俳優・谷佳樹、松島庄汰、綺咲愛里、吉本実憂が18日、東京・浅草九劇で舞台『告白』(原案・構成・演出:佐藤アツヒロ)公開ゲネプロを開いた。
人里を離れた海外の山奥に佇むコテージが舞台。数年ぶりに大学時代の友人同士男女4人が再会。そこで主人公・春日恵輔(谷)がある感情を抱くようになる。その感情から最初の過ちが引き起こされ、次々と過ちを思い出していくこととなる……。生バンドがより、舞台への没入感を与える仕上がりとなっている。
終演後には4人と演出の佐藤も加えて会見が行われた。年末年始と本作のけいこに打ち込んできたという谷は、佐藤が初の原案&構成&演出を務める本作の話をもらったときに、「お話頂いたのが早い段階でした。アツヒロさんの名前を聞いて、わーヤベーなとか、どこまでたどりつけるかというのはありました。2022年を迎えるのにビクビクしていました」と、萎縮していたそうだが、「台本読みのの段階で、『すげーいい』と、一言感想言って頂いたのが印象的で、そこからは流れに沿いながらできればなと思っていました」と、佐藤の一言で気持ちが固まったというエピソードを。
松島は、浅草九劇という舞台が演者と観客の距離がとても近いということで、「こういうサイズ感の劇場で芝居がなかったんんです。こちらもお客さんが良く見えますし、なかなかないスタイルでした」と話したり、佐藤の演出へは、「プレイヤーなんだなという感じがしました。アツヒロさんが立ってみて、ご自身で想像されて、僕に演出するというのが多くて。僕たちの気持ちを非常に考えてくれてやりやすかったです」と、話していた。
綺咲は「千秋楽まで先輩たちに食らいついていけたらと思います!」と意気込めば、吉本は4年ぶり2度めとなる舞台で「ストレートプレイと、4人芝居は初めてで、みなさんにアドバイスを頂きながらでした。4人のキャチボールが芝居を集中できたら」と話しつつ、佐藤へは「アツヒロさんはお芝居をしたあとに、『どうだった?』と聞いてくださるんです。私はこうでしたと伝えたら私の意見とかに寄り添って、演出を変えてくださったりすることもあってやりやすかったです」と、笑みも浮かんだ。
一方、佐藤は本作の構想として2010年くらいから演出の仕事を視野に入れ活動をはじめそこで出てきた2、3個のネタを1年ほど前に1つにまとめたという。その発想として、「小学校のときに片思いが多かったとか中学、高校で廊下ですれ違うときめきとか、この先輩いるかなと思って行ったら居ないとか。修学旅行でのときに、好きな人いるとか聞いたりとか」というものを詰め込んだという。
さらに、浅草九劇という舞台で「何度か出演させて頂いているので、この究極的な空間が大好きで、それに合ったミステリーや、僕が1番好きなロマンス、恋愛を、混ぜてみました。ロマンスとミステリーがくっついているのでとんでもない事になっていると思いますし、とんでもない作品ができました」と、自信を見せた。
そんななかけいこ場の雰囲気は?という質問に、谷は「アツヒロさんが1番熱かった。パッションがすごくて前のめりというか、この作品の中心にいてくださって」と話したり、「私達4人とも人見知りが集まった感じで、最初にお互いのテリトリーをなんとなく決めていった感じだったんですけど、それをアツヒロさんがぶちこわしてくれて(笑)。それと目ヂカラがすごくて」と、中心に立っていたというエピソードも披露。
この目ヂカラ発言に佐藤は苦笑いしながら、「僕が2000年から舞台をはじめて、そのころ演出をつけて頂いた方はみなさん目ヂカラが強い方々だったんです。人にものを伝える作業が本当に難しくて、これを伝えたら同なるのかとかずっと考えていました。演出家は人を育てたり、待つという感じだと思っています」と、感慨深げに話していた。
そして谷から「アツヒロさん含めて5人でしかできない空間をと思っています。劇場にいらっしゃるみなさん楽しみにしていてください」と、呼びかけ佐藤は「これが映画化やアニメ化されたら嬉しいなと思っています。舞台版からスタートできるというところで、毎日お越しくださるみなさんとこの舞台を成長させて、最後には素敵な作品に仕上がっていればいいなと思っています」と、メッセージを寄せていた。
舞台『告白』は18日から2月4日まで浅草九劇にて全23回公演!