歌舞伎俳優の十三代目 市川團十郎白猿、娘で四代目・市川ぼたん、息子で八代目・市川新之助が9日、都内でSEIKO『時と日本文化プロジェクト』プレス発表会に登場した。
セイコーグループ株式会社がSEIKO HOUSE GINZAを舞台に、日本文化の魅力を再認識する取り組み、SEIKO『時と日本文化プロジェクト』を開始。本プロジェクトでは、日本文化にまつわるさまざまなイベントを不定期で開催を予定している。
團十郎は、セイコーのグループアンバサダーとともに7月4、5日に本プロジェクトの歌舞伎を楽しむプログラム『時からの学び』のプロデューサーを務めることから出席。「時ということでございますから、われわれ歌舞伎俳優も舞台で演じるときにはお客さまの時を預かっております。われわれが演じる中でも時が流れます。役者の時の流れを、お客さまと共有し、積み重ねてきた時、それをわれわれが体現して味わってくださっている、それを時間軸で進んでいきます」と、時への思いを話すとともに、「SEIKOさんとのコラボレーションが楽しみでございます」と、コメントを。
さらに、團十郎は歌舞伎の歴史を話していくとともに、「最先端なことをやるということも歌舞伎をやるということで、最先端なこともやるというのは歌舞伎に必須なことだと思います」と、感じていることを伝える。
そこから、日本文化の魅力は?という質問に、「さまざまな多様性がありますよね。多様性は、今回のテーマとシンクロするのは時です。何かが始まったときから、時は刻まれているのでそれを超越しながらです」と前置きし、デジタル化がより進んでいった時代の先に「生身の人間たちが紡いできた、原点に戻る時代が来ると思うんです。日本文化は海外の方の方が気づくかもしれませんが、1つ1つのことに想いが乗っていることが多くて、前に生きている人間たちから頂いたことを、次ん人たちに受け渡していくということが魅力ではないでしょうか」と、持論を口にした。
一方、新之助へは歌舞伎の魅力?はという難しい質問が飛んだが、新之助は「僕には難しいかも」と苦笑いし、團十郎から「すぐに戦線離脱しないで(笑)」とたしなめられ「立ち回りだと思います」と、からくも絞り出す。ここで司会から、團十郎のような歌舞伎役者になることが夢?という質問に、うなずきこそすれ「ちょっと恥ずかしい」とはにかんで、言葉にはせず。すると記者から、夢は歌舞伎役者?と確認の声が飛び、新之助が「違います」と言い出すと、これには團十郎も「違うようですね。後で家族会議します」と、ひたすら苦笑いだった。
そして、團十郎から「日本の文化を継承するものをしている1人として、来場されたみなさま方に、長きにわたり、受け継がれてきた日本文化の素晴らしさ、芸から時へ文化を感じて頂ければと思っております」と、メッセージを寄せていた。
なお、プロジェクトの第1回は歌舞伎俳優・坂東玉三郎の衣装展『四季・自然・生命~時の移ろいと自然美~』をセイコーハウス銀座ホールにて6月8日8日から同18日までの期間入場料無料(事前申し込み不要)で開催。