俳優・松山ケンイチ(36)、木村文乃(33)、東出昌大(33)、柄本時生(31)が10日、東京・新宿バルト9で映画『BLUE/ブルー』(監督:吉田恵輔/配給:ファントム・フィルム)公開記念舞台あいさつを吉田監督とともに開いた。
吉田監督オリジナル脚本による、ボクシングに打ち込む熱い男たちを描いた作品。挑戦者を象徴する“ブルーコーナー”で戦い続ける者たちを切り取っており、すべてを懸けてボクシングに挑んでも、成功は約束されていない、しかし、それでも前に進む姿を描いている。
上映後観客を前にしてのイベントとなり、松山は「無事この日を迎えてホッとしている気持ちもありますし、みなさんが拍手してくれているので幸せな気持ちになっています」と、万感といった様子で、東出は本会場に映画『桐島、部活やめるってよ』で10年前に立ったことを思い出し「非常に感慨深いということと、やっとお届けできたという思いがあります」という話や、柄本は「頑張ってよかったな」と、しみじみ。
ボクシングシーンの撮影については松山は、「東出くんも佑くんも“やっちゃう人”だから、足引っ張んないようにと思いながら演じてました。試合のシーンの撮影は大変でしたけど、みなさん気合入ってましたし」と、気合が充実していたという。
さらに、松山は続けて、東出へ「毎日家の中で20秒くらい鏡で自分の体を見ていたんだっけ?『育ってんな!俺!!』って」と言い出し、東出は「いやいや違う違う!」と、肉体をうっとりと眺めていたと証言し笑いを誘う。逆に東出は松山について、ロケ地のジムにいくと片隅でひたむきに練習している“選手”がおり「ボクサーの人が練習に来てるんだとったら松山さんで、『もうジムの住人になってる!』と思って驚きました」と、溶け込んでいたと返していた。
松山としては印象的なシーンがあったといい、木村演じるヒロインにバンテージを巻いてもらうシーンだそう。「カメラってどうしても意識しちゃうんですけど、あの瞬間だけは本当に2人の世界になれたなって。なんていうんだろうな……いやらしいとかそういうことではないんですけど、2人とも裸でいた感じがするんですよ」というと、会場から黄色い声や笑い声があがり、そこには「なんか変な感じになっちゃってますけど、違うんだって、そういうことじゃないんだって(苦笑)」とツッコミつつ、「着てたものを脱いでと言うか、邪魔なものが全部なくなっていった瞬間だと思って僕は個人的に喜びを感じましたね」と、心をさらけ出して演技をしていたという感じだったと説明。しかし、木村は「裸だったと思う(笑)」と、乗っかり笑いを誘っていた。
ほかにも、吉田監督から印象的な撮影へ、「後楽園ホールの試合のシーンは大満足なんですけど、その翌日にスーパーマーケットのシーンの撮影だったんです。でも前日に気合が入って燃え尽きていて、スタッフの誰もエキストラ1人も呼ぶのを忘れていたということがあって(苦笑)。スーパーは貸し切りなんですけど、誰もない感じになってしまって。それで撮影していると、スーパーが開いていると思っておばちゃんたちがやってきて、おばちゃんたちにお願いしましたね」と、“現場でスカウト”したエキストラが出演していたそうだ。
そして、松山から「自分もそうなんですど、映画は自分の背中を押してくれる存在だったりとか、自分に何かを教えてくれる存在だったりとか、勇気を与えてくれるものだったりとか、そういうものだと思っているんです。映画を観て救われる人、自分も救われてきましたし、救われることもあると思います。いまなかなか自由に生活できない状況が続いてますけど、そのなかでもエンターテインメントの力というのは何も変わっていませんので、映画の力みたいなものをみなさんと共有していけたらいいなって思いながらこれからもやっていきたいと思います。そういうのを共有しながらやっていければいいなと思っています。よければこういう作品があるんだということを伝えて頂ければ」と、熱い気持ちを伝えていた。
映画『BLUE/ブルー』は新宿バルト9ほか、全国ロードショー中!
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