ロッテの『チョコパイ』は、1983年に発売され、約36年の歳月が経った今も愛され続けるロングセラー商品である。
1983年に長期保存できないケーキのようなおいしさをいつでもどこでも食べられるようにと開発した“半生菓子”ロッテの『チョコパイ』が、7年ぶりのリニューアルを行った。
誕生以来、バニラクリーム、ソフトケーキ、チョコレートのバランス良い組み合わせが生み出す、絶妙な食感で、ロングセールスを続ける『チョコパイ』。今回のリニューアルでは、「しっとり・くちどけ感」と「チョコレート感」の2つをより感じられるように味わいを追求した品質とデザイン。
「くちどけ感」は、クリームの配合を調整し、噛み始めの柔らかさを変更。生地は新たにしっとり感と口どけを品質改良。「チョコレート感」については、より強く感じるようにカカオ分をアップしたという。
このリニューアルに際し、ロッテは、埼玉県狭山市にある狭山工場内の「チョコパイ」製造ラインの一部を見学できる工場見学会を実施した。
特にチョコパイのケーキ部分に期待される「満足感・食べごたえ」を感じながらも、「しっとり・くちどけ感」を実現するために、100通りを超える試作検討を行ったというこだわりに迫る。
まず、白衣を着用し、頭からすっぽりと白い帽子を被り、マスクを付け、足のすそ部分もバンドで固定。ここまでは、テレビなどでもよく目にする服装だが、ここからが大変!手洗い、消毒、毛髪取りのロールを上下にかけ、さらにエアが吹き付ける小部屋に入る。そこから出ると、また、アルコール消毒。
髪の毛はおろか、ゴミ、ホコリの侵入もシャットアウトするほど。これを工場で働いている人たちは、毎日やっているのかと思うと、その衛生管理の厳重さに驚くとともに頭が下がる。
そんな厳重な衛生管理の“ゲート”を通過して、ようやくたどり着いた『チョコパイ』を作る生産ライン。入った瞬間にチョコの甘~い香りがマスクで覆われた鼻孔をくすぐる。まずは、ビスケットを作る工程へ。そこでは一転、ビスケットが放つ焼けた小麦粉の香りが漂う。
材料を練りこんだビスケットの元が丸く成型され、約60メートルのオーブンの中へ。この間にいくつか小窓がついており、覗くと膨らみ具合、焼き色具合がチェックできる。
ロッテの生産技術担当者は、今回のリニューアルに伴い、製造工程に大幅な変更はなかったが、苦労した点として、「生地に改良を加えたため、オーブンの温度設定などは微調整した」と、配合が変わり、焼き上がりを理想に近づけるのが大変だったという。
そのあとは、ビスケットが一列おきに反転し、下側になるビスケットの上にクリームを乗せ、反転したビスケットがその上に乗る。
その次に、チョコレートのカーテンをくぐると、いつもの見慣れた『チョコパイ』に!最後の仕上げとして、風と振動で余分なチョコレートを落とし、表面がきれいになり、ひとつひとつ袋詰めにされ、箱詰めにされて出荷されていく。
出来上がったリニューアルの『チョコパイ』の外箱は、「おいしさ」がより伝わるようなデザインに変更した、とのこと。よく見ると、リニューアルしたチョコパイの箱にひとつだけ、「おいしさ」がより伝わるようなデザインに変更した、とのこと。チョコがかかっている絵があり、これは「シズル感」をだしたそうだ。
箱の横部分の「CHOCOPIE」のロゴも金色を背景にあしらってたり、箱の裏側には、「チョコパイが新しくなりました」と、説明書きがあったり、チョコパイの作り方を写真や映像で紹介する「チョコパイ工場見学」というホームページのQRコードがついている。これらもおいしさの秘密を知っていただくため、だとか。
チョコパイについてより深く知ると、味わいもより深いものになるかも・・・。