女優・松岡茉優(22)が11日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で初主演映画『勝手にふるえてろ』(監督:大九明子/配給:ファントム・フィルム)大ヒット舞台あいさつを『黒猫チェルシー』渡辺大知(27)、大九監督(49)とともに開いた。
芥川賞作家・綿矢りさ氏の同名小説が原作。初恋の片想いをこじらせ10年間脳内彼氏にしてしまったお相手と無理矢理の再会とともに、現実に目の前に現れた彼氏との間で揺れ動く主人公・ヨシカ(松岡)の姿をポップでコミカルに描いた暴走ラブコメディ作品。昨年12月23日から28館で公開となったが、37館まで拡大される大反響を見せている。
会場には10回を超えるリピーターも現れるほどの熱気で、これには3人も笑顔。公開から半月以上経ち、周囲からも感想などが寄せられ、松岡は女優仲間の橋本愛(21)から声もあったといい、「世代を超えて観てくれて、私を知っている人も楽しんでくれたんだなという感じで」と、感激していたのだとか。
しかも、橋本からの感想について、「一昨年に撮影していたんですけど、撮影当時、橋本に泣きついていたらしくて、『この作品で誰かを救えるかもしれないから頑張る!』って言ってたらしいんです。それで橋本が『その意味がわかったよ!』って言ってくれて。誰かを救えてたり報われてたら嬉しいなって思いました」と、しみじみ。
一方の渡辺は神戸の劇場で本作を観たそうだが、帰りがけの観客から自身の演技を「『いい味出してたやん』って言ってて」と、思わぬ声に喜んだことや、60歳を超えた渡辺の父親も、「『ヨシカに感情移入した』『人間の普遍的なものが入っている。人間の距離間を描いている』って言ってくれてて」と、熱く語ってくれたそうで、松岡も「それだけ熱く語ってくれたことが嬉しい!自分の父親みたいな世代にも伝わっているんだと感じたお正月でした」と、大喜びだった。
さらにセンター試験も近いということでトークテーマが受験生に向けたものになると、松岡は、女優という生き方を目指し親が、もし4年活動してもダメなら大学に行くよう約束をさせられたという“逆風”のなかでも女優として活動しいまがあるということで、「周りの人にいろいろいわれると思いますけど勝手に言わせておいて、“迷惑をかけない“程度に自分の道を進んでほしいと思います」と、エールも送っていた。
ほかにも本作がイタリアのウーディネ・ファーイースト映画祭のコンペティション部門、ドイツ フランクフルトのニッポンコネクション、ニューヨークのJAPAN CUTSと次々と海外映画祭選出が続くという吉報がアナウンスされ、吉岡は「映画は言葉を超えるし、海外にもヨシカみたいに伝わらないという思いを持っている女の子がいると思って」と、手応えを語ると、大九監督が「これは時間も超えて10年後にも初主演作って語られるんだよ」と呼びかけると、松岡は感動といった様子で満面の笑みだった。
そして、松岡から、「心から叫べない、泣けない方たちへ、ヨシカに思いを乗せて、いくらでも叫んでもらえれば」と、呼びかけ、「『公開当時に観たんだよ』と言ってもらえるような女優さんになりたいです。大ヒット延長戦みたいな感じでお会いできる日が来るように、たくさんの人を救えたら」と、思いを伝えていた。
映画『勝手にふるえてろ』は絶賛公開中!