石原夏織 “セット売り”の森川智之&檜山修之を見学や「道を誤るよ」のアドバイス受ける!?「さよなら、ティラノ」公開で三木眞一郎から「出てくるセリフに嘘がないお芝居」

石原夏織 “セット売り”の森川智之&檜山修之を見学や「道を誤るよ」のアドバイス!?「さよなら、ティラノ」公開で三木眞一郎から「出てくるセリフに嘘がないお芝居」4

 映画『さよなら、ティラノ』(監督:静野孔文/配給:東映ビデオ)初日舞台あいさつが10日、東京・新宿バルト9で開かれプノン役・石原夏織、ルッチ役・森川智之、ゴッチ役・檜山修之、静野監督が登壇した。

 シリーズ累計200万部を超える作家・宮西達也氏の大ヒット絵本“ティラノサウルスシリーズ”『ずっとずっといっしょだよ』(ポプラ社)が原作。音楽は『王立宇宙軍 オネアミスの翼』以来33年ぶりにアニメーション映画を担当する坂本龍一が務めている。

 2018年に制作され、アフレコ収録から3年を経てついに公開に至った本作。翼を持たないプテラノドンの少女プノンを演じた石原は「ずっと公開するこの日を待っていたので、本当に嬉しかった。素敵な作品なので延期を知ったときは残念でしたが、無事に迎えられてとても幸せな気持ちです」と率直な喜びを語った。

 あどけないプノンを食べようとする肉食恐竜コンビ、ルッチとゴッチを演じた森川と檜山は、26年に渡りふたりでトークイベント「おまえらのためだろ!」を開催するほどアニメファンの間でも有名な仲良しコンビとして知られる。同イベントに本作の音響監督が来場したことでふたりのキャスティングが決まったという。

 そんなふたりのアフレコ現場に石原は収録休みにも関わらず収録見学に駆けつけたという。「笑いにきた。あ、遊びに来たんだ!」との森川に「お邪魔させていただいて、一視聴者として本当に楽しませていただきました!おふたり、台本にないアドリブがたくさんあったじゃないですか。ここのシーンをこんな風に表現するんだ!と先輩方のすばらしさを目の当たりにして、おふたりのようになりたいなと思いました」と石原が振り返るも、「そんなことない、結構台本通りにやっているつもりだよ。愉快な動きに合わせて遊ばせてもらってはいますが。(僕たちをお手本にしたら)道を誤るよ」と檜山。森川も「(トークイベントをやってて)仕事に繋がって良かったよね。アドリブはそんなに……僕は台本に忠実にと教わっているので(笑)、ちゃんとやってます」と反論し、会場の笑いを誘った。そんなふたりのやりとりを静野監督は笑いながら「そうですね、台本に忠実に……ちょっと“?(はてな)”がつきますけどね(笑)。とても掛け合いが面白くて良かったです!」と彼らのコンビネーションを振り返った。

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 完成された本編を観た石原は「自分が想像していたより動きが細やかで。クスクス笑っちゃうなというところが際立つ描かれ方。あと、目が本当にきれい!観ていて鮮やかで、惹き込まれました」。森川は「恐竜の恐いイメージ、その中にも1恐竜のキャラクターが個性豊か。恐竜同士でも助け合い、友情があったんじゃないかなと思うくらい。あとお尻がかわいい!ゴッチはしっぽがほとんどない、注目してほしいポイントです!」。檜山は「子どものころから恐竜大好き。大型でゆっくり動くイメージだったけど、昨今の研究でスピーディーだったという説も。彼らも走り回ってますし、ティラノの対決シーンは重厚感たっぷり、見どころです」とコメント。

 キャスト陣も豪華だが、坂本が音楽を手掛けているということで「YMOから坂本龍一さんが大好き。関われたことが個人的に嬉しい」と檜山。「俺も嬉しい!」と相槌を打つ森川に「ここでもセット売りかよ!」と鋭いツッコミが飛ぶ。静野監督は「坂本龍一さんにお願いするにあたって、アメリカに伺うことを覚悟しましたが、日本に来てくださった。映画をご覧になって『この作品は恐竜がよく落ちるね』と仰っていたのが印象的です」と語り、石原たちも「たしかにそうですね!」と頷いた。

 本作には2018年に亡くなったベテラン声優・石塚運昇さんも参加。石原は「現場をご一緒することはありませんでしたが、同じブースで後ろから見させていただきました。大先輩の石塚さんだ!と思いつつ、包み込むような優しさ、諭すような演技にジーンときました。本当に幸せで、忘れられない思い出です」と同じ空間にいられて感慨深かったそう。石塚さんと度々共演してきた森川は「ずいぶんご一緒してきました。運昇さんのすごいところは、亡くなられて3年経って新作が出る!まさに伝説、本当のレジェンドです。天国でゴルフしながら、フェアウェイから見てるはず」と、石塚さんを偲んだ。

 草食恐竜に肉食恐竜、たくさんの個性的なキャラクターが登場する本作。ほかに演じたかったキャラクターについて石原は「どれも魅力的で悩みますね!トプスが特に可愛くて、悠木(碧)さん演じてさらに愛おしいです。でもルッチ、ゴッチも!」と森川、檜山を見ながら発言。「囲まれてるからね!気つかってもらってありがとうね!」と森川。その森川は「僕も可愛い役やりたい。プノン良いですね!ちょっと加工してもらえば行けるかな?やってみたいと思います。可愛くなりますよ!」とアピール。檜山は「僕は真逆で、悪役趣向があるので、ゴルゴですね。小西(克幸)が迫力満点でボスキャラをやっています。でもよくよく考えたら、リアルではずいぶんと後輩なんですよ。理不尽だ!むしろ、小西を脅す役をやりたいです」と今後の共演に向けて意欲たっぷりに語った。

 イベント終盤には、スケジュールの都合で本イベントへの参加は叶わなかったティラノ役で主演の三木眞一郎からの3分間にも及ぶ動画メッセージをスクリーンで上映。「2018年にアフレコ作業をしました。アフレコは通常1、2日で終えることが多いのですが、丁寧に時間をかけて作業させていただきました。出ている声優陣、若手からベテランまで層が厚い布陣で、出てくるセリフに嘘がないお芝居をみなさんされています。プノン役の石原さんとアフレコでご一緒して、プノンに向き合う姿勢がとても素敵でした。僕自身もプロでありながら勉強させていただきました」との言葉に、石原は恐縮した様子で「勉強させてもらうだなんて、びっくりです!大先輩の三木さんに引っ張っていただいて、『大丈夫ですかね?』と確認して『大丈夫だよ』って言ってもらえて、勇気づけていただきました。私の方こそありがとうございましたと伝えたいです」と戸惑いとともに感謝に気持ちを語った。

 最後に登壇者を代表して石原より「2018年からつくってきて、今か今かと上映を楽しみにしていました。きっとみなさんに共感していただける、胸が熱くなったり、切ない気持ちになったり、たくさんの感情を感じてもらえる物語になっています。いろんなキャラクターたちの動きをすみずみまで観てもらえると嬉しいです。お楽しみください」とメッセージが寄せられた。

 ■ストーリー
 昔むかし大昔、人間たちが生まれるよりも、もっともっと昔のお話です……。
 そのころ、地球には恐竜という生き物が棲んでいましたが、氷河期が近づいてきて世界は荒廃しようとしていました。
 独りで旅するプテラノドンの少女プノン(声:石原夏織)は、乱暴なゴルゴサウルスの手下ルッチ(声:森川智之)とゴッチ(声:檜山修之)に襲われ、食べられそうになります。
 と、そこにティラノサウルスのティラノ(声:三木眞一郎)が現れました。
 地上最強の恐竜の出現に驚き、慌ててその場から逃げ出すルッチとゴッチ。しかしその後ティラノはプノンに目もくれようとせず、木の上になっている不思議な赤い実をむしゃむしゃと食べ始めるのでした。
 肉食をせず暗闇を怖がるティラノを気に入ったプノンは、自分が赤い実がたくさんなっている地上唯一の楽園“天国”を探しながら旅していることを話し、一緒に行こうと誘います。一度は断りながらも“天国”へ導く不思議な蝶の後を独りで追いかけていくプノンのことが心配で、一緒に旅することを決めたティラノ。

 一方、数多くの草食恐竜=獲物が棲む“天国”の存在をゴッチらから聞かされたゴルゴサウルスの“白い悪魔”ことゴルゴ(声:小西克幸)は、その場所をすぐに見つけるよう命令します。
 やがて旅の途中、プノンとティラノは母親とはぐれておなかをすかしたトリケラトプスの子どもトプス(声:悠木碧)を助けますが、何と彼は“天国”からやってきたのだと言います。トプスの道案内でようやく“天国”の入り口に辿り着いたプノンとティラノ。しかし、そこで彼らを待ち受けていたものとは……。

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