俳優・伊藤健太郎が13日、東京・新宿バルト9で主演映画『静かなるドン』(監督:山口健人/配給:ティ・ジョイ)前編公開記念舞台あいさつを本宮泰風、筧美和子、三宅弘城、坪倉由幸、山口監督とともに開いた。
漫画家・新田たつお氏が『週刊漫画サンデー』にて1988年~2013年まで連載し、累計発行部数4500万部を突破した同名作が原作。昼はサラリーマンの草食系男子で夜は暴力団総長の二つの顔を持つが、カタギでい続けることを願う主人公・近藤静也の物語が展開される。
以下、公式レポート部分。
この日の舞台あいさつは映画上映前に実施。観客の期待が充満した会場内にやってきた伊藤がまずは「昨日、無事に初日を迎えることができまして。みなさまにお届けすることができて、うれしく思います」とあいさつすると、さらに「自信を持ってお届けできる作品なので、楽しんでいただければ」と付け加え、晴れやかな顔を見せた。
『静かなるドン』といえば、テレビドラマ、映画、Vシネマとこれまで何度も映像化されてきた人気シリーズ。プロデューサーを務める本宮は「僕も若いときに実際に観ていた作品なので、かなりプレッシャーはあったんですが、みんなで知恵を出しあって作りました」と自負。そして伊藤も「世代的に観ていたわけではない作品ですが、それでもみんなが名前を一度は聞いたことがあるような有名な作品で、静也役をやらせていただけるというお話をいただいた時はすごくうれしかったです」と続けると、「内容は過激なシーンがありましたが、現場は本当に面白い方が多くて。ずっと笑っていた記憶がありますね」と撮影現場を振り返った。
その言葉を聞いた坪倉が「笑いしかできないですからね。三宅さんに引っ張っていただいて。楽しませていただきました」と切り出すと、「いやいや、坪倉さんあっての僕ですから」と三宅。さらに坪倉が「いやいや」と返すなど、テンポのいいやりとりを披露したふたりに、会場からは笑いとともに大きな拍手が。そんな中、坪倉が「監督が最初に細かめに指示してくださった後に、あとは適当にやってくださいという感じが非常にやりやすかった。アドリブというか、掛け合いでやってくれということが多くて。三宅さんとは初めてですが、息のあった感じができたかな」と振り返ると、思わず「(坪倉が組むお笑いトリオ、我が家の)相方よりもやりやすかった」と正直な思い(?)を吐露し、会場は大笑いとなった。
その言葉通り、三宅演じる生倉と、坪倉演じる肘方は、劇中でこそ反目し合う役柄だったが、実際の二人はプライベートで仲良くしていたという。三宅といえば、サウナを題材としたテレビドラマ「サ道」への出演で知られるだけに、坪倉とは何度か一緒にサウナに行き“裸の付き合い”をし、親睦を深めたという。そんなキャスト陣の和気あいあいとした様子に、山口監督も「みなさん、和気あいあいと、楽しくやっていただいたんで助かりました。やはりお芝居もそれが乗ってくるんで、見ていて楽しかったですね」と述懐。
さらに「何よりも現場で伊藤さんが笑ってくれるのがうれしくて。伊藤さんの笑顔をつくるために頑張りました」と続けた坪倉に、伊藤も「本番中も本当に笑いをこらえるのが大変で。普通の芝居より大変だったくらい面白くしていただいたので、僕もそれをスクリーンで観るのが楽しみだったんです。だから皆さんにもこの後、たくさん笑っていただけるんじゃないかなと思います」と笑顔。
そしてあらためてこの日を迎え、「映画を撮り終えてからしばらく時間がたちますので。こうやって同じ作品をつくった方々と並んで舞台あいさつができるというのはすごくしあわせなことだなと思っております」としみじみ語る伊藤。そして「皆さんカッコいいですよね」と笑顔を見せた筧も「わたしは(静也の)昼の姿を撮影しているところが多かったので、新鮮組の方と一緒になるのは本当にまれで。『静かなるドン』だということを忘れてしまうくらい平和でした。だから夜のシーンの皆さんを観るのは本当に新鮮でしたね」とコメント。
すると何かを思いだしたようにクスクスと笑い始めた筧は、「監督と伊藤さんが本当に仲がよくて。どんどんラブラブになっていくのを隣で見てて。わたしヒロインなんだけどなと思っていたんです」とやきもちを焼いて(?)みせて、会場は大笑い。撮影現場でもその“大好き”が高じて、山口監督におそろいのタンブラーをプレゼントしたという伊藤。山口監督も「現場のみんなに自慢しました」とうれしそうな様子だったが、「わたしはもらってないです」と明かした筧の言葉に、会場はさらに大笑い。本作をプロデュースする本宮も「仕事さえきっちりやってくれれば、自由恋愛ですから。倫理に反することでなければ容認します」と冗談めかし、会場を沸かせた。
そんな山口監督の、“伊藤健太郎大好きエピソード”として、「(伊藤の)いい芝居が撮れるとスキップしてましたね。全身に喜びがにじみ出てました」と明かした筧。さらに三宅が「僕も踊っているのを見たことありますよ」と続けたが、伊藤は「僕たちよく踊ってましたね。寒かったということもあるかもしれないですけどね」と笑顔で振り返った。
そして最後に坪倉が「前編をこれからご覧になっていただくわけですが、後編も面白くなっているので、ハッシュタグ“肱方最高”とつぶやいてください」とあいさつ。続く三宅が「もしみなさんが応援してくださったら、2もできるかもしれないんで、応援お願いします」と語ると、会場からは期待を込めた大きな拍手が。さらに筧が「個人的にもいい経験をさせていただいて。大切に思っている映画なので、観ていただけたらうれしいです」とメッセージ。
そして本宮が「一度では分からないことも多々あるかと思いますので、何度も観ていただければ」と呼びかけると、伊藤は「もし仮に、ほかの誰かがこの映画をやっていたとして。この映画を観たら嫉妬してしまうだろうなと思うくらい大好きな作品ができあがったと思っています。みなさまのお力があれば、来年にも、また舞台あいさつという形でお会いできるかもしれないので。ぜひ広めていただけたら」と呼びかけ。そして最後に山口監督が「すばらしいキャストの皆さんのおかげで、令和にふさわしい、新しい『静かなるドン』ができたと思いますので、ぜひ後編も楽しんでいただいて。SNSで100人の友だちに広めていただければ」と締めくくった。
映画『静かなるドン』は5月12日より、全4話/2話ずつ2週連続公開予定!
■あらすじ
関東最大規模の暴力団新鮮組のひとり息子近藤静也。けれど、彼は「ヤクザなんて嫌い、カタギとして平和に生きたい」と願い、デザイン会社で働き、イマドキの草食系男子として生きている。仕事ができないと怒られながらも、同僚の秋野さんに淡い恋心を抱き、普通に働く毎日。それが静也の幸せ。
しかし、そんな静也の生活が一変する事件が起きるのだった・・・。
普通に生きたいだけなのに、新鮮組の危機に直面した静也。いったいその危機とは!?そして新鮮組の行く末は・・・!?
※伊藤健太郎過去記事
・伊藤健太郎主演「静かなるドン」に喜矢武豊ら「日本統一」メンバー
・伊藤健太郎主演舞台『背信者』ゲネ開催!真実の探究に情熱
・伊藤健太郎 主演映画「冬薔薇」は「ラストカットが象徴している」……インタビュー&メイキングをおさめた特別映像が解禁
※記事内画像は(C) 2023「静かなるドン」製作委員会