【前編(攻殻機動隊VRアクティビティ遊び方のコツとは?デメリットをメリットに変えた“安全第一”の設計思想も)より】
敵を撃つ箇所によってスコアも変わってくるようだが、6日時点では部位ごとの具体的点数は公開していないそうで、タミヤ室長は「もしニーズがあれば出すかもしれません。検討の余地はあります。VR ZONEの良いところはお客様の反応を見ながら運営の方向を割と自由に変えていけるところなんです。ニーズがあればそういうのも変えていきます」と、こちらは反響次第のよう。
こうして遊べるよう漕ぎ着けるまでにCJは「去年の10月に話があったので1年ちょっと。やっとという気持ちですね」と、しみじみ。タミヤ室長も「出来上がってからトラブル対応の時間が長くて。みなさんが安心して遊べる状態まで持っていくのが大変で」と、相づちを打ちながら補足する。もともとは、今年7月の『VR ZONE SHINJUKU』のオープンに合わせて本アクティビティも開始される予定だったが、今月まで延びたのも、納得できるクオリティーに仕上げることを優先したこともCJから語られていた。
それだけの長いプロジェクトが頑張れたのもスタッフ一同、攻殻機動隊が好きという気持ちが強いから。コヤ所長は「CJはそのために2011年にアメリカの西海岸からやってきたんです(笑)。攻殻機動隊がやりたくてバンダイナムコエンターテインメントに入社したくらいで。『VRやるんでしょ?攻殻機動隊やらないでどうするんです!』っていう人なんですよ(笑)」と、CJを紹介するとCJも楽しげに笑う。
ちなみにコヤ所長こと小山氏といえばアーケードの人気筐体『機動戦士ガンダム 戦場の絆』をプロデュースしたことでも知られる存在だが、コヤ室長は「『戦場の絆』を作ったメンバーがこのアクティビティも作っています。もう12年くらい一緒に頑張っています」と、“絆”の深いメンバーと手がけていることも明かしていた。
また、お金にまつわる話も聞いてみる。プレーヤーの装備品のなかで値段が30万円くらいする高価なものもあるのだとか。もし、何かの拍子に壊してしまった場合どうなるのかへタミヤ室長は「普通に遊んで頂く部分にかんしては、お客さんに払ってくださいというのはありません」と、キッパリ。ただし、「さすがに、故意にジャンプしたり、寝転がったりなどの行為があると、『ちょっと!』とはなりますけど」といい、「われわれも壊れたら困るので運営を気をつける。ケガをされないようにするものそうですが、その次になるべく装備を壊れないように運営していくにはどうしたらいいかもこれからの運営の課題です」と、続けた。
記者からは1プレーで2800円と高めの値段設定になっていることへも質問が。タミヤ室長は「われわれも少し強気の値段設定をしています。これには理由があるんです」と、アメリカのユタ州で2016年にオープンした世界初のVRテーマパーク『The VOID』を参考にしたといい「体験時間当たりでどれくらいの金額になるのかという値段設定にしています」とのことでコヤ所長も「『The VOID』のスターウォーズの体験も30ドルです。それよりは安いかな」と比較対象も挙げる。
さらに、タミヤ室長は「たぶんこういうことをやるのは我々が先陣を切っていると思っているんです。そこで後続でついてくる人達のためにも、われわれが値段を低く設定するわけにはいかないと。価値のあるエンターテインメントはそれなりの対価を払って頂くというなかでビジネスを成立させたいと考えていて、少し強気の設定をして、それでお客様に受け入れられなければ、お客様も来ないわけで、そのときは値段を下げればいいと思うんです。でも、下げた状態でサービスを提供すると絶対に上げられない。なので、われわれはこれからVRのエンターテインメントをビジネスとしてちゃんと体現していくというのも見せたうえで、まずはこの値段でいかがでしょうという問いかけからスタートしたいなと思っています。ちょっと高いなと言われるのを承知でいまの値段は設定しています」と、値段に込められた思いも語っていた。
今後も体験者の反応なども組み入れながらさまざまなプランも考えているという本アクティビティ。どんな展開を見せていくのか楽しみなところだろう。