女優・菅野美穂(43)、高畑充希(29)、尾野真千子(39)、俳優・和田聰宏(44)、大東駿介(35)、藤原季節(28)が28日、神奈川・イオンシネマみなとみらいで映画『明日の食卓』(監督:瀬々敬久/配給:KADOKAWA/WOWOW)初日舞台あいさつを瀬々監督とともに開いた。
作家・椰月美智子氏の同名作が原作。“石橋ユウ”という子供を持ち、住む場所も環境も全く違う母親3人を描く。子を持つ親なら誰もが直面する社会問題が提議される。それぞれの「石橋家」が交錯し、明るく幸せな生活が思いもよらない方向へと向かっていく……。
上映後の舞台あいさつに。菅野はコロナ禍の期間を通して「物語の持つ力を感じていて、誰かの元気になればいいなと感じています」と噛みしめるように話せば、逆に藤原は、「きょうたくさん人が居て緊張しているんですけど、僕の撮影期間はババっと終わってしまって、きょう初めましての方もいっぱいいると思うんです。いっぱいの人にも緊張していますけど、舞台側(のキャスト)の人にも緊張しています」と、場の緊張をほぐすことも。
作品へ、菅野は「うちの旦那はビールばっかりで、やってほしいことをやってくれない旦那さんでした」と、苦笑いしていたが、その菅野の役の夫を演じた和田は「テストのときから本番になるとガラッと変わるんです」といい、プールに突き落とすシーンで、掃除のしていない汚れたプールに投げ込むというところでも、菅野は投げ込まれるのに躊躇がなかったと証言。
これに菅野は「和田さんが(演技を)受け止めてくださったので、毎回全力で投げ込むだけですという気持ちでした。監督がモニターを見ていて熱量が上がるシーンもあったので、やりがいがあったなと思いながらやっていた部分もあります」と、女優魂が燃えていたようだった。
一方、高畑は自身が演じた女性の鼻つまみ者な弟役を藤原が演じたことについて、「季節さんだったから、どうにも嫌いになれなくて。やられていることは最低だったんですけど、それは季節さんだったからなのか、私の個人的な問題だったからなのかとかと思って、もう少し長く演技したかった」と、後ろ髪引かれるような思いだったと明かす。
すると、藤原は「瀬々さんの映画に出るということで、臭い立つ感じでいった方が良いかなと思って、数日風呂に入らず現場に行ったんです」と、こちらも役者魂を燃やして役作りをしていったと明かしつつ「間近で演技することがあったので、体臭とか臭くないかなと思いました」という心配もあったのだとか。これに高畑は「全然分からなかった臭かったのかな?」と首をかしげるほどで、菅野は「演技に入って、臭いを遮断してたのかも」と、まったく気づかなかったそう。それだけに藤原は、余計なことを話してしまったとばかり、「やっぱなぁ……言うの迷ったんだよなぁ」と、ひたすら苦笑いだった。
そして菅野から「日々抱える、モヤモヤとか、孤独感とか、そういったところに、『ああ自分だけじゃない』と思って頂けるような何かがあると思っています。物語の持つ力はあらためて感じていますし、きょうこうしてみなさんが劇場に来てくれたことで、この出会いに感謝しています。明日の食卓が豊かなものになりますようにと思っています」と、メッセージを寄せていた。
映画『明日の食卓』は全国ロードショー中!