俳優・福士蒼汰(29)、宮野真守(39)が14日、東京・新宿バルト9でゲキ×シネ『神州無頼街』舞台あいさつに登場。2人がふざけあったり、熟練のお笑いコンビかのような丁々発止な掛け合いを連発し、場内を爆笑の渦に引き込んだ。
『劇団☆新感線』が42周年を迎え、22年3月から5月にかけて、上演したいのうえ歌舞伎『神州無頼街』がゲキ×シネとして登場!『劇団☆新感線』のこれまでの作品とは一味違う魅力に満ちたストーリーとなっており、“幕末”や“侠客”という、これまで座付き作家の中島かずき氏がいのうえ歌舞伎では取り上げなかった題材を用いて、猥雑で妖しく、摩訶不思議な世界で展開していく。物語の主人公で博識の若き町医者、秋津永流(あきつながる)役を福士、陽気でお調子者の口出し屋・草臥(そうが)役を宮野が演じた。お互い助け合い、時には足も引っ張り合う“バディ”として板の上で縦横無尽に駆け巡った作品となっている。
イベント冒頭、舞台版を観たことがあるかどうか観客に質問がされ、その答えを見た宮野がいきなり、「ええもう、最後がですね」と言って福士が止めに入ってひと盛り上がり。続けてゲキ×シネを初体験する方について質問がされると、その答えを見た福士が「ありがとぅー、ありがとぅー」と、ふざけだし、司会が「いつもこんな感じなんですか?」と問うと、宮野は「そうなんです」といって2人で笑い合う姿が。
自身の役どころを説明していくこととなり、福士が説明して句読点が入りそうなところに、宮野が調子よく、「おー」「あらっ!」と相づちを打ち、福士はついに「そういうのやめない?」と止めようとすることに。しかし、宮野のこの行動には狙いがあったようで自身が“口出し屋”ということで「いまみたいに、人の間に口を出して盛り上げて、それで日銭を稼いでいるみたいな役です」と、うまく回収した。
すでに本作を試写で見たという2人。福士は「誰もいない劇場で2人切りで隣り合って座って観ました」という。宮野はその福士の様子へ「先に劇場に入っていて、『こんな劇場だよー』って送られてきて。どんだけ楽しみなんだ!って思って。劇場についたら『マモちゃん、どこ座る~?』『ここがセンターだよー』って説明してくれて。カワイイですよ」と、宮野を心待ちにしていたような感じが伝わってくるようなコメントが。
それだけ親しいやり取りを繰り広げる2人だったが、その理由として宮野は「これだけウマが合うのも、2人で話しているんですけど、彼は俳優で、僕は声優で、微妙に畑が違うからこそ何でも気兼ねなく言い合えて、それぞれの意見で解釈を話し合えて」という。一方の福士にも同じ話が振られたが、「完全に同意と思って(笑)」とうなずく。
2人の出会った当時の話題となり、宮野は2017年に上演された『ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 Produced by TBS』のことを挙げる。(参照記事:福士蒼汰&宮野真守ら「髑髏城の七人 season 月」会見開催!ド派手演出登場&ウサギ意識で観客とハイタッチも)「同じ作品ではあるけど、チームが違うので同じステージに立つことはなかったんです。その頃も、彼のストイックさに影響を受けて殺陣の練習を一緒にすることがあったんです。そこでいつか一緒に舞台に立ちたいという思いがあって、この『神州無頼街』を企画してもらって。ついに1年前にできたとなって」と、振り返ると、福士はここでも「完全に同意(笑)」と、繰り返して宮野は「ズルいよそれ!きょうそれで行けるじゃん!」と、思わず声をあげる。
続けて、宮野が本作のことを真面目に「芯にあるのはメッセージ性が強くて考えさせられる作品だと思って。台本の解釈も、ここはこうじゃないかと話し合っていて、そんな機会ってないと思うんです」というと、福士は真剣に聞き入って間があったため、宮野は「それ完全に同意の態度だったね!」といって、場内を沸かせる。これを釈明しようとマイクを持った福士だったが、マイクのスイッチを切ってしまっていたのか声が響かず「あれっ……」と、情けなさげな声を出し、宮野はその「“あれっ、マイクが”じゃないよ!(笑)こんな福士蒼汰見れないよ」と、声真似しながらイジり倒していた。
そんなやりとりが繰り広げられる中、福士は、宮野に対してある不安を感じているとも。「僕がボケることに対して全部ツッコんでくれる優しさ、包容力みたいな感じで。たまに大丈夫かなって思うんですよ。ふざけすぎて、マモちゃん、僕のこと重いって思わないかなって」と言い出し、宮野は「重い!?恋人の距離感だよ!」と言いつつ、観客たちへ「普段見れない福士蒼汰が僕のおかげで見れていると思います」と、アピールしていた。
2人があまりにふざけまくったせいか、司会もつられて、福士と宮野を取り違えて話を振ってしまうことに。すると2人はまるでコントのように「一心同体!」と声をあわせてアドリブでポージングをとる一幕もあり、場内は拍手と笑いに沸き返る一幕も。ついには、殺陣のことを解説する宮野に福士が「ほーんす」(聞いたまま)と謎の言葉を発して頭を下げると、宮野が「ありがとうございますと言っています」と、解説も担当していた。
ほかにも、本作で気になる役者へ、宮野は高嶋政宏を挙げ、「自分のペースを乱さないんです。すごく繊細な発声練習からストレッチから、本当に素晴らしいなと思っていました。そう思ったら下ネタもめっちゃ言ってくるし。すごいバランスで生きているなって」と、感心したという話題。さらに“お梅一家”もアピールしていた。
福士からは自主的なけいこもしていたエピソードも明かされることに。永流が手槍を使って戦いを繰り広げていくということで「家でも練習していたら、ライトを割っちゃって。クイックルワイパーのモップの部分を抜いてくるくる回していたら、バリンって割れちゃって」と、話すと宮野が「掃除するものが増えちゃったじゃん!」と、うまいことも話していた。
もしまた本作の舞台あいさつがあるなら福士は「マモちゃんがもし居なかったら、あんまやる気が起きないかも」といい、宮野は「それ俺に裏に来いってこと、表の人前にも出してくれよ!」と、楽しげな様子だった。
そして宮野から、「本当に楽しい作品です。お祭り騒ぎしています。考えさせられるメッセージがあります。どう生きていくか重く受け止められる作品ですので、たくさんの感動があると思います。意味深な終わり方をするのでそんなところに思いを馳せながら見てもらえれば」といい、福士は「この作品は悲願といいますか念願かなって上演できました。やっとできて僕たちの思いが詰まっています」と、メッセージを寄せた。
その後の記念撮影では、ライブビューイングで鑑賞しているファンへ向けて、ハグしあうことも。降壇の際には、福士が宮野に向けて手を差し出したりと、最後の最後まで仲の良さを窺わせる舞台あいさつとなっていた。
ゲキ×シ『神州無頼街』は全国公開中!
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