諏訪ななかファンクラブイベ開催!昼は“ゆるふわ”夜は1.2倍

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夜公演カット

 “すわわ”の愛称で親しまれる声優で歌手・諏訪ななかが4日、東京・神田明神ホールでファンクラブイベント『諏訪ななか7colors world Tourist Meeting2023~Cafe・de・すわわ~』を開催した。

 以下、公式レポート部分。

 諏訪のファンクラブ「7colors world」会員が集まるイベントは、開設から数えて通算3回目。これまでは毎秋開催としてきたところ、5月10日にコンセプトミニアルバム『Starry Garden』がリリースされたタイミングということで、今回は一足早めの開催となった。タイトルにも掲げられたテーマは、諏訪自身が考えた「Cafe・de・すわわ」。彼女が声優を志すきっかけとなったTVアニメシリーズ『ひだまりスケッチ』と関わりの深い、marbleを昼公演、阿澄佳奈を夜公演のゲストとして迎え、キャリア初となる歓声ありで多くのファンこと“つーりすと”を喜ばせてくれた。

 イベント全体の流れは昼夜とも概ね共通。前半のトークパートでは、諏訪がカフェ店主に扮してゲストをおもてなし。赤色のベレー帽、本イベントで発売されたグリーンのグッズTシャツ、そこに白色のエプロンに巻いて、ブラックのショートブーツで全体を締めたウエイトレススタイルがかわいらしい。

 迎えられるゲストは“お客さま”として登場し、入店時に与えられた架空の通貨=7000すわわを駆使して、「すわわに聞きたいこと(500すわわ)」、「すわわが語尾を変えてくれる(1500すわわ)」や「すわわが褒めちぎってくれる(2000すわわ)」といった、さまざまなサービスを受けるというシステムである。彼らの入店時には、諏訪のゆるりとした「いらっしゃいませ~」の挨拶にはじまり、注文されたドリンクを注ぐなど、給仕をするレアな場面も見られた。

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 また、この日の会場は客席ともかなり近く、まさしくカフェで店員に声をかけるくらいの距離感だったほか、店主であるはずの諏訪も「じゃあ私は~」と、あくまで“まかない”という設定でドリンクを選むなど、いい意味で身内感のあるフリーダムなイベントであることが序盤から伝わったことだろう。

 昼公演のゲストは、marbleのmicco(Vo.)と菊池達也(Gt.)。「芽生えドライブ」をはじめ、『ひだまりスケッチ』で数多くの主題歌を担当してきたユニットだ。諏訪の「何名さまですか?」というお決まりの問いかけに、菊池が「1名ずつです」と返すなど、まさかのmiccoとの相席拒否で早くも会場の笑いをさらう。

 これは後に明かされたことなのだが、『ひだまりスケッチ』に関わったことがある人間には、“独特な空気感”が共通しているとのこと。諏訪もまた同様の空気感を纏っているそうだが、実際にイベントを通してその内容を掴むことができた。例えるならば、あらゆる会話の速度やその空間の時間の流れが0.7倍速になっているかのような感覚。昼公演に限っては、とにかく“ゆるふわ”な会話のラリーが続いたのだ。

 実際、通貨=すわわの使い方が説明された段階で、miccoがすぐさま2000すわわを消費して、自前のスマートフォンでツーショットを撮影すると、今度は諏訪の語尾を「~すわ?」に変えるようにお願い。そのなかで、あくまでも語尾が正しく使えるのかを確認すべく、「すわわに聞きたいこと」に抵触しないよう、普段はどんなパジャマを着ているのかを尋ね、「パジャマは~、ぬいぐるみ柄のパジャマを着てるすわ~」というファン垂涎だったに違いない情報を引き出してくれたのだが、ふと横を見ると菊池が不貞腐れている。「miccoしかいい想いをしていない」と、彼女のどこ吹く風な一連の行動にぼやきがこぼれている。

 その上で、菊池も“すわわ”を使い、marbleからの提供曲を歌ってほしいと約束をしたのだが、またしてもmiccoの一存により、一時はアコースティックアルバムを作ろうという会話にまで発展。その願いが本当に実現するかは、つーりすと各位の目で確認をしてほしいところだが、miccoのゲームチェンジャーな性格、もしくはmarbleふたりの関係性を薄々と把握することができた。ちなみに「すわわに聞きたいこと」では、諏訪がイベント前日に食べたのが「モスバーガー」、2023年の目標は「健康に過ごす」、定食屋で頼むのは「鶏と野菜の黒酢あん定食」という情報をキャッチできたため、後世のためにここに記しておきたい。

 続いてのコーナーは「marble イントロクイズ」。菊池によるギター演奏のもと、“ガチmarble”のmiccoに、“marbleガチ”の諏訪が挑むという頂上決戦の企画である。出題されたのは全9問。だが、8問終了時点で両者とも4ポイントずつを獲得。追い越しては追いつかれの展開で終盤までゲームはもつれこんだが、意外にもお互いに楽曲名が思い浮かばない場面がちらほら。諏訪のオリジナル曲で、miccoが作詞したはずの「記憶ファンタジック」を回答するのに難航するなど、ファンの方が“答えたくて仕方がない”といった場面も見られた。最後は「コバルトの鼓動」を正解して、“marbleガチ”こと諏訪に軍配が上がる。

 その後、諏訪とmarbleのコラボステージとして、同ユニットの楽曲「水彩キャンディー」をこの日限りのアコースティックバージョンで贅沢に披露。ふたりの声がユニゾンで初めて重なったのは、大サビから。それまでは順々にマイクパスを繰り返し、一人ずつ各々のパートを歌唱していく。

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 初夏の太陽の光や、少し涼しげな風が自分の体を吹き抜けていくような楽曲。そこにハイトーンで、それゆえの力強さがある諏訪の歌声と、逆に輪郭が柔和で奥深いmiccoのそれが混ざり合う様子は、まさにマーブル模様が描かれるかのようだった。諏訪にとっては自身のオリジナル楽曲と比べてもかねてから耳に慣れ親しんできただけに、miccoから歌唱後にあった「歌い慣れている感じがすごい」というコメントも納得するばかりだ。

 夜公演では打って変わって賑やかな来客が。『ひだまりスケッチ』で主人公・ゆの役を演じた阿澄佳奈とともに、今度は常時1.2倍速の会話が届けられるような忙しい展開が続く。諏訪が店のメニューに記載されている商品にぴんときていないことにツッコミを入れて、彼女が実は“雇われ店長”であるという新事実を引き出したり、“2000すわわ”を使って自身を褒めちぎるように諏訪にお願いをした際には、『ひだまりラジオ』時代を思い返しての「トークが面白い。ラジオが上手。そして面白い」というコメントに、“面白い”が被っていると鋭い指摘を入れるなど、とにかく大盛り上がりな一幕に。

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 また、阿澄といえば、“6秒でどんな絵でも描ける”という特技の持ち主。ということで、諏訪ななかの“なな”になぞらえて「7秒おえかきすわわ」に挑戦。阿澄演じるゆのや、諏訪がコラボしているサンリオキャラクターのクロミといった5つのお題にアタックするなかでまさかの事態が。

 『ひだまりスケッチ』原作者である蒼樹うめのキャラクター・ウメスを思い浮かべてイラストをしたためた諏訪と阿澄だったが、どちらがよりリアルに近いかを決める観客投票にて、諏訪に投票したのはなんと綺麗に0名。投票の拍手が鳴らされず、会場全体に一抹の静寂がよぎる。思わず阿澄も「これ、諏訪ななかさんのイベントですよね!?」と、あまりに“どアウェイ”な状況に驚いていたが、裏を返せばつーりすとが公正な判断を下した証拠。彼らが最も好きなはずの諏訪を贔屓目に見ないあたり、良質なファンダムが形成されていることを証明する一夜となった。

 また、阿澄とはTVアニメ『ひだまりスケッチ×365』オープニングテーマ「?でわっしょい」を歌唱。昼公演とは変わり、今度は〈はてハテはてハテはてな〉など天真爛漫な歌詞やメロディだからか、諏訪も先ほど以上にのびのびと歌声を響かせる。彼女がこの楽曲を初めて聴いたのは中学1年生の頃だというが、それを聞いた阿澄は「まさかファンだった子と歌うことになるとは」と、今日まで流れてきた時間の長さに感慨深くなりつつ、自身もまた客席から懐かしのコール&レスポンスが届けられたことに思えず笑顔で拍手をするなど、積み重ねてきた歴史の先にある夢のような景色を見ている気持ちになれた。

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 イベントの最後を締めくくったのは、諏訪のソロライブパート。昼公演ではライトブルー、夜公演ではパステルパープルと、2色それぞれのドレスワンピに身を包み、各部とも3曲を披露する。歌唱したのは、軽やかさとキュートさが流れ星が加速するように増幅していく「Starry Garden」と、リズムの切れ目となる部分に流れるように歌詞を挿入するなど、こちらはまた違った種類の“駆け抜け方”をする「あたしびより」。どちらも今回のイベントが初披露の機会となった。

 また昼公演では、marbleの提供曲「突風スパークル」も届ける。イベント内で、この楽曲の制作経緯について、miccoからの「歌って?」という“逆オファー”で生まれたことが明かされたばかりだが、歌唱時には歌詞にあわせてスカートの裾を掴んで控えめにゆらすなど、振り付けの細部にも注目をさせられる。一方の夜公演では、「ポップコーンの雲」で熱狂の渦に。それもそのはず、同楽曲が最後に披露されたのは2020年11月開催の『諏訪ななか 1st LIVE ~My prologue~』のこと。久しぶりの再会に、客席からもシンガロングが巻き起こるなど、この日最大の盛り上がりを見せた。

 そしてイベント終盤には、新たな告知情報も。まずは、7月23日に、京都劇場にて『Voice of Symphonic Vol.4~おこしやす~ 諏訪ななか/大西亜玖璃コンサート 「ふたりびより-本日は競演あり-」』をも開催することを発表すると、今度はレーベルメイトである和氣あず未や大西亜玖璃とのコラボ情報が。和氣が7月22日、同会場にて予定している『Voice of Symphonic Vol.3~おこしやす~ 和氣あず未 コンサート「超革命的恋する音楽会~夏じゃないならなんなんだ~」』に、大西とともにゲスト出演するという。

 諏訪にとって、京都のような首都圏エリア以外でのライブ出演、ならびに他アーティストとのコラボや、オーケストラ帯同でのステージなど、初めてづくしな時間がすぐそこまで近づいている。そして極め付けには、10月1日に東京・山野ホールにて『諏訪ななか 4thライブ』の開催も決定。今年の夏は、諏訪と駆け抜けるひと夏になりそうだ。

 テキスト:一条皓太

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