俳優リリー・フランキー(53)、女優・清野菜名(22)が29日、東京・TOHOシネマズ新宿で映画『パーフェクト・レボリューション』(脚本・監督:松本准平/配給:東北新社)初日舞台あいさつを松本監督(32)、企画・原案の熊篠慶彦氏(47)とともに開いた。
障害者への理解を求める活動を続ける熊篠氏の実体験をもとに、熊篠氏と長年の友人であるリリーが名乗りをあげた作品。幼少期に脳性麻痺を患い手足を思うように動かせず車椅子生活を送るクマ(リリー)と、精神に障害のある風俗嬢の美少女・ミツ(清野)のまわりに立ちはだかるさまざまな壁をぶち壊して進むハチャメチャさのあるポップでキュートな恋を描いている。
リリーは本作が初日を迎えたことへ「やっとこの熊篠くんのモデルにした映画が公開になりまして感無量ですね。熊篠くんを主人公にして映画をつくろうということで初日に華々しい、こういう決着を見るとは思わなかったですね」と、しんみりといった感じで切り出したが「長く映画館にかかるような映画ではございませんので、初日に来て頂けるのが確実に観れますので、こうして来て頂けて嬉しいです」と、軽口を叩き笑いを誘う。
清野は「本当に一生懸命撮影した作品なので、撮影のときから公開する日をずっと待ちわびていたので、きょうを迎えられて本当に嬉しいです」と、ほほ笑むと、熊篠氏も、「いまのいままでもしかしたらドッキリかもしれないと思っていたんですけどひと安心です」と、笑みを見せた。
劇中の清野についてリリーは、「こういうお芝居していたら『トットちゃん』決まりますよ」と、その才能を認め「最近どうかと思うくらいCMで観ますもん」と、イジりこれには清野も苦笑いで恐縮気味。それでもリリーは「すごくやりやすくさせてくれるというか。ミツという清野さん自体が生き物としてみずみずしいんです。一緒にお芝居をしていて引っ張られてるというか。ミツを見ているだけで涙が出そうになるとか、しんどくなるというのがあったので素晴らしい女優さんだなって思いますよ」と、絶賛だった。
そんななか松本監督は、「完全に2人がクマとミツだったんですよ。世界観が出来上がっていて。よくわからないCMの曲をずっと2人でやりあっていたりして。入りづらくて」というほど信頼関係を見せていたそうで、清野は「クマピーにミツとしても私としても惚れましたのでそういうところが好きですし、邪魔できない関係性だったんじゃないかなと思います」と、分析も寄せた。
イベント後半には、清野から3人へハートのバルーンのプレゼントが。こちらはミツを意識したプレゼントだそうで、熊篠氏の車椅子にくくりつけられたが、リリーは「あと2つ風船をつけたら浮いちゃうよ」と、茶化して観客たちを大爆笑させることも。
そのサプライズのお返しとばかり、リリーら3二人からは、10月14日に誕生日を迎える清野へちょっと早いサプライズバースデーが敢行され、リリーは「初日を迎えるのでみなさんとお祝いしたいと思って。誕生日もそうですけど、菜名ちゃんはこの映画でたくさんの賞をもらうと思いますから、1番最初に“パーフェクトレ・ボリューション最優秀女優賞”を」と、花束を手渡し場内は温かい拍手に包まれていた。
最後に清野から「内容だけ聞いたらちょっと重たい感じに聞こえてしまうかもしれません。けれど本当に楽しくポップにバカバカしさもあるいい映画になっています!」と、アピールし、リリーも「友達の熊篠が松本監督と長い時間をかけて作った映画ですので初日を迎えられて嬉しかったです。いろいろ障がい者の恋愛がどうだとか、性がどうだとか話題になっていますけど、それはいままで取材を受けた中でいろいろ話しています。ですので、これからは映画として楽しんでほしいと思っていますので、初日を迎えられて本当に嬉しいです。ありがとうございました」と、万感といった様子のスピーチで結んでいた。
映画『パーフェクト・レボリューション』は29日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国公開中!