俳優・玉木宏(37)、吉沢亮(23)、女優・新木優子(23)が12日、東京・新宿バルト9で映画『悪と仮面のルール』(監督:中村哲平/配給:ファントム・フィルム)プレミアムイベントを原作者の中村文則氏(40)、中村監督(38)とともに開いた。
この世に災いをなす絶対的な悪=“邪”になるために父から育てられた久喜文宏(玉木)。自分を完全な“邪”にするために、初恋の女性・香織に危害を加えようと企てていることを知り、父を殺害して失踪する。十数年後、文宏は顔を変え、“新谷弘一”という別人の仮面をつけ、香織を守るために殺人を繰り返していた。そして、文宏の過去を知る異母兄の幹彦や日本転覆を企むテロ組織が香織を狙い始めたと知った文宏は、ついに自身の背負わされた運命に立ち向かうことを決意するのだが……。
玉木は新木と吉沢へ「あまり撮影日数もないなかでデリケートなシーンを撮らないといけなくて。だから逆に集中しやすい状況下で、ワンシーンワンシーン長めだったので。良い緊張感を持っていたよね」と呼びかけると、吉沢はそんな玉木へ「周りを見ている素敵な方」と、羨望の眼差しを送る一幕も。
文宏、香織のような一途な人物について、玉木は「いいんじゃないですか。でもなかなかこういう社会で生きていると難しくて。すごく素敵な関係性だと思いますよ」と、自分自身として言うと新木は、「女性は男性にこういうふうに守られたいと思うんです。ただ、これは究極なので私生活にはないなって(笑)。自分を捨ててまで愛せる人、愛される人もすごいと思うんですけど、愛する側の人は葛藤だったりと戦っていると思うので、そういう方が入れば素敵ですけど。いつか見つけられたらいいなと思いますよ」と、評する。
吉沢はそんな2人を見ながら、「すごく素敵なコメントでしたけど、ちょっと病的ですよね(苦笑)。一歩間違うと」と、現実的なことを言いつつ、「何か1つのことに人生をかけて、人を殺すことだって厭わないし、なんか奇跡ですよね。なかなか普通の人間では到達できない部分の愛というか。本当にそういうことが現実にあったらすごく素敵ではないかなと思いますね」と分析し、玉木も「だからこの作品は究極のラブストーリーなんだと思いますよ」と、しみじみだった。
一方、中村氏は作品へ「本当に素晴らしくて、素晴らしい出来に感動しました。原作も原作者も本当に幸せだなって思いました」と、太鼓判で、これには監督もキャスト陣も胸をなでおろしていた。
また、この日、今年の漢字が清水寺で発表されたことにかけて、玉木にも今年の漢字を発表してもらうことに。『繋』とした玉木は、「この映画は1年半前に撮影してようやく来月公開されますし、舞台も今年4年ぶりにやって、僕らの作った世界とお客様をつなぐものとなった1年ですね」と、感慨深げ。
すると吉沢にも『繋』というお題でコメントが求められることに。突然の振りに言いよどむ吉沢へ玉木が「俺のことなのに言わないといけない空気になっちゃったね(苦笑)」と、恐縮気味だったが、吉沢は、「お客さんに観てもらってやっとこさ完成すると思うんです。仕事で出会った人の繋がりってその場だけじゃなくて、その後もどんどん繋がっていくし、作品を観て繋がる人もいるし、その場の現場現場で繋がる人って大切だなってすごく感じますね。それはこの仕事に限らずですけど」と、しっかり言い切り、場内から拍手を受けていた。
最後に玉木から「犯罪を犯せば悪事ですが、心の中の善悪は誰しも持っていると思います。どこまで理性で抑えられるのか観終わった後には大切に守りたいという人がいるのか、想像させてくれる作品になっていると思います」と、アピールしていた映画『悪と仮面のルール』は2018年1月13日より新宿バルト9ほか全国ロードショー!