女優・吉永小百合、広瀬すず、田中泯が1日、東京・丸の内TOEIで映画『いのちの停車場』(監督:成島出/配給:東映)祝!全国公開記念舞台あいさつを成島監督とともに開いた。
原作は都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家としてもNHKでテレビドラマ化もされ話題を呼んでいる『ディア・ペイシェント』を世に送り出した作家・南杏子氏の同名作。『在宅医療』に携わる医者・患者そしてのその家族たちを通して、“いのち”、“愛”、そして“いまを生きていく”、家族たちの願いを丁寧に描き出している。
本作は先月21日に公開されていたが、観客を前にキャスト陣が舞台に立つのは本イベントが初めてとなる。ついに観客を入れて公開できたことへ、吉永は「5月12日から20日間、なんとかして映画館を開けて頂けないだろうか、映画館で映画を観て頂くことはできないだろうかと思い悩みました。スクリーンからは飛沫は飛びません。お客さま同士で話をするということもなくなっています。そんな中で、映画の製作者の人たち、現場で作る側、興行主の方たちが声をそろえて、なんとか映画を開場してほしいと声をあげました。マスコミの方たちにも応援してくださり、映画ファンのみなさまも待ってるよと言ってくださいました。きょうこのような形で、東京・大阪でオープンしたということを、本当に、本当に嬉しく思っております」と、胸いっぱいといった様子。
広瀬も「まずは、本当にきょう東京の初日に足を運んでくださったみなさん。本当にありがとうございます。こうして、お客さまの前に立たせて頂いて、公開したということを肌で感じさせて頂ける、この瞬間がすごく、すごく嬉しいです……」と言った後、もう一度、「嬉しいです」と、噛みしめるように語った。
公開されて12日、すでに反響もキャスト陣に届いているといい、「いままでにない感じ方をされた方が多いんです。ご家族のなかでご病気の方がいる方とか、ご両親のこととか、お子さんのこととか、全部私に手紙を書いてくださって、映画を観て元気になりましたと頂いて。みなさまが生きるということを考えて頂いている感じです」と、新鮮な手応えがあったという。広瀬は、松坂らと食堂で食事をするシーンについての部分に「同業者の方から、『どこまでがセリフで、どこまでがアドリブなの?』と聞かれたりして。モノマネもしましたが、そこは自分でセレクトしたんですけど、『急にやったの?』って聞かれたりして(笑)。台本のセリフと区別がつかなかったのは嬉しい感想でした」と、手応えの感じる演技も出せたそうだ。
作品PRのためにさまざまな場所にキャスト同士が向かったという話題となったが、その際に、吉永は「ルームサービスで一緒に生じができなかったことが心残り。」と話すと、広瀬も「取材と舞台あいさつ以外は私はその日に帰ったりして。お仕事以外でほかのキャストの方と時間を過ごすということができなくて」と、残念そう。そこで吉永が「こんど、いつかね」と明るく声をかけると、広瀬も「ぜひ!」と、食い気味に返事をして熱望している様子を見せた。
そして吉永から、「きょう私たちは東京・大阪で初日を迎えました。とても幸せです。でもほかの職業ではまだまだ苦しい思いをされている方がたくさんいらっしゃると思います。飲食関係とか、さまざまなお仕事のなかで、本当に苦労していらしゃるということをいろんなものを通じて見聞きしています。1日も早く、こういう状況から良い状況になれますように。映画のなかですずちゃんを思いっきりハグしたように、みんなが抱き合ったり握手したりできますよう」と、祈りを込めた言葉で締めていた。
映画『いのちの停車場』は全国ロードショー中!
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