“あぐぽん”の愛称で親しまれている声優で歌手・大西亜玖璃が18日、東京・神田明神ホールで『大西亜玖璃 ファンクラブイベント~NTMUあぐりんぐ!~』を昼・夜公演で開催。企画コーナーにミニライブコーナー、ファンと一緒に盛り上がった。
以下、夜公演公式レポート部分。
オープニングは1stアルバム『Do you agree?』収録の「NTMUエイリアン」から。オールスタンディングの神田明神ホールに集まったファンは、緑と青のペンライトを振り、サビ前ではクラップをしてライブを盛り上げていく。キュートなダンスをしながら歌う大西亜玖璃=あぐぽん。すました表情の中で、時折笑顔がこぼれるのもかわいらしい。
「エイリアンの皆さん、こんばんはー」とあいさつをすると、大きな歓声が返ってくる。司会の工藤プロデューサーが登場し、オープニングトークが繰り広げられていったのだが、どうやら今回は「大西亜玖璃 優勝記念宇宙ツアー」に来ているという設定で、ファンはエイリアンということになっているらしい。そんなエイリアンのみんなとコミュニケーションを取りながら、爽やかなブルーの衣装の話やグッズの話をゆるっとして、楽しむ。
そして最初の企画コーナー「エイリアンたちと一緒に朗読劇」へ。つまりはファン参加型の朗読劇ということだが、どう朗読に参加するのか、どんな内容なのか、誰も分からないまま朗読劇はスタートした。
タイトルは「あぐぽんは振り向かない」。最初のセリフから「ようし、みんな行くよ! Do you agree?」と煽ると、観客も「Agree!!」と叫ぶ。コーレスを何度かしておいて「シーッ! ここは図書館だよ!」って言われる理不尽を、むしろ喜ぶエイリアンたち。
物語の内容は、ウジウジした自分の性格に悩む主人公のあぐぽんが、自分を変えようと図書館に来たところから始まる。そこで開いたマンガ雑誌の広告で見た「NASAの技術を応用したという20年後の自分と話せる魔法の鏡」をあっさり購入しちゃう警戒心のないあぐぽん。
そして、ウジウジした性格を治すため、20年後の46歳の大西亜玖璃に、26歳の大西亜玖璃が質問をしていく展開へ。46歳のあぐぽんが観客に「ほらみんな、私に『かわいい?』って言われたら、『あぐぽんが一番かわいいよ!』って返さないと!」と大人っぽく言うと、「あぐぽんが一番かわいいよ!」と大きな声で返すエイリアンたち。そこから46歳と26歳のあぐぽんがトークしていくのだが、1人2役をやるというのはなかなかの無茶振りなはず。ただ、そこは度胸のあるあぐぽん。果敢に攻めていたのが印象的だった。
20年後のあぐぽんはウジウジを克服していて、ウジウジしないためには「何があっても振り返らないこと」とアドバイス。その後、あぐぽんの後ろで工藤プロデューサーがいたずらをしたり、スタッフがカップラーメンをすすったりしたのだが、鉄の意志で、後ろを振り向かずに乗り切ったあぐぽんは立派だった。
最後に46歳のあぐぽんから、「そっちが西暦2023年なら、10月に新しいシングルのリリースが決まってるから、頑張ってね」と、台本におしゃれにサプライズを仕込むスタッフたち。何も知らされていなかったあぐぽんは驚き、観客からは「やったー!」「おめでとう!」という声が上がっていた。
あぐぽん自身が、台本にツッコミを入れたりしながら進んでいった朗読劇コーナー。ちなみに実際のあぐぽんは、ウジウジしていないそうで、寝れば嫌なことを忘れるさっぱりした性格なのだという。
朗読劇のあとはミニライブのコーナーへ。夜の部のセットリストは『宇宙の日常で聴きたいリクエストアワード』ということで、ファンがシチュエーションで聴きたい曲をリクエストし、それを歌っていく。
まずは『エイリアンが朝、起きた時に聴きたい曲』の「本日は晴天なり」から。何度も歌ってきたデビュー曲を勢いよく歌うあぐぽん。Aメロではクラップが起き、ラストへ向けて、客席からの声もだんだんと大きくなる。楽曲が徐々に育っていることも感じられた瞬間だった。
このイベントでのミニライブは、2分で早替えをして、曲に合った衣装と髪型で歌い、最後はチェキで記念撮影するという流れがあったようで、あぐぽんは曲間も大忙し。続く『がんばっている時に聴きたい曲』の「はじまるウェルカム」でも、工藤プロデューサーがリクエストメールを紹介している時間を使って、あぐぽんは衣装チェンジに奔走していた。
「はじまるウェルカム」の時のジャケット衣装であるオーバーオールのデニム姿で登場したあぐぽん。元気になれる楽曲に、エイリアンたちも大きな声で歌をサポートする。みんなで一緒にダンスをして一体感を高めると、『エイリアンが癒やされたい気分の時に聴きたい曲』として「結んで、ひらいて」へ。ここでも再びあぐぽんは衣装チェンジし、「はじまるウェルカム」のMVで着ていた緑のチェックのワンピース姿で登場。爽やかでちょっと切ない歌声を届けていく。
『エイリアンが大勢で聴きたい曲』で選ばれたのは「Do you agree?」。2分の早替えタイムへ突入し、今度はこの曲のMVで着た五線譜と音符のワンピース姿で登場したあぐぽん。このイベントから、振り付けがついたそうで、サビで客席を撃ち抜く振りがあったのだが、ファンもハートを射抜かれたリアクションをして楽しんでいた。また、ファンの「ラララ」のコーラスも曲を彩っていた。
力強い歌声を披露していた大西亜玖璃。歌い終わっても、ハマってしまったのか“Bang”と言って、楽しそうにファンの心を撃ち抜き続けていた。
続いてカバー曲を披露。昼の部は森高千里の「私がオバさんになっても」だったが、夜の部は、中森明菜の「DESIRE -情熱-」。あぐぽんがリクエストした曲で、(「Elder flower」のMV時の)黒いワンピースに、髪型も80年代を再現したようなポニーテール。客席も真っ赤なペンライトで応戦し、80年代風の合いの手「はーどっこい」まで飛び出し、みんなでライブを楽しんでいた。
リクエストアワード最後は、『エイリアンが恋をしている時に聴きたい曲』で「Love・Me・Do」。曲名が告げられた瞬間、観客は大熱狂で、この曲の人気の高さが伺える。工藤プロデューサーとあぐぽんも「そんなに?」と驚いていた。今回のイベントグッズ写真で着ていたのAラインシルエットがかわいいレトロワンピースに着替えたあぐぽん。2分の中で、髪型をハーフツインに変えるなど、スタイリストだけでなくヘアメイクさんの凄さも感じられた。きっと裏では、かなり大変なことになっていたはずだ。
この曲では、ピンクのペンライトに染まった会場で、キュートな歌声を響かせる。途中で背中を向く振り付けもいじらしいし、観客も大満足のパフォーマンスだった。
「今日、すごい楽しかったですよね! こんなに早替えをするのは初めてなので、どうなることやらでしたけど、お洋服は好きなので、いろんな衣装を着れたことが、すごく嬉しかったです。曲のコンセプトにもハマっている衣装なので、より入り込んで歌うことができて楽しめました」と言うと、最後は1stアルバムから、「夏夢花火」をしっとりと歌う。今回が初披露となったが、客席ではカラフルなペンライトの花火が咲き、その中で、清涼感のある、ほんのりと切ない気持ちになる歌声が響いていた。
最後はファンのみんなをお見送りをして、イベントを終えたあぐぽん。まずは、10月にニューシングルが発売されるので、どんな曲なのかを想像しながら待っていたい。