俳優・坂本昌行主演で4月11日より上演予定のミュージカル『ザ・ミュージック・マン』(演出:ダニエル・ゴールドスタイン)。本作の坂本の扮装ビジュアルと、メインキャストに、花乃まりあ、小田井涼平、藤岡正明、山崎大輝、水嶋凜、六角精児、森公美子、剣幸を迎えたことが14日、発表された。
作曲家メレディス・ウィルソンと劇作家フランクリン・レイシーによって共同制作され1957年に初演されロングランを記録した名作ブロードウェイ・ミュージカル。2003年にもテレビ映画化されたことでも知られる。日本でもこれまで何度も上演されており、現在ブロードウェイではヒュー・ジャックマンを主演に迎えたバージョンが大ヒット上演中(2023年1月15日で終了予定)の作品だ。
1912年の夏。マーチングバンドの先生のふりをして大量の楽器・制服などを売りつけ、お金を持ち逃げする詐欺師のハロルド・ヒル(坂本)を描いている。
ハロルドが想いを寄せる図書館の司書マリアン・パルー役に花乃まりあ。ハロルドの古い仲間マーセラス役に、ムード歌謡コーラスグループ『純烈』を卒業し、今後のソロ活躍に注目が集まるなか、本作でミュージカル初挑戦の小田井涼平。ハロルドの同業者チャーリー役に藤岡正明。町長の娘ザニータのボーイフレンドであるトミー役に山崎大輝。町長の娘ザニータ役に水嶋凜。リバーシティを治めるシン町長役に六角精児。町長の妻ユーラリー役に森公美子。マリアンの母ミセス・パルー役に剣幸がキャスティングされている。
今回の出演へ、キャスト陣からそれぞれコメントが寄せられた。
●坂本昌行(ハロルド・ヒル教授)
今回お披露目するハロルド・ヒルの扮装ビジュアルは、コメディ要素とテンポ感のある作品の音楽を聴きながら臨みましたが、これからこの役を演じるにあたり「難しいことは考えず、この役を楽しむことが大事かな」と感じました。
共演者のみなさんはバラエティに富んだ方々なので、果たしてどんなミュージカルができ上がるのか楽しみです。王道スタイルのミュージカル作品ですが、この多彩なキャストの方々が集まることで、日本版ならではの『ザ・ミュージック・マン』ができ上がるのではないでしょうか。僕はいつも、「カンパニーがこの作品を愛して、楽しむ」ことが、作品をより良く成長させると思っています。役者が心から楽しんでないと、お客様には見抜かれてしまうので、「作品を楽しむ、愛する」という想いを大切にしながら、お客さまよりも誰よりも、僕がこの作品を楽しみたいと思います(笑)。
●花乃まりあ(マリアン・パルー)
たくさんの方に愛されてきた歴史あるこの作品に携われることを心から嬉しく思います。また海外の演出家の方とお仕事をご一緒するのは、私にとって初めての経験です。お稽古場からどんな発見、経験、感動があるのか…とてもワクワクしています。錚々たるキャストの皆様とご一緒させていただけることに緊張もありますが、多くのことを学ばせていただける有難い機会だと感じております。
私が務めさせて頂くマリアンは清廉潔白、真面目で、傍から見ると少し「お堅い」印象の女性ではありますが、ハロルドのユーモア溢れる明るさに対して、彼女のその「堅さ」、二人のバランスが面白いと感じています。また、恋によって彼女の心のやわらかな部分が見えてくる様子を大切に演じられたらと思っています。
役作り…という以前にですが、楽曲が本当に美しくて、聴いているだけで幸せな気持ちになれるので、ブロードウェイ版の音源を繰り返し聴いています。
この楽曲の素晴らしさをしっかりお届けするためにも、歌のお稽古に丁寧に取り組みたいです。この作品、役を生き抜くことができたら、また新しい自分に出会えるような気がしています。私にとってとても大きな挑戦です。
楽しく心あたたまるストーリー、美しい楽曲と見応え満載のダンス。暖かな陽射しが降り注ぐ春にぴったりな、王道ミュージカルです!どうぞご期待ください。
●小田井涼平(マーセラス・ウォッシュバーン)
『ザ・ミュージック・マン』出演が決まった時は素直にありがたいと思いましたし、ミュージカル未経験なので自分がどうなっていくのか、ドキドキとワクワクの入り混じった不思議な緊張感の中にいる今現在ですが、とにかく思いっきり楽しみたいと思っています。共演者の方々はそりゃもう、「すごい!」の一言で自分がここに名を連ねることに正直ビビってます。共演の皆さんからいろんな素敵要素を盗みまくりたいと思ってます。
僕が演じるマーセラスは、冒険心や好奇心は満たされてない気がします。だからこそ、ハロルドというワイルドカードの存在に惹かれ、色んな仕掛けや手助けをしてるのかな?と。宝物を見つけたようなキラキラ感を持った大人を演じてみたいなぁ、と直感的に思っています。
今は日々のステージを先に控えたミュージカル本番を意識して歌ったり踊ったりしています。この作品への出演は、自分にとっての新たな一歩になるのではないかと思っています。できるだけさくさんのお客さまにご覧頂きたいと思いますし、僕と同じようにミュージカル未体験のお客さまにも足を運んで頂きたいと願っています。みなさんがこの作品を愛してくれるよう、日々葛藤したいと思います。みなさまどうぞよろしくお願い致します。
●藤岡正明(チャーリー・カウエル)
世界中で永く愛されてきた『ザ・ミュージック・マン』への出演が決まった時は、また新たな扉を開けて、新しい景色と出会えるという確かな実感を感じました。錚々たる、そしておひとりおひとりが強い個性と実力、説得力のあるキャスト陣にちょっとビビりつつも、よく知っている方もたくさんいらっしゃるので、今から楽しみです!
僕が演じるチャーリーは、まだなんとも言いづらい部分ではありますが、「コミカルとシリアスの共存」という点を意識して演じられたらと、今現在は漠然と考えております。正直稽古に入ってみないとわかりませんが、今はただただダンスが不安でたまりません(笑)。もしかしたらこの作品がきっかけでダンサーに転向するようなことがあるかもしれないとドキドキしています!
こんな時代にわざわざ劇場まで足を運んでくださるんだから、たらふくお腹いっぱいになって帰ってもらわなくては申し訳が立たない!そんな気持ちで取り組んでいます。
『ザ・ミュージック・マン』は、きっときっとお客様の心をほっこりと温めてお腹いっぱいにできる作品だと個人的に確信しています。どうかお楽しみいただけますよう、全力で演じさせていただきます!
●山崎大輝(トミー・ジラス)
今回が自分にとって初めてのブロードウェイ作品で、どのような手順や方法で作品が作られていくのか。それを一番近くで見て感じることができるのかと思うととても楽しみになりました!共演する皆さんは、どの方々も役として説得力のある方ばかりで、より自分の役を全うしていけたらと思います。
僕が演じるトミーは、いろんな要素を持っている人物だなと思ったので、純粋なまっすぐさだったり、ハートフルさを大切に演じていけたらと思っています。この作品がなければこの後の自分は無かったと言える、そんな作品になりそうです。ミュージカルの素晴らしさ、音楽の素晴らしさをどんな人にも伝えられる、そんな作品が出来上がると思います。皆さまの心の笑顔が見れることを楽しみに作品づくりを頑張っていきます!お待ちしています!
●水嶋凜(ザニータ・シン)
ダニエル・ゴールドスタインさん演出の作品に出演させていただけると決まった時は、とんでもなく大きな世界にこれから1歩踏み込ませて頂くんだな、といった気持ちが大きく、まだ想像もつかない世界を想像して漠然としていました。
同時に、こんな大きなチャンスを頂けたことが嬉しくて、程よい緊張感とワクワク感が混ざりあったような感覚でした。
共演者の皆さんはさまざまな分野でご活躍されている方ばかりで、みなさんのお名前をお聞きした際はそれぞれの方から沢山のことを、様々な角度でめいっぱい吸収したい!と思いました。
ザニータはとても天真爛漫で、自分の中で思ったこと感じたことをすぐハッキリと伝えられる、とても真っ直ぐなキャラクターだと感じました。少しの子供っぽさと、その中でも女性らしさを併せ持った仕草を見つけて、それを丁寧に1つ1つ作り込んでいけたらな
と思っています。また、ザニータはとてもダンスの上手な女の子なので、そんな彼女の身軽さをちゃんと表現できるような体づくりを始めています。
以前出演させて頂いたミュージカルでの役柄ではキャラクターの心情を歌ったものが多く、歌の中でストーリーが進むようないわゆるミュージカルらしい曲を歌ったことがありませんでした。なので前回とはまた異なる体験がたくさん待ち受けていると思いますし、私の中ではこれから先、演者としての人生においてミュージカル作品の基盤となる作品の 1つになるのは間違いないと感じています。
歌、音楽、ダンス、笑いが満載のとっても素敵なこの作品を皆さんと共有できることを心から楽しみにしています。この作品を作りあげる上で欠かせないピースの1つであれるようにたくさんお稽古にも励みますので、ぜひ観に来て頂けたら嬉しいです。劇場でお待ちしております!
●六角精児(ジョージ・シン町長)
自分がアメリカ発のミュージカルに出演できるなんて、夢のようだと思いました。
共演者のみなさんは初めてご一緒する方が多いのですが、その分、何ができるのか?ドキドキワクワクですね。あと、20年ぶりに坂本君と芝居をするのは楽しみです。
この作品でも、出演者との稽古や演出家とのミーテイングを経て、出来ることをしっかり積み重ねて行きたいと思ってます。今は舞台に立つことを維持する、最低限のウォーキングやトレーニングをやっています。
ステージをやり終えたあとに、心地良い達成感が残る芝居がやれればと思っています。
お客さまも、私達出演者とともに劇場で「極上のひととき」をすごしましょう!
●森公美子(ユーラリー・マッケクニー・シン)
私は以前に博品館劇場で上演された『ザ・ミュージック・マン』(1985 年)に出演しておりまして、多分カンパニーの中で、経験してるのは私だけではないでしょうか?その時はミセス・パルー役でした。兎に角楽しみです。
六角さんとは2回目の夫婦役で御座います。藤岡君とも何度かご一緒してますが、ほぼほぼ皆さんとは初めてなので、凄く楽しみにしてます。坂本さんとは、V6の時にお会いしてました。
今回私が演じるユーラリー・シンは真面目な人だと思うのですが、旦那さんが町長ということもあり、少し、横柄な所もあり、しかしながらハロルドの魅力に、引き込まれて行く感じでしょうか?作品としては、2回目なんですが、本当にクラシックなミュージカルなので、クラシックの要素もあり、レンジの広いミュージカルと思ってます。
ハロルド・ヒルに扮する坂本さんの、魅力が沢山見られると思いますし、お子さんが観てウキウキする場面がたくさんあると思います。是非劇場でお待ちしております!
●剣幸(ミセス・パルー)
私は古き良き時代のオーソドックスな作品が大好きです。ヒュー・ジャックマンの好演で盛り上がっていると聞いていたこの『ザ・ミュージック・マン』にお声をかけていたただいて、飛び上がるほど、嬉しかったです。ゴールドスタインさんがどのように演出してくださるのか、とっても楽しみです。
そして、初めてご一緒させていただく方が多いので、新しいコミュニケーションが生まれ、どんなカンパニーになるのか、ワクワクしています。
ミセス・パルーは、子ども思いの肝っ玉母さんに見えれば、と思っています。娘や息子には、古い慣習にとらわれず、本当の意味で幸せになって欲しいと願っている、心あたたかいお母さんでありたいです。
いろいろなことを経験させていただいた私にとっては、歌やダンスが満載のミュージカルは、”ふるさと” のような気がしています。厳しいけれどあたたかく、ほっとするところです。そこから飛び出してさまざまに挑戦ができるのも、この原点があるからこそ、と思っています。この作品の、嘘の中にある真実…それを信じようとする、人間の強さとあたたかさを感じてください。そして象徴とも言うべきパレードのシーンは、『ME AND MY GIRL』のランベスウォークや、『ハロー・ドーリー!』のパレードのシーンと同様、心沸き立つ圧巻な場面になると確信しています。
辛いことも多い今の世の中ですが、ひととき忘れてご一緒に楽しんでいただけたら!
ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』東京公演は4月11日から5月1日まで日生劇場にて、愛知公演は5月6、7日に御園座にて、大阪公演は5月13日から同15日まで梅田芸術劇場メインホールにて、静岡公演は5月20、21日に静岡市清水文化会館マリナート大ホールにて、福岡公演は5月26日から同28日まで博多座にて上演予定!
■あらすじ
1912年の夏。
ハロルド・ヒル(坂本昌行)はマーチングバンドの先生のふりをして大量の楽器・制服などを売りつけ、お金を持ち逃げする詐欺師。
今度の目的地はアイオワ州のリバーシティという田舎町。
早速彼は「教授」のフリをして、ビリヤードという悪い遊興から町を救うためと町民に嘘をつき、マーチングバンドを編成しようとする。
ハロルドの古い仲間であるマーセラス(小田井涼平)にも久しぶりに出会い、町長のシン(六角精児)やその妻ユーラリー(森公美子)といった町の住民たちが彼に騙されていく中、図書館の司書でありピアノ教師でもあるマリアン(花乃まりあ)は彼が怪しいことを見抜き、ハロルドの素性を明かそうと証拠探しに奔走する。そんなことを知らないハロルドは、マリアンに想いを寄せるようになり、家まで尾行する。マリアンに恋人ができないことを嘆いていた母親のミセス・パルー(剣幸)は、ハロルドが家に来てくれてうれしい様子だ。
ハロルドはそこでマリアンの内向的で吃音症のある弟のウィンスロップに出会い、彼を助けることにする。ハロルドが弟に接する姿を見たマリアンはハロルドを今までと違った目で見るようになり、ハロルドの過去を暴くのをやめるのだった。町長の娘ザニータ(水嶋凜)やボーイフレンドのトミー(山崎大輝)にとっては、ハロルドは魅力的な大人の男であり、町中がハロルドの虜になっていくのだった。ハロルドの仕事も完成し、町を離れる日が来たと思いきや、同業者のチャーリー(藤岡正明)がハロルドの素性を町中にバラすために乗り込んできた。
彼女の愛を得るためにはこのままではいられないと悟ったハロルドは、自分は詐欺師だと本性を明かすことを決意するが・・・。
※坂本昌行過去記事
・TV番組「トニセンのおいしくロスめし食堂」初回は坂本昌行登場
・坂本昌行 腰つき強調のセクシーダンスなどで魅せる!14年ぶりのピーター・アレン演じて「真面目に深く、この作品を考えられるようになりました」
・末澤誠也 坂本昌行から仲を「とくに……」とイジられ大焦り!紫吹淳が灼くほどの役作りや初ミュージカルのけいこ現場で愛されキャラな様子も