JRAの坂井瑠星騎手、今村聖奈騎手が30日、都内で『Winning Post10』完成発表会に登場した。
ゲーム会社の老舗、株式会社コーエーテクモゲームスによる人気競馬シミレーションゲームシリーズ『ウイニングポスト』。同シリーズ30周年を迎え、そのことを記念したシリーズ最新作『Winning Post 10』が本日より発売されることとなった。
その特長として競走馬の3Dモデルを刷新することで、競走馬の毛ヅヤ・筋肉の動きを圧倒的なリアリティで再現。ゲームならではの演出やカメラワークを掛け合わせることで、かつてない迫力のレースシーンの演出。競走馬の内面“ウマーソナリティ”や日本競馬史に残るレジェンドの技“史実調教”などの新たな要素をゲームとして表現している。
坂井騎手は、「2日前にドバイから帰って、花粉症中です」と話したり、こうしたイベントでは初共演という今村騎手の印象へ「カワイイですね」と伝えて2人で笑い合うなかスタート。
『ウイニングポスト』シリーズの作品を遊んだことがあるという坂井騎手は「リアルで実際の馬に乗っているような気分になれます」と実感を。今村騎手は『ウイニングポスト』に触れたことはないそうだが、「ジョッキーになる前にこういうゲームをしている時期がありました。実際に乗って似ているなという部分があって新しい作品も楽しみです」と話しつつ、「こうして呼んで頂けたこともありますし、競馬のゲームは興味があるので遊んでみようと思っています」と、約束すれば坂井騎手も「最近ではゲームはほとんどやらなくなりましたけど、このゲームは必ずやると思います」とのことだった。
ちなみにゲーム内には坂井騎手も登場するという。そのグラフィックも公開。坂井騎手はグラフィックを見て、「怖いですね……怖いぐらい似ています」と、笑いつつ「このお話を頂いたときに夢がかなったなって。自分がジョッキーを目指す前にずっと遊んでいたので」と、心境も。さらに、「自分の能力がどのようになっているのかも楽しみです」とニヤリと笑って、同社関係者を戦々恐々ともさせていた。
一方、今村騎手はゲームに登場はないそうだが、本イベントのために試しにグラフィックを制作。それを見た今村騎手は、「競馬のときの髪のボサボサ具合とか、口とか目の特徴を掴んでもらっていると思います」と、納得の出来という。すると山口プロデューサーからせっかく作ったのでアップデートで限定で登場することが伝えられ、今村騎手も「すごく不思議な感覚です」と、驚いていた。
競走馬の内面“ウマーソナリティ”もあるということで、2人がこれまで騎乗してきたなかで感じたことを伝えていくコーナーも。坂井騎手は「リスグラシューは普段からすごくおとなしくて、調教もおとなしくて、感情を表に出すタイプじゃないというか。そういう馬もいますし、逆にラヴズオンリーユーは馬房に近づくことができないくらい気が強い牝馬で馬が横に来るとそれだけで怒ったりして、同じ走る馬でもそういう違いがあります。(先月のGIフェブラリーステークスを勝利した)レモンポップは、本当に従順な馬です。感情をあまり出すタイプではなく安定して走ります」と具体的な馬名を挙げて振り返りつつ、「パドックで馬の目を見たり、耳で判断しています。ちょっと触ろうとすると耳を絞ったら気が強いんだなって感じています」と、自身の中で感じていることを話す。
今村騎手は馬を人間の性格でたとえているそうで、それが「面白いんです。運動会とか緊張してソワソワしている子は、馬にたとえると入れ込んで周りが見えなくなっているとか、温厚で走る気持ちあるのかな……?という馬が、一生懸命最後まで走ってくれることがあって。乗っている私からしても面白いんです」と話す。さらに「気が強い子は、その馬の気持ちを優先して乗ろうというときもありますし、逆に気が弱い子は私がリードして乗ってあげたり、馬に対する視点は変わっているのかなって」と、ポイントを挙げれば坂井騎手もうなずきながら「牝馬と牡馬で違いますし、毎回変えて乗っています」とのことだった。
続けて今年度の目標として、坂井騎手は『海外GI勝利』とし、「やることは同じですけど、海外で乗るというのはモチベーションになります。競馬全体の雰囲気も海外GIを乗るときは、日本を代表するという気持ちです」という。さらに、「WBCにも刺激を受けました。やっぱり大谷翔平選手の活躍が刺激になっていて、年もあまりかわらないのに、物怖じせずチームをまとめている姿がすごいですね」と、刺激になっているそうだ。
ほかにも、今村騎手は普段あまりこのレースを勝ちたいということは言わないそうだが、『有馬記念で勝ちたい』という願望があるそうで「日本で一番強い馬を決めるといっても過言ではないレースで、そこで1着で駆け抜ける姿は格好いいと思います」と話したり、坂井騎手は『世界一の騎手』と大きな目標を掲げつつ「一生満足することはないですけど、周りから見てそう言われたらですかね」と、しみじみだった。