俳優・黒木瞳(62)、桜井日奈子(25)が13日、都内で映画『魔女の香水』(監督:宮武由衣/配給:アークエンタテインメント)公開決定記者会見を宮武監督、制作統括の菅原智美氏とともに開いた。
“魔女さん”と呼ばれる香水店の店主・白石弥生(黒木)と、目標をもって派遣社員として奮闘するも理不尽に職を失ってしまった女性・若林恵麻(桜井)がひょんな縁がきっかけで出会う。弥生と香りの世界に興味を持った恵麻は、弥生に誘われるまま店で働くこととなり……。
今回の会見は前日12日に、クランクアップ直後に開かれており、黒木と桜井は役の衣装そのままに登場。クランクアップして、「肩の荷が降りた感じがしています。監督、菅原さんの情熱のプレッシャーでできるかなというのと、人の可能性や、困難に立ち向かうこと、愛する人への想いを導いていくというものでしたので、ホッとしております」と、心情を。
桜井は、「すごく緊張しています。きょうもそのまま現場に行ってしまいそうなくらい、早起きしてしまって」といまだ、役が抜けきっていなようだが、「ぶわっとあふれるものがあって自分でも気づかないうちに張り詰めていたものがあったんだんと感じて。それくらいこの作品に対する思いがあったんだと感じています。とても大切な作品になっています」と、気持ちを。
作品へは宮武監督は黒木を当て書きしたそうで、「黒木さんは歳を重ねても美しくて、女性としての憧れのような存在です。この業界に入って一番尊敬できるというか、私の恩人と思っています」と、いわしめるほど。これに黒木は照れ笑いしながら、「やめてください~」と言いつつ、「最初から白髪でということが条件でして、監督のなかでの私のキャラクターが、こういうイメージだったんだろうなと思ってわかりやすくて」とも。
そんな黒木と宮武監督の関係性から「魔女というと怖いイメージがありますが、白猫を出したらどうかと話して、白猫を出しています」と話が通ったそうだ。
一方、桜井は役作りとして、「いままでは学生役とかOLでも実年齢と変わらない役でしたが、今回は7年間を描かれているので、実年齢の上まで演じています。その幅をどう演じようかということをお話させて頂いていて、いままで演じたことのない挑戦的なものでしたが、カットがかかるたびに毎回監督が素晴らしいですと言ってくれるんです。むず痒くもありましたが、それが役に集中できたと感じていて」と、自身のなかでは挑戦的だったという。黒木とは「5年前にご一緒しているのですが、一緒にお芝居をさせて頂いて、とても感じるものがあって。リハーサルの段階から、名優さんから伝わってくるものがあったので、いい意味で疲れるという感じで。すごく感情を揺さぶられました」と、刺激になったようだ。
作品にちなんで香りについてもトーク。黒木は「五感の中の嗅覚というのは記憶や感情を思い出すといわれています。匂いをかぐと、そのときのことをふわっと思い出すものだと思うんです。それが香水によって、記憶や感情を揺り起こすだけではなく、香りによって不思議な力、潜在的な力を助けてくれるという私は香水が好きなんですけど、それを作品を通して感じています」と、コメント。桜井は、「この作品に出会うまでは香水をあまりつけたことがなかったんです。私はどんな記憶が呼び起こされるかなって思っていたら、13年間バスケをしていたので、兄と弟のおさがりを使っていたので熱のこもったジメッとしたというか“香ばしい匂い”を思い出すなって」と、スポーツのことを思い出すそうだ。
また、黒木はこの日、役の白髪で登場したが、記者からウィッグなのか、地毛なのか?という質問に、「後で触りに来てください」と、妖艶にほほ笑んで、ふわっとした謎を残しつつ、「男性も香水を欲しくなるような映画だと思います。女性にモテたいという方も香水の力を信じてご覧になって頂ければ」と、アピールしていた。
映画『魔女の香水』は2023年初夏よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー予定!