世良公則『クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2023』イベで熱の籠るトーク

世良公則『クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2023』イベで熱の籠るトーク9

(撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ)

 ロックミュージシャン・世良公則が1月29日に東京・109 シネマズプレミアム新宿でエリック・クラプトン『クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2023』公開記念イベントに登場した。

 本作はギタリストのエリック・クラプトンの主宰するギター・フェスティバル『クロスロード・ギター・フェスティバル』の2023年版がライブフィルムに収められたもの。フェスティバルは、クラプトンが設立した中毒患者救済施設 “クロスロード・センター” のためのベネフィット・コンサートで1999年に開催され、その後改名していまの形となった。

 以下公式レポート部分。

 この日のチケットは完売で、会場には熱心なロックファンが集結。そんなロックファンの前に立った世良は「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」について「もちろんアーティストもすばらしいんですけど、僕自身は彼らがどんなギターを弾いているんだろう、どんなアンプを使っているんだろうと、そういうのを見るのが好きなんです。そしてどのギターを見ても欲しくなっちゃう。ただのギターオタクなので、ギターを楽しんでました」と感想を。

 ちなみにギターメーカーのフェンダーが「エリック・クラプトン・シグネチャー・ストラト」モデルを発売した時も「黒とシルバーの 2 本をいの一番に買いました」と明かすほどにギターに魅了されているようだった。

 そんなエリック・クラプトンについて「もちろん彼は三大ギタリストのひとりですから。そういう意味で彼の活動は追い続けていました」と語る世良。だがより深くクラプトンに魅了されるようになったのは、「ある時
から彼が歌をフィーチャーしたアルバムをつくるようになってからですね。歌を邪魔しない、歌にやさしいギターを弾くようになった頃から、ギタリストというよりも、ひとりのアーティストとして好きになりました」という。

 世良が生まれた1955年といえばビル・へイリーと彼のコメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が大ヒットを記録したロックンロール元年と呼ばれているが、「僕はロックンロールと同い年なんですよ」と笑う世良。「そんなロックが 60 年代、70 年代と世界的な音楽に成長していった時が僕の青春時代。ジミ・ヘンドリックス、ジミー・ペイジ、クラプトンも、キース・リチャーズとロックが全部ひっくるめて僕の栄養となった。しかもローリング・ストーンズなんてまだ現役ですからね。彼らがステージに立っている限り、僕は彼らを追い越せないんですよ。彼らの後ろを追いかけるしかない。その状況が大好きですね」と目を輝かせて語る。

 さらに「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」について、「われわれも 70 年代後半にデビューして、48 年目に入るんですけど、それでもうらやましいなと思うのが、彼らが音楽を通じてくさりのようにつながっているということ。彼らが世代を超えて、ジャンルを超えてリスペクトしあっているのがプレーの瞬間に現れているんですよね。日本にロックが生まれて50年近くたちますが、日本には互いの価値観などをリスペクトしあい、交換し合うことがまだまだ足りないんじゃないか。でも彼らを見ているとそこまで自由に弾いていいんだ、そこまで楽器で主張していいんだということを強く感じさせてくれますね」。

 さらに、いち音楽ファンとして、海外のアーティストのコンサートに行っても、楽屋などに会いに行かない主義だと明かした世良。「海外のアーティストが来日をされた時も、友人たちから『楽屋に会いに行かない?』『食事会に参加しない?』と誘われますが、僕は絶対に行かないです。ずっと彼らにあこがれていたいから」とキッパリ。「一緒にレコーディングをしたとか、一緒にライブをした人は別ですが、僕が客席から仰ぎ見ている人には絶対に会いに行きません。僕もローリング・ストーンズのステージにも何度も行きますし、そこのスタッフとも顔見知りですけど、誘われても絶対に行きません」と強い意志を明かす。

 そんな世良だが、実はひとりだけ街で見かけて声をかけたミュージシャンがいたという。それが世界的アーティストのロッド・スチュワートだった。「代官山のカフェにロッド・スチュワートを見かけて。“Nice to meet you”と声をかけて。ジェフ・ベック・グループ、フェイセズの頃からずっと大ファンですと言ったら、『ジェフ・ベック・グループを知ってるの?」と言われました。僕のデビューコンサートで『セイリング』をカバーして、歌わせてもらいましたと言ったらニコッとして。すごくキツい握手をしてくれました」と懐かしそうな顔でコメント。

 そして改めて若手のミュージシャンに向けて「やはり曲をつくるときは間奏やエンディングにギターソロがあってほしいなと。『ホテル・カリフォルニア』だってローリング・ストーンズだってギターソロがあるから分かるわけだから。最近はギターがうまくてすばらしいミュージシャンが多いんだから。もっとギターをかき鳴らしてほしいなと思いますね」とメッセージ。さらに本作について「やはりクラプトンという存在があるからこそ、彼をリスペクトしている人たちが集まってきて。そこに音楽が育まれていく。とにかく僕にとってはうらやましい世界が詰まっています」としみじみと付け加え、舞台挨拶は大盛況で幕を閉じた。

 撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ

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