寺島しのぶ剃髪エピ!豊川悦司女性2人間で広末涼子に「ごめん」

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 俳優・寺島しのぶ(49)、豊川悦司(60)、広末涼子(42)が12日、東京・新宿ピカデリーで映画『あちらにいる鬼』(監督:廣木隆一/配給:ハピネットファントム・スタジオ)公開記念舞台あいさつを廣木監督とともに開いた。

 直木賞作家・井上荒野氏による、父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の<特別な関係>を描いた同名作が原作。文学に導かれ、求め合う主人公・長内みはる、のちの寂光に寺島、井上光晴をモデルとした白木篤郎に豊川、白木の妻・笙子を広末が起用されている。

 作品を観てみて、寺島は、「私がこの映画を試写で観たとき、人と人との縁や、出会った人たちたちが死ぬまでに絡んでいくということは、尊くて、愛おしいものだなと思っていました」と、感慨深げ。

 豊川は、「最初の企画が立ち上がったときに、ちょうどコロナが始まって、クランクインまで時間がありました。撮影したのが今年の5月くらいで、普通の映画からすると早くできあがっています。充実した1ヶ月でそれが焼き付いています」といえば、広末は「素敵な映画で圧倒されました」と話しつつ、寺島へは「肉体的にも精神的にも、すごく大変な役を演じられていて、私もこの作品つらかったなと思っていなのに、私の何十倍つらかっただろうなって思って。それに加えて、豊川さんも正妻とも愛人とも相手をしないといけないので、肉体疲労のなかでのものでした。その集大成になった作品なので見応えがあると思います」と、語った。

 本作で寺島は本当に剃髪して臨んでいる。その際のエピソードが続々と明かされたが、寺島は、「剃髪を一番初めから決めているわけではなかったんですけど、廣木監督のために剃るかーと。廣木監督も”僕もいるから”という感じで」と、廣木監督の頭頂部を見ながら話して、場内を爆笑させることに。その剃髪の際に寺島によると、「豊川さんは『剃ったら呪文とか書いてたら面白いのにね』と言ってくださって、ピリピリしているなかだったので、それが和らいで。広末さんは剃った後に『クリクリしてますね』と触ってくれて(笑)」と、楽しく盛り上がっていたのだとか。

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 豊川としては、「彼女なら剃るだろうと思っていました。とっても男前の人なので」と、信頼感にも似たものがあったと告白し、逆に寺島はそういう雰囲気がプレッシャーになっていると返すことも。広末は「本当に頭の形が良くて、触り心地も気持ちよくて(笑)」と触感とともに、「若返ってしまった感じがして、あるシーンのところでは子供のように、少女のように見えるんです。ただ、一緒にもらい泣きをしたシーンがありました」と、感じ入ったシーンについても解説していた。

 そんな話題が出てくるなか、役作りとして寺島としては、「剃ってやるのとカツラでやるのとは心の動きが全然違いますし、(剃髪することを)説得し続けてくれた廣木さんにありがとうと言いたいです」と、根気強くオファーしてくれた廣木監督に感謝もしていた。

 話題が2人の女性の間を行き来する、白木篤郎のことへ。演じた豊川としては、「本当になんていうんでしょうね。僕はあまり経験したことないですけど、必然的に白木という人の気分になっていったというか」と、2人の女性の間を行き来する間に感覚ができてきたという。ここで司会が「申し訳ないという気持ちにはならなかった?」と声をかけると、豊川は「申し訳ないと思っていたらこのようなことをやっていないと思います。人から憎まれるとか、全然思ってなかったんじゃないかなって」と、心情を汲み取ることも。

 そんな豊川演じる白木へ、寺島は「台本を読む限りは、“白木って何なの!?”と。女性を敵に回しそうな役じゃないですか。私は、豊川さんじゃなかったら日本の俳優さんで誰がやると言うくらい、凄いなと思いましたし、映画では篤郎さんにしか見えなくて。何回も、”しょうがないけど好き!”みたいな。そういう気持ちにさせてくれるっていう、そこはすごいなと思いました」と、豊川の凄みを感じつつ、「褒めてますよ」と語尾に付け加えて、豊川を笑顔にさせた。

 広末も「私は表面的には耐え忍ぶ妻なので、彼の言い訳とか、私をなだめようとする感じとかに、怒りを抑えてツンとしていないといけない。悲しみも抑えていかないといけないんですけど、やっぱり豊川さんがだから、”私は今怒ってるんだ”とか思いながらで、離れられない魅力なんだなというので、一生懸命、怒る気持ちを抑えてました。役を離れて、休憩に入る前に、豊川さんが1度『ごめんねこんな男で』とおっしゃったんですけど、豊川さんじゃないですから大丈夫ですと(笑)。不思議な体験をさせていただきました」と、エピソードとともに熱弁を振るった。

 イベント終盤にはずばり“あちらにいる鬼は?”との質問も飛んだが寺島は上映前の舞台あいさつということもあり「言いたくないです。どんな意味か考えてもらえたら」と、観客に委ねる余白を残していた。

 映画『あちらにいる鬼』は公開中!

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