松山ケンイチ「川っぺりムコリッタ」ムロツヨシ気持ち質問詰め

松山ケンイチ「川っぺりムコリッタ」ムロツヨシ気持ち質問詰め2

 俳優・松山ケンイチ(37)、ムロツヨシ(46)、満島ひかり(36)、吉岡秀隆(52)が17日、東京・新宿ピカデリーで映画『川っぺりムコリッタ』(監督:荻上直子/配給:KADOKAWA)公開記念舞台あいさつを荻上監督(50)とともに開いた。

 「ひっそりと暮らしたい」と無一文のような状態で、川べりの古いアパート“ハイツムコリッタ”に引っ越してきた孤独な男・山田(松山)。そこには、図々しいほど距離感が近い隣の部屋の島田(ムロ)、夫に先立たれた大家の南(満島)、墓石の販売員の溝口(吉岡)とさまざまな事情を抱えた住人たちが住んでいた。その触れ合いを通して、山田の心が少しずつほぐされていき……。荻上監督がオリジナル脚本による、友達でも家族でもない、でも孤独ではない、新しい「つながり」を描いている。

 本作は本来ならば昨年11月の公開だったが延期があっての公開となり、松山としては、「公開して届ける日までが、僕たちの仕事だと思っているんです。この日を迎えるまでに撮影がはじまってからずいぶんかかってしまいましたが、こうして公開できてホッとしています」と、ついに公開でき万感の思いを語れば、荻上監督は「脚本を書き終えたのが2017年でやっと、やっと公開になってみなさんの顔がみれて嬉しいです」と、笑みが浮かんだ。

 続くムロとしては、「荻上さんのこの作品と出会った後に、私の主演作を2本撮ることができて、荻上前、荻上後と言っています。自分の役者感が変わった最初の作品をみなさんにお届けできています」と、変化の兆しを見られる作品なのだとか。

 作品の話題へ。松山はムロを「大切な仕事仲間なんですけど」と、島田の気持ちを尋ねていくことに。まずは島田が山田の家にいきなり入り込み風呂を貸してほしいといったときに「どんな気持ちで言ってきたんですか?」と詰め寄る松山。ムロは「孤独の恐怖を見て見ぬふりしているとこころで、とにかく隣人と関係性を持とうとするという感じなのでは」と解説。島田が山田が追い詰められているなかでトマトとキュウリを差し入れてくれたことで、山田の命がつながる部分があるそうだが、ムロは「そのときの島田は命の恩人とかなんとも思ってないと思ってます。ただ、お風呂貸してほしいとか、ご飯食べたいくらいな感じで。したたかな部分と意識していない部分があって、それに山田が巻き込まれてて結果的に山田が救われているんだと思います」と、松山にとって納得行くものだったようで、そうそう!といった感じで笑顔で身を乗り出していた相槌を打っていた。

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2人で楽しげに笑う様子も

 一方、満島もムロのことを語り、「現場でムロさんが、かわいそうで可愛かったです。なんか敗北感のある男がさまようように歩いているという感じで」と、独特の表現で評したり、「ムロさんは現場でもいつも優しいですけど、いつもよりさらに心が綺麗になってる感じで」と、そのときのムロのこと語っていた。

 本作では食もしっかり描かれているそうだが、松山は山田の気持ちにより近づくためか、食事を断った状態で撮影本場で食べるということをしたところ「食べるってこういうことなんだなということを感じました。体が摂取したがるというか」と、しみじみ。続くムロは、本作に出てくる食事シーンのものはほぼ食べたそうだが、「ものすごくおいしかったです!」とニンマリといった様子で堪能したそうだが、吉岡は「ほとんど食べることができずでしたが、美味しい白滝と、ネギを頂きました」と、対照的なコメントで会場を沸かせていた。

 そして松山から「江口のりこさんどこに出ていたかわかりましたか?撮影中どこに出てるのか分からないんじゃないと思っていましたけど、ご本人は『いいやん、おもしろいやん』と言ってました」と、裏話を披露するとともに、「劇場から出た後に何かが残っている作品だと思います。小さな幸せにどれくらい気づいていけるかというのが感じられるのでは。言葉にできないもだったり言語化できないものだと思いますけど、あいまいなものを届けて、それがいつまでもみなさんお中に残っているというのが理想だなと感じています」と、気持ちを伝えていた。

 映画『川っぺりムコリッタ』は公開中!

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