俳優・広瀬すずが25日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで主演映画『水は海に向かって流れる』(監督:前田哲/配給:ハピネットファントム・スタジオ)公開御礼舞台あいさつを前田監督とともに開いた。
2021年に実写映画化もされた『子供はわかってあげない』で漫画賞を受賞している漫画家・田島列島氏の同名作が映画化。26歳のOL・榊さんと高校1年生の直達(大西利空)を中心に、曲者ぞろいのシェアハウスの賑やかな日常を描いている。広瀬は過去のある出来事から「恋愛はしない」と宣言する榊千紗役を演じている。
以下、公式レポート部分。
満席で迎えたこの日、26歳のOL・榊さん役の広瀬は「私自身大好きな作品なので、このように多くの方々に観てもらえることがすごく嬉しいです」とロングランヒットを期待。前田監督も「僕も個人的に大好きな映画です。多くの方々に観ていただいて嬉しいです」と公開後の好リアクションに頬を緩めていた。
まずは前田監督と広瀬2人でのフリートークを展開。広瀬が海を見つめるタイトルバックのショットについて前田監督は「太陽が出る夜明けのタイミングを待っていたので、スタッフは寝ておらずみんな不機嫌でした」と苦笑いすると、広瀬は「夜明け前で真っ暗だったので何時に撮るのかなと?と思ったら『今です!』と。現場に行ったら一気に日が出てきた。一瞬の撮影でしたね」と回想。ただ広瀬はこのショットがどの場面で使われるのかを聞かされておらず「撮影中は『何だろうこれは?何のシーンなのだろうか?』と思ったけれど、完成版を観た時にめちゃくちゃ素敵なシーンになっていると思った」と大満足の様子だった。
海辺の撮影は真冬の1月にロケ。榊さんと直達(大西利空)が海に入ってはしゃいでいるシーンがあるが、広瀬は「絶対寒い!と思ったけれど、監督から『ラーメン一杯おごってあげる』と言われたので『じゃ入ります!』となりました」と自ら暴露。これに前田監督は「広瀬さんはそういう時の反応が早い。男前なところがあって、どのシーンでも『了解っす!』と言ってやってくれる」と広瀬のプロ根性を明かしていた。
さらに広瀬は前田監督が「海は冷たかったですか?外よりも水温の方が温かいという噂を聞いたので」などととぼけられると「寒いですよ!1月の早朝ですよ?」と目を丸くしながら「撮影後は近くの宿にお風呂を用意してくださって、結構湯舟に浸かっていました。思った以上に体が冷えていました」と知られざる苦労を報告した。
また現在25歳の広瀬は、前田監督から劇中で見せるセーラー服姿について「高校生役もまだいけますね」と言われると「もちろんです!何を言うんですか!?」と即答。これに前田監督は「やる気満々ですね!」と感心していた。
Q&Aでは、撮影中に広瀬の生の感情が沸き上がったシーンの話題に。広瀬は、探偵から疎遠になっていた母親についての資料が届いたときに直達と感情的なやり取りをするシーンを挙げて「本来予定していた芝居が終わっても監督がカットをかけなくて、私はそんなときに気持ちがうわっと上がっていくタイプ。私の中でも『今!』と思う瞬間があって、それを監督も感じてくれて拾ってくださった」と回想。前田監督も「もちろん気づいていました。あれは誰も止められない。広瀬さんは特に横顔が美しいので、撮影しながら見入ってしまいました」と打ち明けていた。
広瀬が直達の父(北村有起哉)にお盆を投げる場面についても質問が上がった。広瀬は「あれは奇跡が起きたシーン。投げ方をいろいろと工夫しながらお盆を投げたら、本番だけキリンの置物に当たってカメラのアングル的に北村さんの顔面に当たっているように見えた」と紹介。前田監督は「お盆の場面は3テイクくらい撮った。というのも広瀬さんのお盆を投げるスピードが速すぎて、いつ投げたの?と思った」と驚き「すごいコントロール。ただ投げるスピードが速すぎて……。広瀬さんはきっと家でもお盆を投げていると思う」と謎の確信。広瀬は「違います!家でも投げていないです!やめてください、広まっちゃうじゃないですか!」と息の合った掛け合いを披露していた。
思い出深い撮影中のエピソードについて質問されると、広瀬は「旅館の撮影の時はお弁当ではなくて旅館の豪華なお膳でした。現場にいるとご飯が個人的に一番の楽しみ。元気が出るし、エネルギーを作る時間なので美味しいご飯を食べられると嬉しい」とにっこり。しかし前田監督は「え!?聞いてない!誰も食べていませんよ!」とまさかの告白で、広瀬は「私と(大西)利空君は食べましたけど……すみません忘れていました(笑)みんなで食べた記憶があったので」と大慌て。前田監督は「海のそばですから新鮮な海産物を食べたということですね?僕はちょっと冷えたお弁当でした」としょんぼりつぶやいていた。
最後に主演の広瀬は「私はいまだにお風呂に入りながら本作を観たりしています。それくらい好きな作品で、人間らしく感情のままに役として過ごせた時間でした。一人でも多くの方に榊さんの気持ちを知ってもらいたいです。みなさんにも寄り添ってくれる作品なので多くの方々に届くことを願っています」とさらなるヒットを祈願していた。
※広瀬すず過去記事
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