アニメーション『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(監督:安彦良和/配給:松竹)公開記念舞台あいさつが5日、東京・丸の内ピカデリーで開かれアムロ・レイ役の古谷徹、ククルス・ドアン役の武内駿輔、カイ・シデン役の古川登志夫、セイラ・マス役の潘めぐみ、マルコス役の内田雄馬、カーラ役の廣原ふう、主題歌『Ubugoe』を歌う歌手・森口博子、安彦監督が登壇した。
1979年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダム』で人気だった第15話『ククルス・ドアンの島』を映画化。「帰らずの島」と呼ばれる無人島での残置諜者(敵地に残って破壊諜報活動などを行う兵士)掃討の任務を拝命したアムロたちホワイトベース隊。捜索に当たっていたアムロは1機のザクと遭遇、囚われの身となってしまう。目覚めたアムロが見たのは「ククルス・ドアン」と名乗る男と20人の子どもたちだった。アムロは失ったガンダムを取り戻し、島の秘密へとたどり着けるのか……。今月3日より全国184館で公開されこの日までに15万人動員し興行収入は3億円を突破する反響を見せている。
全国181館でライブビューイングされるなかキャスト陣が登壇。古谷は第一声から「僕にはまだ帰れるところがあるんだ、こんなに嬉しいことはない!」と、『機動戦士ガンダム』のアムロの名台詞から切り出して「15歳のアムロがスクリーンに帰ってきました!」と、笑みを浮かべる。
古川もカイ・シデンを意識したコメントを繰り出せば「ルナツーでライブビューイングをご覧のみなさま」と、シリーズの設定を入れ込んだものでアピール。潘は母で声優・潘恵子のスカーフを借りてきたともアピールしていた。
アムロの魅力へ古谷は「15歳の純粋な少年で僕が1番うまくガンダムを使えるんだというエースパイロットで、シャア(・アズナブル)みたいに女性を戦争に利用することもなく、心優しい少年が素敵で。あらためて43年経ってるんだけど、さらにアムロ・レイというキャラクターが好きだなと感じられたんですよね。その部分がたくさん丁寧に描かれていて、余計に好きになっちゃうんですよね」と、よりキャラクターへ愛着が出たそうだ。
観た方からは43年前と変わらないカイの声が聞けたことやアムロとのやりとりがあったことへ感動したという声などが届いていることが司会から伝えられ、「そりゃ嬉しいですね」と、ニッコリしつつ「1番それが心配だったので」と話して笑いを誘う。「それと(古谷)徹ちゃんと僕が2人でいま舞台に立っている落うのは感動的で、先程も“ウッ”と言葉が詰まりましたよ」と、しみじみ。
一方、20人の子供たちのなかでの年長者で、子どもたちのまとめ役のマルコス役を演じた内田は、「アムロって、いままでガンダムのシーズンを見てきた人たちはすごいパイロットというイメージの人が多いのではないかと思います。けど、今回はアムロの素の少年の部分が出ていて、変わらない少年なんだということがマルコスがいることで分かると思います。それと同時にマルコスからみた土安、子供たちにとっての大人の感じというのマルコスを通じて感じるんです」と、キャラクターを通じて感じたことを。
そんなマルコスはアムロに対抗心を燃やす姿も見せる。ここで内田はアフレコの話に触れ「演じるときにはアムロの声が入っている状態だったので、その流れの中にマルコスとして乗っかって行き、ました。子供同士のけんかって、バーッとなるけど、どこかで認めて、小さなきっかけで、つながったり、認めあえるみたいな」というと、古谷は「ぶつかりあって生まれる友情もありますよね」とうなずきつつ、「マルコスのパンチ最初は当たりましたけど、その後はあまり当たってないですよね」と続ける。これに内田は「ニュータイプだから(笑)」と楽しげにやり取りをしていた。
そして古谷から「こうしてみなさんの映画を観た方の感想を聞くと、とても素晴らしい作品だったなと思うです。心温まるテーマが描かれていて、その主人公のアムロの声を演じさせてもらって、僕はいま感無量でいます。いまや日本だけではなく、世界中からも愛されている作品ですが、これをたくさんのみなさんに観て頂きたいと思います。みなさんのお力をお借りしてたくさんの方に観てもらえるように願っています」と、呼びかけるとともに、「監督がまだまだ元気でいらっしゃっていますし、僕らもまだ元気で、15歳の声、できています。ファーストガンダムがアニメ化されて、こうやって一緒に舞台に立ちたいなと思っています。ありがとうございました」と、願いを口にしていた。
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は公開中!