝して、このような時代に舞台に立てる喜びというものがありました」と、厚い感の気持ちを伝えた。
本作ではフラメンコも踊ることもあるようで、今井は「芝居から派生したフラメンコを踊らせて頂きます。15年近く支えてくださっている僕の師匠も制作・出演されるので、とても心強く思っています」と、頼もしさを感じるキャストもいるそう。さらに、「フラメンコは怒り喜び悲しみ、体の芯から湧き上がってくる、1つのダンスではなく、そういう舞踊なんです」と魅力を伝えていた。
ゴヤというキャラクターへは、「自分なりにいろんな資料を見て勉強していく中で、すごく我が道を行く、熱き魂というか、僕もすごい共感を得るものがありまして、自分なりに年表を作っては彼がどういうふうに生きていたのか、彼が求めていたものを手にした先に、簡単には這い上がれないけど、人の力であり、見えなくなったものができ、たぶん彼には見えるものができたのではないか。大胆に熱く行きたいと思います」と、意気込んでいた。
清塚氏から見た今井の印象について、「前の歌から連想する声からは低い音がしっかり出るので、日本人の主役を張る方でこんなにしっかり低い声までレンジが出る方はなかなかいないんです。これはゴヤにピッタリだし、音楽的に幅が広がるなと思ってすごくトキメいたという思い出があります。それと、お食事をしていて、今井さんは謙遜な部分と、これはこうなんだという部分、程よく鈍感な部分といろんな魅力がこのゴヤで出るんじゃないかなと思います」と、その資質などを褒めていたが、これを受けて今井は「本当に鈍感なんですね。良く言えばマイペースなんです」と、笑っていた。
一方、小西はゴヤの親友という役どころなため“こにつば”と言われるくらい仲良くなりたいと話していたが、現時点では「これからです」と、けいこを通して関係を作っていくと苦笑い。そんな小西へ今井は「同年代ということで、小西さんの方から来てくださるから、すごくリラックスできますね。もちろん、芝居を覚えた親友という関係になっていきたいですけど、でも、それを超える僕の盟友というのしっかりと“ここ”にいますから」と、“ここ”の部分では胸に手を当て気持ちを込めて話していた。
そして今井から「このような大役を頂きありがたく思っています。ファンのみなさんに限らず大変な時代を迎えている中で、こうして舞台に立てる喜びを日々噛み締めています。ゴヤが激動な時代のなか、病を味わったなかで、時代とどう向き合い、どう希望に向かっていったかは、時代を超えて人に訴えかけるものがある思うんで少しでもストレスがかかるこの世の中でとにかくそのエネルギーをみなさんに分かち合ってもらえたらと思います」と、アピールしていた。
ミュージカル『ゴヤ-GOYA-』東京公演は4月8日から同29日に東京・日生劇場にて、愛知公演は5月7日から同9日まで愛知・御園座にて上演予定！
