俳優・岡田将生(28)、女優・木村文乃(30)が21日、東京・スターライズタワーでW主演映画『伊藤くんAtoE』(監督:廣木隆一/配給:ショウゲート)完成披露試写会を女優・佐々木希(29)、志田未来(24)、池田エライザ(21)、夏帆(26)、中村倫也(30)、田中圭(33)、廣木監督(63)とともに開いた。
容姿端麗ながら自意識過剰で無神経なうえ空っぽで、関わる女性の人生をことごとく翻弄する伊藤(岡田)と、伊藤に振り回される女たちに毒づきながら自身も伊藤に追い詰められていく落ち目の脚本家・矢崎(木村)。そんな2人を中心に、伊藤に振り回される女などを巻き込み甘い恋愛に秘められている嫉妬、執着、イラ立ちなどの“毒”要素も入った恋愛ミステリー作品に仕上がっている。
場内にしかれたレッドカーペットを歩きながらキャストが登場。しかも女性キャストは花を持っているのだが、木村はピンクのユリ(虚栄心)、佐々木は赤ガーベラ(悲しみ)、志田は黄色いカーネーション(軽蔑)、池田は黄色いバラ(嫉妬)、夏帆は白いバラ(純血)と、どれも“毒のある花言葉”を含んだものと作品にちなんだものに。
本作へ岡田は、「かなりのモンスターというか“痛男”で、観た人は嫌いになると思うんです(苦笑)。でも、痛快な作品になっていると思います」と、自信を見せると、木村も「心がチクチクするという描写も有ると思いますが、最後まで観れば爽やかな気持ちになれると思います」と、カタルシスがあるそうだ。
そんな2人だが、休憩中には共通の話題があるそうで、岡田は「お互い漫画が好きでずっと漫画の話をしていて」というと、木村も「さっきも漫画の話をしていました」と、和気あいあいな一幕も。
続く志田も「こうはなりたくないお手本のような女性が出てきます」といえば、中村は、「いつの間にか考えさせられるような作品」と、深さがあるとも。田中に至っては、「登場人物がほぼクズというかポンコツなんです。そういう作品を観るとホッとするんです(笑)。エンディングまで観るとその意味がわかると思いますけど、伊藤くんがどう変わっていくのか。クズの作品はクズにはすごく共感を持てる作品で、クズっぷりを楽しんでもらえればと思っています」と、“クズ”を連呼して作品をアピールした。
話が来たときのことへ岡田は、「いままでとは違う役をやってみたいと思っていたんです。こういう役がやってみたかったのでラッキーと思ったんです……けど、思った以上にヤバい奴でした」と、想像以上の役だったそうだが演じてみて、「本当に伊藤くんと出会うことによって4人も成長していくんです。伊藤くんがクズであればあるほど成長につながると思うんです」と、思い切り“クズ”を演じ切ったよう。
それだけに、伊藤くんに対して女性キャストから「近づきたいくない」、「傷ついた」などひどい言葉が飛び交い、木村は「『このヤロウ!』と思ってたよ(笑)」と、相当な熱演だったことを伺わせていた。
イベント終盤には今年1番痛かったこと、無様だったことをキャストが答えていくというコーナーへ。田中は、「たまに体を鍛える時期があって、炭水化物を抜くぞというので、俺そば食ってたら、『それ炭水化物じゃ?』と言われて(苦笑)。そばが炭水化物と思ってなくて」と、恥ずかしい思いをしたそう。
中村はコンビニを間違えているにもかかわらず別のコンビニの商品を持ってくるよう言って恥をかいた話や、佐々木はアニサキスにより腹痛だったという話など、おもしろエピソードが次々披露。岡田は、「今年休みの日に車を運転していてそれが細い道だったんです。そうしたら小学生10人くらいに囲まれて、名前なんだっけと言われて、『教えてくれるまで通さない』と言われて。すごく無様で、『岡田将生です』と下向きながら言って」と、トホホな思い出を披露していた。
最後に木村から「モンスターであった伊藤くんにちょっとだけ変化するシーンがあるんです。たとえクズでも、ダメでも、毒女だったとしても、みんな頑張ってもがいているからそうなんだというのを感じてもらえれば。働く男性や女性、諦めずに頑張っている人、いろんな人の心に届くものではないかなと思います」と、呼びかけ、岡田からも、「最初に伊藤くんのことをいろんなことを言ったものの、伊藤くんに出会えてよかったと思います。人それぞれ共感できるところがあるんじゃないかと思います」と、思いを伝えて終演を迎えていた。
映画『伊藤くんAtoE』は1月12日より全国ロードショー!