『日比谷音楽祭 2021』が29、30日、東京・日比谷公園内で無観客で開催され2日間で160曲を超える珠玉の楽曲パフォーマンスで熱を放った。
『日比谷音楽祭』は音楽の新しい循環をみんなでつくる、フリーでボーダーレスな音楽祭を目指し2019年に初開催。昨年の中止を経て、会場に来ることができない多くの方々ともリアルタイムで音楽の喜びを共有したいという想いから、当初リアルとオンラインのハイブリッド開催を予定していたが、今年は緊急事態宣言の延長を受け、有観客での開催を中止とし、無観客のオンライン生配信でのものとなる。
開会に先立ち、実行委員長を務める亀田誠治氏は「日比谷音楽祭は無料開催ということで、さまざまなアーティストと出会い、その中で新しいジャンルの音楽を取り込んで、気に入ったらそのアーティストを応援してもらえればと思います。そして、日比谷音楽祭をきっかけにお金の循環を作ってもらいたいと思っています」と、コロナ禍における音楽体験の重要性を語りかけた。
初日のHibiya Dream Session1に登場した 『Little Glee Monster』は、「この気持ちの良い最高のステージに立つことができてうれしい」と、参加した喜びを。
さらに、本イベントをきっかけに、コロナ禍で亀田氏と共作した新曲『今日から、ここから』をライブ初披露したいきものがかりは、「ここからスタートして、長く歌い継がれる曲になるといい」と思いを語った。
2日目のHibiya Dream Session2に登場したアイナ・ジ・エンドは、コロナ禍で初めてのソロアルバムを亀田氏とともに制作していたと話し、ステージに立った嬉しさをにじませた。また、Session2 のトリを務めた『GLAY』は、「なかなか音楽活動がままならない状況が続いているが、たくさんの人に笑顔を届けたい」と、意気込んでいた。
この日比谷音楽祭を締めくくるHibiya Dream Session3に登場した桜井和寿は、一昨年の日比谷音楽祭に出演したGAKU-MCから話を聞き、亀田氏に日比谷音楽祭への出演を直訴したというエピソードを披露しつつ、コロナ禍での音楽活動について「多くのミュージシャンは曲を制作したり、練習したりしているが、なかなか発表する機会がなく、苦労している」「大変なことやつらいことがたくさんあると思うが、これもきっと何か良い意味があるんじゃないかという発想を持って続けていければいい」と語り、最後の曲『Sign』に多くのミュージシャンの想いを込めて歌い上げていた。
『日比谷音楽祭 2021』は、ライブステージだけでなく、音楽体験ができるワークショップやトークショーも実施されるなど、まさにイベントのコンセプトである“親子孫 3 世代が楽しめる”さまざまなコンテンツが配信され、2日間で延べ視聴者数15万人、総再生回数51万7000回となる盛況となっていた。
最後に、配信をご覧になった視聴者に向けてコメントを述べた実行委員長の亀田氏は「きっと生の音楽を聴きたいと思っている方も多くいるはずですが、みんなが屈託なく楽しめる日が来るまでもう少し我慢が必要です。今年の日比谷音楽祭の開催を通じて、きっと未来に希望が繋がっていくことを信じています」と、メッセージを贈り、しめくくっていた。