俳優・上白石萌音が3月14日に東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された『第48回 日本アカデミー賞』授賞式にてアイドルグループ『SixTONES』松村北斗とともにW主演した映画『夜明けのすべて』(監督:三宅唱/配給:バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース)で優秀主演女優賞を受賞したことから登壇した。
『日本アカデミー賞』は「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典」として、俳優・スタッフを顕彰する賞となっている。『夜明けのすべて』は、作家・瀬尾まいこ氏の同名作。PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる会社員・藤沢美紗(上白石)と、パニック障害を患って気力を失っている同僚・山添孝俊(松村)が恋人ではない特別な関係を築いていく物語。2024年2月9日より公開された。
トークコーナーは上白石とともに石原さとみ、河合優実、草笛光子、満島ひかりとともに展開。役作りへ上白石は「私も生理が重くて、自分の心身を覗くことで作っていって」と振り返る。
撮影現場の雰囲気へは、「三宅監督は強面なんですが、とっても優しくて。おしゃべりが好きな人が集まっていて、風通しがよくて全員が充実感を持てる現場でたくさん対話を重ねながらでした。男性も女性も関係なくさっきのような(生理の)話もできて、自慢してまわってました」と、忌憚なく話せる環境だった様子。
ここで司会を務めた安藤サクラからは「イライラされている演技がすごく好きで」と伝えると、上白石は「素を出してしまいました(笑)」とお茶目に笑うシーンも。
もう1人の主人公を演じた松村へは、松村の髪を散髪するシーンのことが語られることに。松村はその散髪シーンのために、半年以上髪を伸ばして臨んでいたそうで、「俳優でアーティスト業の男性が半年髪を維持して伸ばすのは大変だったと思います。緊張と緩和のお手本のようなシーンが生まれたと思いました」と、松村の役者魂に感じ入ったという。
さらに、その散髪中、松村は何かツボにはいったのか「松村さんが耳まで真っ赤にされて笑っていて。松村さんが本当に素晴らしくて。それと、発作が起きたシーンは指先まで凍えるように冷たくなっていたのも覚えてい、この方は血流まで演技ができるのかと感じて。いまこの場に座れているのは本当に松村北斗さんのおかげです」と、その演技を褒め称える。この模様を新人俳優賞と『話題賞』の俳優部門をW受賞した『SixTONES』森本慎太郎がニコニコしながら聴き入っている様子も見せていた。
文:水華舞
※記事内写真は(c)日本アカデミー賞協会