“ももクロ”の愛称で親しまれるアイドルグループ『ももいろクローバーZ』の百田夏菜子（27）が19日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で映画『ももいろクローバーZ ～アイドルの向こう側～』（監督：酒井祐輔）舞台あいさつを酒井監督とともに開いた。
女性アイドルの最前線を走り続けている『ももいろクローバーZ』のこれまでと、これからを描いた作品。メンバーや関係者たちへのインタビューを通じて、その可能性と未来を見つめる101分。本作はTBSの新たなブランド『TBS DOCS』のメインイベント『TBSドキュメンタリー映画祭 2022』の中の1作品にもなっている。
「こんばんはー」と客席の間を縫って、赤いペンライトと拍手が場内を包むなか登場した百田。まずは、ステージなどでおなじみの自己紹介あいさつを求められる。「ロングバージョンですか？」と確認して笑いを誘いつつ、結果ロングバージョンでばっちりとあいさつして、さっそく場内の空気を温め、「嬉しいです～！こんなにみなさんお忙しいなかで来てくださって！こういう距離感でみなさんにお会いする機会も最近なかなかなかったりするので、登場するときに緊張しました。なんかドキドキして」と、気持ちを伝える。
本作のメガホンをとった酒井監督へ「酒井さんは“モノノフさん”でもあるんです。めちゃくちゃ偉い方なんですけど飛び跳ねたりして（笑）」と、ももクロのファンを指す“モノノフ”と明かす。酒井監督は奥さんとともに10年ほど前からモノノフとして応援もしているということもあり、百田は「普段だったらこういうところでは、お話できないようなことをお話しましょうね」と、呼びかけて笑顔を浮かべた。
そんな酒井監督が手掛けた作品だけに、百田は「愛情たっぷりで、私たちのことをずっと応援してくださっている酒井さんだからこその角度から、いろいろ映像を撮ってくださって。私達も本当に……なんだろう……常に等身大でその場にいる姿や、普段あまりされないような質問もチョイスして聞いてくださって。私も普段メンバーとは真面目な話って本当にしないんですよね。みんなの話もすごく貴重というか新鮮でした」と、感じたことを。
途中からは司会を酒井監督にバトンタッチ。百田が昨年10月に開催した初ソロコンサート『Talk With Me ～シンデレラタイム～』まで、なぜソロコンを開催しなかった？という質問に、百田は「ええっ！？まさかの内容じゃない！全然覚えてないです」と、ビックリするとともに少し言葉に詰まりつつ、「だってももクロがあるから、なんかそこ以外でお見せできるものというのが、あまりないじゃないというか……」と、言いあぐねている様子を見せる。
この質問の答えは、実は作品内で百田が語っているそうで、酒井監督によると「やりたいと思い浮かんだことは全部グループでのイメージになり、グループで叶えようとするっておっしゃってましたよ」というと、百田は「確かに、確かに！」と、納得。「普段いろんなことを想像したときに想像できるのはグループです。そこに落とし込めるものがあるならというので、いろいろ考えているんです。自分のことで想像するということがあまり、ぱっと出てこないというか……。まずは、グループのイメージで。それをより楽しんで頂くためにというのを考えながらやっているのであまり選択肢に入ってこなくて。ソロ活動、グループ活動をバラバラに考えたりしていないんです。グループの活動もそうですし、個人での活動もいろいろやらせて頂いていますが、すべてが『ももいろクローバーZ』の私としていろいろ活動させて頂いているので」。
続けて、酒井監督が「もう1問」というと話を振ろうとするのだが、ソロコンの話が大変だったのか、百田は「難しい質問が来るなぁー（苦笑）」と、けん制する一幕も。酒井監督は“イヤモニ”と呼ばれるイヤーモニターの話から始めようとしたが、このイヤモニという単語に百田が「質問を遮ってしまいますけど」と反応し、「昨日、イヤモニの型をとったんです！だから次のライブは新しいイヤモニになってるかも。何年かぶりに新調しました。（メンバーと）横に並んで型をとるやつを入れて」と、マイペースに最新情報をアナウンスして、これには観客たちからもくすくすと笑い声が。
話を戻して、酒井監督がリハーサルの際にイヤモニの調整でメンバーは細かく微調整するが百田だけは最後に聞かれるとすぐに「『大丈夫です』といって注文がないんです。あれはなんでですか？大概『大丈夫です』と言ってますよね」との問いかけが。これに百田は「すごくマニアックな話になっちゃうんですけど」と、前置きすると、話を展開していくことに。
「マイクチェックするとき、会場によって音の聞こえ方が違ったり、自分の体調によって変わってきちゃうんです。たとえば声出しをする時間が朝イチだったら、朝イチと本番のときの自分の声の感じも全然違うんです。それぞれ好みがあると思いますけど、ベースはプロの方が決めてくださっている“この子はこれくらい”という決まりがあって。いつものデータでベストなものを作っていただいているので、私の場合、まずリハーサルの段階で、声出しをするときは、それをあまり変えない方が私はやりやすいというか。本番のときになるべくリハーサルとは同じ声量とか声の質でやりたいですけど、それがきょうはあまり調子よくないな……とかっていうのを自分で相談しながらやるんです。たとえば調子の悪い状態でリハーサルで合わせてもらっちゃうと、本番で調整していったときに、声がすごく出るようになったら“リハと全然声違うじゃん！”となっちゃうので。基本はリハの段階ではあまりいじらないというか」
と自身のなかでの考えに基づいているそうで「すごい！1回も（こういう話を）したことないです。でも、私はそういう方が会場の音を作りやすくて」というと、百田の熱弁に観客からも拍手が沸いた。
さらにお気に入りシーンは？との質問が。これに百田は「（メンバーが）こんなふうに思っているんだとか嬉しかったり、みんなのいろんな想いがほっこりしていいなと思いました」と、明かしつつ、「座談会とかもみんなで、あんなふうに話すことないんです。ずっとくだらない話をしてて、きょうもさっきまで撮影していたんですけど、くだらない話をしていて、いまなんのアイスが食べたいかとか、何のラーメンを食べたいかという話をしていて。玉さん（玉井詩織）が椅子でクルクル回ったりとか、平和な時間でしたよ。きょうも、『ももクロ』平和ですよ、みなさん！」と、本日の報告をする一幕も。
話しているうちにMCからトーク時間が残り2分と伝えられ何か映画について話すよう振られると、“桃鉄”の略称でも親しまれるゲーム『桃太郎電鉄 ～昭和 平成 令和も定番！～』と、ももクロがコラボした時期に撮影したため、「Tシャツ着ていたシーンあったと思うんですけど、あれ、桃鉄の曲（『BUTTOBI!』）を振り付けてるときで桃鉄のTシャツなんですよ……っていう話です」と、裏話が飛びだす。
そこからさらに、酒井監督が「年齢に関するコメントが多くなった感じがしているんですが……」と振ったが、これにピンとこなかったのか百田は「どういうことですか？」と返して場内も笑い声があがり和気あいあい。「そうなんですよね、モノノフさんはこうして観に来てくださっているから、年齢は承知じゃないですか。でも違う現場に行ったりすると驚かれることが多いのは本当で。そういうことはありますけど、常にみんなと一緒にいて関係性も変わらず来ているので、なんか1番理解しているようで理解していないというか。あんまり気にしたことがないんです」と、率直に語っていた。
最後に、酒井監督から「みんなのなかで何か気づきがあればいいなと思います」とメッセージを寄せれば、百田は、「みなさん、きょうはお集まり頂いて本当にありがとうございます。こうして自分たちを密着して頂けるという機会を頂けるというのは、本当にありがたいことだなと思っています。周年とかだとさ、こういうことはあるけど、何でもない時期というとあれだけど（苦笑）、こういう時期にたくさん密着して頂けて。私たちの中でも、客観的に自分たちを見る機会を頂けたんじゃないかと思います。これからもみなさんに楽しんで頂けるような作品やライブをしていけたらと思います。楽しみにしていてください」と、メッセージを寄せていた。
イベント中には、客席に小さく手を振ったりしていた百田。退出時はマスクして会場全体を周り、場内に観客の笑顔の花を咲かせるなか終演を迎えていた。
※百田夏菜子過去記事
・百田夏菜子＆玉井詩織＆高城れにドレス姿で「本麒麟」飲んで幸せそうな笑み！注ぎ方レクチャーされ「ご褒美に最適」
・「第4回 ももいろ歌合戦」開催で百田夏菜子の涙あり朝日奈央との共演あり、高城れに＆高木ブーウクレレ演奏、機動戦士ガンダムコーナーなど70組以上のゲスト出演
・百田夏菜子 宍戸留美からの広島弁音声は宝物や「魔女見習いをさがして」チケットももクロ内で争奪戦？松井玲奈 感極まって号泣や森川葵「ご当地グルメが本当に美味しそう」
写真を撮りやすいよう自分でパネルを動かす百田
場内を一周めぐる
