俳優・中村蒼(26)、前田旺志郎(17)、田口浩正(50)、YOU(53)、田中泯(72)、ヘヴィメタルバンド『人間椅子』和嶋慎治(52)が9日、東京・六本木のテレビ東京内でドラマ『命売ります』(BSジャパン)記者会見を開き司会は同局の倉野麻里アナウンサー(37)が務めた。
BSジャパンが“大人が楽しめるエンターテインメント”として新設した『連続ドラマJ』の第2弾作品。作家・三島由紀夫の作品を原作にしており現代風にデフォルメ。広告代理店に勤め、経歴、収入など何不自由ない生活を送るなか、突然自殺を決行するも失敗し、「命を売る」ビジネスをスタートさせる主人公・山田羽仁男(中村)を描いた作品となる。美輪明宏のアナウンスをはじめ、大杉漣、橋本マナミ、壇蜜、谷村美月といった豪華ゲストが毎話登場もする。
会見で中村は、羽仁男を演じるにあたって、「羽仁男という人間が掴めなくて、どう演じたらいいのかというので頭を悩ませました。羽仁男がなんで死にたいのかという理由がはっきりしなくて」と、苦労があったという。
しかし撮影を重ねていくうちに、「いろんな人に出会って、いろんな人の死を目の前に見て、生きるということは、死ぬということはというのを感じて、人間味を取り戻していっています。共感するところが増えていくので、羽仁男を愛せるようになっていきました。いまは愛すべき人間で、僕自身、この商売をするのをやめたらいいのにと思うくらい羽仁男への気持ちも強くなっているんです」と、中村自身愛着を感じているようだった。
そんな本作の第1話も上映されたが、中村と橋本マナミとの“濡れ場”に大杉が現れるというシーンも。そのときの心情について中村は、「羽仁男にとってはただただ死ぬための過程なので、羽仁男は何も思っていなかったと思います。ああいうシーンは独特の緊張感があるのは間違いないですけど、大杉さんは過去ご一緒しったこともあるし、みんなリラックスした状態でやれたかなと」と、淡々とという感じだったようだ。
一方、田中は1話以降最終話近くにも再登場するという設定。1話のタイトルをバックにダンスを披露もあるが、このダンスへは19歳のときに、三島の演説を生放送で聞いたり当時読んでいた三島の作品などを読んだときのエネルギーなどを現場でのダンスにぶつけ「ひどく得しちゃいました」と、笑み。しかし、田中はできあがった映像を観て「上手に編集するものだなって。あのシーンは8、9回踊っているんです。1回10分くらい踊ったんですけどそれをあれだけ短い時間に詰めるというのは……」と、尺の都合ですごく短くなってしまったことに苦笑いを浮かべ、中村が慌てて「もったいない、なんてことするんだ」と、フォローを入れて笑いを誘っていた。
ほかにも現場での裏話の質問が上がると、中村はゲストで登場する大地真央の名前を挙げ、「ロケ先で牛丼屋があったんですけど、『あの牛丼屋入ったことありますか?』と聞いたらないと。それと僕達が飲むようなジュースも知らなくて、商品名を挙げたときに、僕が何を言っているのかわ分からないという感じで」と、大地との育ってきたカルチャーの違いを感じたそうだが「僕の想像していた大地さん通りで嬉しかったです」と、大地とのコミュニケーションを楽しんでいたようだった。
また和嶋は、本作で初めてドラマ主題歌への挑戦だったといい、「原作の持つイメージを崩さないようにする。キャッチーでふさわしいかどうかということ。原作を読んで自分が思ったこともあるんです。自分だったらこういう風に命の重さを考えるというのを、ドラマとバランスを取って。自分のイメージそのままのものを1曲作るというのは難しかったです」と、アプローチの違いがあり、新たな体験になったようだった。
連続ドラマ『命売ります』は13日午後9時より放送スタート!