絵森彩心に秘めていた目標披露や鈴原希実涙の決意表明

　スクールアイドルグループ『Liella!』の澁谷かのん役・伊達さゆり、唐可可（タンクゥクゥ）役・Liyuu、嵐千砂都役・岬なこ、平安名すみれ役・ペイトン尚未、葉月恋役・青山なぎさ、桜小路きな子役・鈴原希実、米女メイ役・薮島朱音、若菜四季役・大熊和奏、鬼塚夏美役・絵森彩、ゲストのウィーン・マルガレーテ役・結那が5日、埼玉・ベルーナドームで全国ツアー『ラブライブ！スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ～WE WILL!!～埼玉公演』Day2公演を開催。ライブ終盤の1人1人のスピーチでは、自身の中にある葛藤やいまの気持ちを吐露した。

　オールメディアで展開しているラブライブ！シリーズの最新作で2021年7月よりNHK EテレにてTVアニメが放送された『ラブライブ！スーパースター!!』から新たに誕生したスクールアイドルグループ『Liella!』（リエラ）。表参道・原宿・青山という3つの街のはざまにある新設校・私立結ヶ丘女子高等学校を舞台に、初めての入学生である澁谷かのんを中心とした少女たちが紡ぐ物語となっている。昨年5月からは、2期生となる新キャストとして鈴原、薮島、大熊、絵森の4人が加わり、同7月にはTVアニメ2期が放送された。一方、3度目となるツアーは昨年12月から展開されている。

　【前編（Liella!ツアーファイナルでベルーナドーム！初日から大きな変化）より】

　アンコール4曲目の『Day1』直後、黒のベンチコートを1人羽織った結那が登場。冷え込みの厳しい会場とあって、その暖かそうなベンチコートを結那がバッと広げると、キャスト陣が1人また1人と“吸い込まれ”るように手を差し込んでいく一幕もありつつ、1人1人のスピーチへ。

　結那は14公演を『Liella!』とともに駆け抜けてきて「全公演実演できたというのが、幸せいっぱいです」と話すとともに「こんな楽しい時間がいつまでも続けばいいのにと思っていました」と、名残惜しそうに話すとともに、マルガレーテがTVアニメ劇中でも『Liella!』に触れて変わっていったように、「『Liella!』の歌の力はすごいなって思えました。『ラブライブ！』を通して、『Liella!』と出会えて、みなさんと出会えて、いつまでもずっと大切にしたいなと考えています」と、メッセージを。さらに、この大きな会場での強心臓ぶりなダジャレも披露したりと、盛り上げに一役買い舞台を降りた。

　絵森からは「ずっと言わないでおこうかなって思っていたんですけど、たくさんの信頼関係を築けたんじゃないかなと思って」と、これまで心に秘めていたという3rdライブへの自身が立てた目標を明かす。それは、「胸を張って『Liella!』の一員ですと言いたくて」というもの。

　ここからは絵森の涙が止まらなくなるなか、この目標にした理由として、昨年4月28日に『Liella!』に2期生が加入すると発表しそのときにさまざまな反応を見て「私も『Liella!』というグループが好きで5人が大好きだったので、そのグループを壊してしまうんじゃないかと思っていて……鬼塚夏美が私でよかったのかなって自信が持てなくなってしまったんです」と告白。ここで岬が首を横に振って見守る姿が。

　その気持ちは活動が本格的にスタートしてから「私でいいのかなという疑問を抱えたまま活動するのは、応援してくださるみなさんに失礼だなと。何より夏美に対して失礼をしていると思って、そんな情けない自分を変えたいと思っていたんです。3rdライブが始まって、みなさんからの応援がどんどん大きくなって、お手紙やSNSでたくさんたくさん勇気がもらえて」と、少しずつ自信になっていったという。そんなときに大阪公演でLiyuuが『Liella!』の9人と言ってくれたことや観客たちの拍手が嬉しかったそうで「そのときにみなさんから十分すぎるくらいの愛をもらって。『Liella!』として見て頂けているんだ、認めて頂けているんだと感じて」というと、鈴原も涙する様子が。

　「私が『Liella!』ですと認められたのはみなさんからの温かい拍手を頂けたからこそで、自分で認めることができたんだなって感じています。これで最後にしたくないと思うくらい、最高のツアーになりました。大好きなみんなとずっとずっと続けていたいなって思うんです。ありがとうございます。これからもずっとずっと『Liella!』のことを応援して頂ければ。最後にこの一言で終わりたいと思います。以上、『Liella!』の鬼塚夏美役・絵森彩でした」というと、場内は万雷の拍手に包まれた。

　続けて大熊。「（ライブタイトルに）『WE WILL!!』という題名を背負って、宮城公演で歌った楽曲『WE WILL!! 』と、ここで歌った『WE WILL!!』は景色が全然違っていて」と心境を。会場が大きくなっていくに従って物理的な距離として、「みなさんがどんどん遠く離れてしまう寂しさというか、『WE WILL!!』を歌って遠くへ離れていくけど、遠いところまで届けられているかなって。どんなに遠くに離れても最高の歌を届けていきたいなと思っています」と、より気合も入ったという。

　さらに、大熊はツアー開幕の宮城公演の際に「四季に追いつけ追い越せという目標を掲げていましたが、背中も見えなかったんです。私たちはどんどん進んでいるけど、彼女たちもステップアップしていて。ツアーを通して『Liella!』は終わらない、完成しないんだということを感じました」と、まだまだ追いかける存在と話し、「みなさんも心の中にある光を忘れないで、『Liella!』と一緒に輝き続けていきましょうね」と、呼びかけた。

　薮島は「ファンミーティングツアーのときに、1期生のパフォーマンスを間近で観て、早くパフォーマンスしたいなと思って」と、1期生の5人に魅了されていたといい「1期生に追いつきたい気持ちできたのを、すごく感じています」と、背中を追いかけてきたという。さらに、「3rdライブツアーでは、どうしたらメンバーにより近づけるのかなとか、どうしたらメンバーの表情を出せるのかな」と試行錯誤するなかで、1期生からも頼りにされるくらいに力をつけたいと話したが、現状としては「1期生に助けられているなって。すぐ涙が出ちゃうんです。まだまだ助けられてばかりです。けれど、いつか私も『Liella!』の一員だから、1期生・2期生関係なくみんなを助けられるような存在にと“強く”と、思いました」。

　鈴原はこれまでの3人の話を踏まえて、「私はみんなのお話でウルっと来ていました」と瞳を潤ませながら「パフォーマンスをしながらいろいろなことを思い出して……」と、自身が『Liella!』の一般オーディションに参加した当時の思い出をとうとうと語っていく。

　「小さい頃から誰かの特別な存在に、誰かを笑顔になれるようなアイドルにと思っていたんです。でも、私はそんなキラキラした人間にはなれないから、諦めようって（さまざまな）オーディションの書類を書いているときに、途中で泣いてしまって書けなくて。高校3年生のときに、ラブライブ！フェス（『LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス』）でオーディションが発表されたときに、これだと思って応募したんです。そのときに、最終審査まで行かせて頂いたんです。私、特別な存在になれるかもしれない、大好きな『LoveLive!』のキャストになれるかもしれないと思って、『LoveLive!』の曲を聴きながらるんるんした気分で、最終審査の会場に向かいました。会場には可愛くて、歌もダンスもできる子達がいっぱいいて、みんなを見たときに場違いだ、ここにいるべきではないと思って。それでも最終審査にチャレンジしました。行きのときに聴いていた曲と同じ曲を聴きながら、思い違いをしていたんだろう思いながら帰ったんです」。

　そんなオーディション後に合格通知が届き、「大好きなことだから自分の人生をかけてやってみようと思って。周りを見ていると輝いているし、私のなりたい特別な存在になれないかもしれないと、3rdライブツアー前までは思っていました。けれど、ツアーが始まってみんなが特別なんだなって感じています。メンバー・キャスト1人1人が大好きなんだって。初めから特別な存在になっていたのかなって、みなさんの応援で思ったんです。ツアーを通して自信がついたというか、自分を卑下することをきょうでやめたいなって。私にとって大切な大切なツアーだったなと思います。これから3期生も入ってきて先輩になるので、格好いい存在になれたらと思います」と、涙ながらに決意表明していた。

　【後編（伊達さゆり思い詰めていた心情や青山なぎさコーレスにあった不安）へ】

　■セットリスト
　M1：WE WILL!! / Liella!
　M2：スター宣言 / Liella!
　――MC1――
　M3：Welcome to 僕らのセカイ / 澁谷かのん（CV.伊達さゆり）、唐可可（CV.Liyuu）、嵐千砂都（CV.岬なこ）、平安名すみれ（CV.ペイトン尚未）、葉月恋（CV.青山なぎさ）
　M4：Butterfly Wing / ウィーン・マルガレーテ（CV.結那）
　M5：Go!! リスタート / 澁谷かのん（CV.伊達さゆり）、唐可可（CV.Liyuu）、嵐千砂都（CV.岬なこ）、平安名すみれ（CV.ペイトン尚未）、葉月恋（CV.青山なぎさ）、桜小路きな子（CV.鈴原希実）
　M6：プライム・アドベンチャー /米女メイ（CV.薮島朱音）、若菜四季（CV.大熊和奏）、鬼塚夏美（CV.絵森彩）
　M7：エンドレスサーキット / 唐可可（CV.Liyuu）、平安名すみれ（CV.ペイトン尚未）
　M8：駆けるメリーゴーランド / 澁谷かのん（CV.伊達さゆり）、嵐千砂都（CV.岬なこ）
　M9：ビタミンSUMMER！ / Liella!
　M10：POP TALKING / Liella!
　M11：ユートピアマジック / Liella!
　M12：Chance Day, Chance Way！ / Liella!
　――MC2――
　M13：揺らぐわ / Liella!
　M14：色づいて透明 / Liella!
　M15：エーデルシュタイン / ウィーン・マルガレーテ（CV.結那）
　M16：Sing！Shine！Smile！ / Liella!
　M17：名前呼びあうように / Liella!
　M18：私のSymphony ～WE WILL!! Ver.～ / Liella!
　M19：未来の音が聴こえる / Liella!
　――MC3――
　M20：追いかける夢の先で / Liella!