俳優・中村倫也（35）が24日、東京・新宿バルト9でゲキ×シネ『狐晴明九尾狩』舞台あいさつを俳優・吉岡里帆（29）、向井理（40）とともに開いた。
2020年春の『偽義経冥界歌』から約1年半ぶりとなる、『劇団☆新感線』の王道“いのうえ歌舞伎”作品。いのうえ氏演出、中島氏書き下ろしによる「狐の子」を名乗る陰陽師・晴明と、陰陽師に化けた九尾の狐との手練手管の頭脳戦を繰り広げる伝奇時代劇となる。小説、漫画、映画、ゲームと数多くの作品が生み出されてきた中村演じる安倍晴明を主人公に、“いのうえ歌舞伎”らしさのスパイス、新感線らしいアクション、歌、ダンス、笑いを盛り込んでいる。中村は、安倍晴明役で主演となり、共演の吉岡は狐の精霊・桃狐霊（タオフーリン）役、向井は九尾の妖狐との戦いに破れ身体を乗っ取られる陰陽師・賀茂利風（かもの・としかぜ）役で出演となった。
吉岡は登壇するなり、「ぶちかましていきたいと思います」と気合の入ったコメントをすると、中村は「ハードルあげるなー」と軽くツッコんでいたが、吉岡が自身の衣装のベルトに触れて「心のベルトは締めています」と言い出すと、中村は「ぶちかましてるなー！」と、楽しげ。
安倍晴明を演じるにあたり、中村は「いのうえさんとはお仕事何回かさせて頂いてますが、脚本を担当されている中島かずきさんは初めてだったんです。たしかに裏でごあいさつはありましたけど、お酒を飲みに行ったこととかはなくて。頂いた脚本を読んで、なんでこんな俺のこと分かってるのかなってくらい、読んでてすぐに腑に落ちるというか、セリフや行動もそうで……。いつか聞いてみたいと思って、まだ聞いてないですけど」と、我が意を得たりといったものだったという。
とくに感じ入ったセリフとして、中村は「『人もあやかしも、ともにいてこその都だ』というところが出てくるんですけど、そういうノリとか」と明かしつつ、その直後に「節々や……いや端々か（笑）。節々だと痛くなっちゃうから」と、マイペースに話を展開する。
初の『劇団☆新感線』の座長を務めてみて、「初日かな、粟根（まこと）さんが『分からなかったら聞きに来てね～』と言ってくれて」と、ジーンとしたという話や、「頼もしい先輩たちに場を与えられて『ふざけて』と言われたら誰よりも面白くて。育った場所ではないですけど、安心感と信頼感がある甘えられる人たちでした」と、温かく迎えてもらったそうだ。
続けてお互いの印象へ。中村は吉岡へ「すごかったですよ。『劇団☆新感線』で女性の若い客演は、コミカル・愛敬・ひたむきさを求められるし、それをやるのも体力使うし、芝居でも体力使うし。早乙女友貴とのコンビの立ち回りも多くて、物理的な体力も使うし相当大変なことを客演の女優さんに求められているなというのが最初分からなかったので。不安はあったと思いますけど、人に弱いところ見せない人ですし、『大丈夫です』と言って、大丈夫じゃない状態になっていくところも見ていたし。そういうところを一生懸命やれる人が少ないだろうなって。立派な女優さんです」と、熱くべた褒め。
これに吉岡はそっけなく「ありがとうございます」と、答えていたが中村はすかさず「恥ずかしいの？」と声をかけると、吉岡は「恥ずかしいです」と素直に返すことも。さらに中村は「ちょいちょい頭や体が追いついていこないという里帆ちゃんを何度も見ていて、抜け殻みたいな状態が見ていて楽しかったんです」というと、吉岡も「いのうえさんの演出は人間離れしたことを『頑張れ』と言われる感じで。こっちもやりました」としみじみ。すると、中村は「魂がどこかに行ってて、幽体離脱ってこうやるんだと学びました。でも、けがなく終えられて良かったです」と、伝えていた。
吉岡は向井について答えることとなり、いろんなことを汲み取って演技をしてもらえたことや「頭身がすごい！」というと、中村も反応し、「顔を力持ちにギュッととかやられてるの？キャプテン翼の世界だよ！頭身のバランス！」と、顔を横からプレスするような仕草を見せて笑わせていた。
顔をプレスした？と言い出す中村
中盤には吉岡がネタバレ発言をしかけて、それをぼやかそうと必死になっているところに中村が「言っちゃいなよ」と声をかけてそそのかそうとしたり、結果抽象的なコメントになると「言葉を選んだな！」と座っていた席を思わずニコニコと立ち上がる一幕。中村と向井はいのうえ氏は、1度やって受けたネタはやらずに別のウケないネタをやらせる傾向があると2人でため息をつき中村は「（早乙女）友貴くんはかわいそうだわ」と、1番その影響を食らったキャストのことも挙げていた。
さらには、向井の演じる賀茂利風がいろんな面を披露しているという話が振られると「普通のバージョンとちょっと違うバージョンとあって、台本を4.5（キャラクターが）くらいあるなって。いろいろ変えて行けて楽しいと思いました」と演じがいがあったそう。ここで、中村が「4.5次元俳優だね」と言い出すと、向井は「意味が違う……」と、ボソリと返して中村も「違ったか。違ったみたいです（笑）」と、観客にレポートするように話して笑いを誘っていた。
ちなみに、中村と向井の関係性はいつからはじまっているのかにも言及。中村によると中村が18歳すぎ、向井が20歳すぎのころに「向井理という名前が出る前に、お互い丸刈りの特攻兵の役で」と共演を思いだす。そのころと中村の印象から向井は「変わらないですよ。みんな『兄ちゃ～ん』みたいな感じで寄ってくるんですけど、そのときから生意気でしたよ」といい、中村も「俺も変わらないな」とのこと。
そこから中村は「おさむっち（向井の中村の呼び方）の生田にある家に遊びにいって。ロフト付きで。あの向井理が生田のロフト付き6畳に住んでて、みんなでゲームやって。そのときバーでバイトしてて」と、懐かしげに語るとともに「そんな2人が、如律令してねぇ」と、感慨深げ。
思わず立ち上がる中村
最後にはこれから作品を観る方へのメッセージとして、向井から「安倍晴明は知名度あるきキャラですけど、こういう人生だったのかと感じてもらえれば、より深くはまれると思います。僕が演じた役は、だんだん変化していく流れに気を使っていて、声色だったりテンポだったりをけいこ場で調整して迎えたので、そういったものは映像の方が観れると思うので、意味があると感じてもらえると思います。映像ならではの楽しみ方ができる作品だと思います。あと俺が来たら休憩だなと思ってもらえれば（笑）」。
吉岡は、「この作品に参加させて頂いて、安倍晴明と賀茂利風の深ーい絆。そこに限ります！その絆を感じたときに、なんか尊いという言葉があって、普段あまり使うことはないですけど、ここは使いどころだなと感じました。2人をタオフーリンという役から見ていて、尊いなと思ったので、そこをじんわりと感じてもらえたらと思います。私が出ているシーンでは笑いのところの間を伸ばすけいこをしているので、笑ってもらえたら幸せです」。
中村は「そうですね……ゲキ×シネって、演劇とシネマを合わせた映画館で演劇を観るということに特化していると思います。このゲキ×シネを観れば、細かいところまで楽しんでもらえればと思って、あと観て損はない作品だと思います。見どころは、一生懸命頑張る狐さんと、『私も魂吸い取られたい！』『私もひどいこと言われたい、あのセクシーボイスでなぶって！』というおさむっちと」と、終盤は口調を変えてヒートアップしていた。
その後、記念撮影の前に、“ライブビューイングのカメラに向かって手を振って”と司会が伝える前に中村が前のめりで「さよなら！」と手をブンブン振って司会を焦らせる遊び心を見せる一幕も。さらには、記念撮影の際に、中村が背伸びして向井と同じ高さになろうとした瞬間、その意図に気づいた向井は“ひょい”といった効果音が付きそうな感じで軽やかに背伸び。これを見た中村が向井の左肩を持って背伸びを下げ、それを見ていた吉岡は爆笑という展開も。
しかしそれだけにとどまらず、観客らに深々と頭を下げ続ける中村へ、向井が“長すぎ”とばかり、中村の体を起こす行動に出る先程の背伸びを下げられたことへの“逆襲”も。“逆襲”された中村だったが、向井がつっかかってきてくれたことが嬉しかったのか、上げた顔はニコニコとしたものと、2人の関係性を窺わせる一幕となっていた。
ゲキ×シネ『狐晴明九尾狩（きつねせいめいきゅうびがり)』は3週間の期間限定で全国公開中！
※中村倫也過去記事
・中村倫也 柄本佑から風呂上がりの「ズルボディはいいですよ」やコンビネーションに吉岡里帆苦笑い！映画「ハケンアニメ！」は「『とにかく見ろ』と言えるような作品」
・中村倫也 スマイル予告し実行で「あふれんばかりの拍手」送られる！尾野真千子に告白や監督からのセリフに「キュン」吉岡里帆には「もらってない」と暴露も
・吉岡里帆、中村倫也が真剣な眼差しで机にかじりつくように筆を取る姿！映画「ハケンアニメ！」場面写真解禁で個性豊かな業界人たちの姿も
吉岡を褒める中村
中村の背が伸びだす？
向井の背も伸びだす？
2人の“背伸び合戦”に気づき爆笑する吉岡
背伸びしきる2人
向井の背伸びに気づく中村
向井から頭を上げるように“逆襲”が
ググッとあがる
中村は向井の対応にニコニコ応える
