俳優・望海風斗、平原綾香、井上芳雄、甲斐翔真、橋本さとし、松村雄基、伊礼彼方、Kが24日、東京・帝国劇場で『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のプレビュー公演を前に、囲み会見を開いた。
1899年のパリ、退廃の美と、たぐいまれなる絢爛豪華なショー、ボヘミアンや貴族、遊び人やごろつき達のいる世界が舞台。激しい恋に落ちたアメリカ人作曲家クリスチャンと、ナイトクラブ ムーラン・ルージュの花形スター・サティーン。しかし、クラブのオーナー兼興行主のハロルド・ジドラーの手引きで、彼女のパトロンとなった裕福な貴族・デューク(モンロス公爵)が間に入り、2人を引き裂こうとする。そこで、クリスチャンは、才能にあふれた、その日暮らしの画家トゥールーズ=ロートレックやパリ随一のタンゴダンサー・サンティアゴとともに、華やかなミュージカルショーを舞台にかけ、ムーラン・ルージュを窮地から救い、サティーンの心をつかもうとするのだが……。
役の衣装で会見に臨んだキャスト陣。井上は、「とにかく、スケールが大きいです!コロナ前から企画があったと思いますけど、その期間を挟んで、大変な状況の中で実現したことに喜びを感じています。きょうの日を目指して、スタッフ・キャストみんなでやってきたので、きょうを無事に迎えられているのが感無量です。日本でどう迎え入れられるかというのも気になっています」と、感じていることを。
会見内では、今月22日に行われたミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』(日本版翻訳・演出:ウォーリー木下)製作発表会見内にてウィリー・ウォンカを演じる『KinKi Kids』堂本光一から本作に対して「予算とられすぎて、こっち(『チャーリーとチョコレート工場』)の予算は大丈夫ですか?」とボヤいて心配しだす一幕があったが、これをふまえて記者から「堂本光一さんが『チャーリーとチョコレート工場』の予算を心配していましたが」との質問が。
(参照記事:堂本光一「チャーリーとチョコレート工場」会見!“宇宙へ飛び立つ”予告!?)
すると、井上が、「そうはいっても、光一くんの方には、ちゃんと予算を取っていると思います。初めての翻訳ものを光一くんがやるというのは大きなトピックなので。それは東宝さんがしっかりやると思います」と、キッパリ。
続けて、井上は「ただ、この『ムーラン・ルージュ』は本当に心配になるくらいお金がかかっているんです。僕も20年以上帝劇の作品に出演していますけど、この気合の入り方は見たことない。いつもの公演も精いっぱい力を尽くされていますけど、今回は総力を結集してというか……決死の覚悟というか。何があったのというくらい。なんていったらいいか……規模が違いますし、それにお弁当めっちゃ出ますし」と、実際の舞台裏のことを交えて話す。
Kも「お弁当もAかBかで選べますよね」と、その豪華さの一端を窺わせるコメントをすると井上も「いつもAもBもないですからね」とうなずきながら、「とにかく本気で取り組んでいらっしゃるのは分かります」とのこと。なぜ、そこまで豪華なのかは、井上によると「そうしないと成立しない作品だというのは、やってみて分かりました。大きなセットもあるし、危険もたくさんあるし、安全を確かめながら時間をかけながらで。チケット代が高いというのは話題になっていますけど、中にいると、かかって当然だなって感じています」と、自身の感じた理由を明かしていた。
さらに、本作は2018年のボストン公演を手始めに、19年にNYブロードウェイ公演がされ、22年12月から3月にかけて上演となった韓国・ソウル公演に続き、世界で7ヶ国目の上演となる。これを踏まえつつ、井上は「これでも日本の公演が1番チケット代金を抑えてるそうなんです。ですから、世界のどこで観ようかなと思っている人がいたら日本で観たほうがお得です」と、アピールもしていた。
ちなみに、豪華さの例として伊礼は『Only Girl in A Material World』という楽曲のシーンで「この舞台で90秒しか着ない衣装が1番(お金が)かかってるらしいんです」といいサティーン役を望海とWキャストで演じる平原も「言えないくらい、高いんです」とのことだった。
そんな贅を尽くした本作の会見のサプライズに、2001年に公開された映画『ムーラン・ルージュ』を手掛けたバズ・ラーマン監督がサプライズで来場。前日にゲネプロを観劇したそうだが、「日本語はわかりませんが、最後の悲劇的な場面は、私がこれまでに観た『ムーラン・ルージュ』の舞台の中で1番感動しました」と、言わしめるほどの出来と話していた。
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』プレビュー公演は24日から28日まで、本公演は29日から8月31日まで帝国劇場にて上演予定!