俳優・芳根京子(24)、寺島しのぶ(48)、岡田将生(31)、清水くるみ(26)、小林薫(69)が25日、東京・新宿ピカデリーで映画『Arc アーク』(監督:石川慶/配給:ワーナー・ブラザース映画)公開初日舞台あいさつを石川監督とともに開いた。
ストップエイジングによる「不老不死」が完成した近未来の日本が舞台。主人公・リナ(芳根)は同施術を受け30歳の身体のまま永遠の人生を生きていくことになるのだが、その果てに待っているものは……という物語。
この日は、客席を満席にしてのものとなり、芳根は第一声であいさつしている際にも、客席を見回し笑みを浮かびつつ、「やっぱ緊張しますね」という心情とともに、「子供のような作品が飛び立つので、寂しさもありますが、力強く翔んでいってねという気持ちもあります」と、しみじみ。
自身にとって本作を主演したことへ芳根は、「これから続ける俳優人生としてもですけど、芳根京子の人生においてもすごく大切な一本になりました」と、相当な思い入れができたという。それだけに、この日は上映後とあって作品の注目ポイントについて、フリップに「たくさんの愛」と認め、共演者1人1人への思いの丈をネタバレとともにコメント。ちなみに、そのフリップの裏には芳根の思いがびっしり書いてあったそうで、岡田がツッコんで2人で笑い合う和気あいあいな一幕もあった。
一方、寺島は劇中に登場する『プラスティネーション』という技術のパイオニアという役を演じたことが印象的だったそう。そんな寺島はオファーを受けたときのことから話だし「なんで私がやるのか分からなかったんです。ほかのキャストの方も分からなくて出演を渋っているという噂を聞いていて」と話していたところ岡田が爆笑し“裏付け”るような一幕も入りつつ、寺島は続け、「プラスティネーションということだけは自分が一番のパイオニアという役柄だったので、伝承する部分だから、ここだけ成立すればいいかなというので、やっていました」と、振り返る。すると、芳根は「しのぶさんが練習している姿を観て本当に焦りました(苦笑)。もっと練習しないと追いつけないと思ってすごく練習しました」と、追い込まれとも話していた。
中盤には劇中でリナの娘・ハル役を演じた鈴木咲ちゃん(6)がサプライズで登場!芳根へ花束のプレゼントをして場内をほっこりさせ、芳根からは「咲ちゃんに助けられたことがたくさんあるんです。そのなかで自分にはこんな母性本能があるんだなと引き出してもらったところがあるので、一緒に撮影できて楽しかったです」と、お礼。
しかも、サプライズはそれだけにとどまらず、石川監督から芳根へ宛てた手紙も読み上げられることに。石川監督が読む前から「やだー泣いちゃうもん!もう泣きそうだもん!」と、瞳から涙がとめどなく流れるなか、石川監督から「大切な作品のど真ん中に、芳根京子という女優が立っていることを嬉しく思います。願わくはこれからの人生の節々転換点で一緒に映画を作っていけたらと思っています。断られてもしつこくオファーします」などの温かさあふれるメッセージに。
ここで芳根が返礼のスピーチを涙ながらにしようとしたが、咲ちゃんが芳根をナイスアシストして涙を止めることに成功するほんわかした瞬間もありつつ、「役者としてこんなに嬉しいことはないなと思っています。この仕事が自分に向いているのか分からなくなっている時期で、それを石川さんがすごく優しく包み込んでくれて、全部、エネルギーになる言葉を頂いて自分ももっともっと頑張れるなと思いました。そうして、いまこに立つことができています。私の人生にかけがいのない存在です。こちらこそよろしくお願いします」と、熱い気持ちをぶつけ続けていた。
映画『Arc アーク』は全国183館にて公開中!