俳優・朝夏まなと、小越勇輝、花乃まりあ、中川晃教が21日、東京・日比谷のシアタークリエでシアタークリエ 2023年8-9月公演『SHINE SHOW!(シャイン・ショウ!)』(演出:山田和也)開幕を記念した囲み会見を開いた。
とある複合オフィスビル内の会社の社員が、歌唱力を競う夏のカラオケ大会が舞台。さまざまな想いを抱える“サラリーマン出場者”と、その舞台裏で数々のトラブルに見舞われながらもショーマストゴーオンの精神で乗り切ろうとする運営スタッフの物語を描く。
劇中衣装で登場した4人。すでに、18日より開演している本作。その反響や手応えを尋ねると、朝夏は「初日が開いてシアタークリエに笑い声があふれていて、お客さまあってのものなんだと感じています」と、観客の熱気により作品の完成度が上がっていると感じているそう。
小越も「僕はこうしたシチュエーションコメディは初めてで、けいこ場でけいこをしながら笑いが起きることがあるんですけど、本番でお客さんがどのような反応になるのか分からなかったんです。でも、けいこしたものを届けたときに、反応や笑いを頂いたときに、お客さんとともに作品が完成していくんだなと感じています。やっていく中で、笑いが生まれてくると、こうしたら面白くなるかなという発見があるんです」と、しみじみと話すと、中川も「お客さまが入って、ようやくこの作品が1つ完成しようとしているのかなと感じています」とうなずいた
朝夏はカラオケ大会を主催するビル管理会社の社員で、イベントの運営を務める鈴木真紀役を演じる。「胃が痛くなるくらい、部下の加瀬くん(小越)と『始まるね』という感じで始まりますが、出会う出場者の方々に振り回されながらも楽しいなとやりがいを感じます」と充実の表情を見せれば、ビル管理会社の若手社員で真紀の部下・加瀬貴久役を演じる小越も「僕は頼りない新人の役ですので、できないところがたくさんあって、ピュアに純粋に、でも、だからこその感情もあります」と話した。
役作りへ朝夏は、「会社員もバイトもやったことがなく、舞台を10代からやっていましたので」と、自身の体験からというわけにはいかなかったため、「舞台袖にいるスタッフの方々が支えてくださっているということを観察して、女性スタッフの方の言動を参考にさせて頂きイメージを膨らませました」という。それでも、「この作品のようにこんなトラブルが起きる舞台はないですが」と、笑うことも。
役を演じるうえで朝夏は「とにかく頭の切れる女性という役なので、セリフを噛むことに気をつけていました。仕草も加瀬くんへの指示はノールックだったりして、話をしながら次のことを考えている感じです」と、設定を満たすために苦労があるのだとか。ここで舞台を見た記者から「お辞儀も綺麗でしたよ」と声をかけられると「ありがとうございます」と、ニコニコとお辞儀を生披露する様子も見せた。
続く小越は、朝夏へ「投げてぶつけたものを受け止めてくれていることを本番で感じています。ナマモノなので芝居の感じが変わってくるんですが、変えても変えなくてもそこの信頼を寄せています」と、仰ぎ見るような気持ちを伝える。すると朝夏は「朝夏的には、(小越は)本当に頼りにしています!『次のシーンは何だっけ?』って聞いたらすぐに教えてくれて」と、お互いがお互いを頼りにしている様子を窺わせ、笑みを交わしていた。
一方、カラオケ大会出演者で元アイドルグループメンバー・琴浦あかね役を演じる花乃。役作りの際に「会社員としては欠かせないアイテムのことを聞いたり私には思いつきもしなかったものがあって、それがハンディ扇風機なんです。それとスマートウォッチでの確認とかもしています」と話しつつ、アイドル部分の役作りは、「私は宝塚出身ですけど宝塚の中でもアイドル的な方も居て、ショーででもかわいらしいシーンをやってらっしゃった方を思い出して演じました」と、参考にしているそうだ。
そして朝夏から「幕があがってから盛り上がりを日々感じています。普段、働いている方や演劇に馴染みがない方にも共感できるような作品だと思います。演劇の入り口にいい作品とも思っています。会社員の方、主婦の方はパワーを貰えると思うので、ぜひ観て頂ければと思います」と、メッセージを寄せていた。
『SHINE SHOW!(シャイン・ショウ!)』は18日から9月4日までシアタークリエにて上演予定!